新・ことば事情
6917「ハッシュマークか?シャープか?」
「#」
というマーク、電話機のボタンの呼び方です。これは実は、
「『シャープ』ではなく『ハッシュマーク』あるいは『井桁』」
なのです。つまり「音楽のシャープ♯」と「電話機の井桁・#』は似て非なるものですが、日常会話では、
「電話機の#」
のマークを、
「シャープ」
と言っていますね。
先日の「ミヤネ屋」でこれが出て来て、その違いをちゃんとわかっている林マオアナウンサーが、放送前に、
「どう読めばいいでしょうか?」
と聞いてきました。いろいろ考えた上で、
「正しくは、『ハッシュマーク』『井桁』だけど、『ミヤネ屋』の視聴者層を考えるとそれでは伝わりにくい。日本においては、電話機の『#』マークは『シャープ』と呼ばれていて、そちらの方が伝わりやすいので、きょうは『シャープ』で読みましょう。」
と指示しました。スタッフには、ちょうどその前日に、以下のようなメールをしています。
『緊急電話番号の「#7119」の「#」の読み方。本当は「ハッシュマーク」あるいは「井桁(いげた)」。しかし日本では、よく似ている「♯(シャープ)」のほうが通りが良いので、今回は「ミヤネ屋」視聴者層も考えて「シャープ」でOK。違いは、
・「#(ハッシュマ―ク)」=「横の棒」が「水平」で、「縦の棒」が「斜め」。
・「♯(シャープ)」=「横の棒」が「右肩上がり」で、「縦の棒」が「垂直」。音楽記号で「半音上がる」意味。』
ということで、「ハッシュマーク」という本当の名前が定着するには、まだ時間がかかりそうだと思います。「ツイッター」を使っている人たちには、
「ハッシュ・タグ」
という名前で広まっているとは思いますが。