新・ことば事情
6916「死者340人超え」
インドネシア・ロンボク島で起きた地震での死者が340人を超えたというニュースを、8月9日の「ミヤネ屋」の「250ニュース」でお伝えしました。その際に発注されたスーパーをチェックしていたら、
「死者340人超え」
という表現が出て来たので、
「死者340人以上」
に直しました。最近、何にでも使われる、
「超え」
という表現について、私は違和感がありますが、全部、直し切ることはできません。
しかし「超え」を「死者」の人数に使うのには違和感があります。軽率な感じです。
「死者が増えること(記録が伸びること)を望んでいるかのよう」
なのでです。
そもそも「~超え」は、スポーツで、
「松坂超え」「イチロー超え」
のように、
「偉大な選手の記録を破ること」
を指して使われていたのではないでしょうか?ところが最近は、
「岐阜・多治見市 40℃超え」「床上浸水 1000棟超え」
のように、これまでならば、
「~以上」
を使っていた場面でも使われるようになってきているのです。
スポーツ・バラエティー・芸能でならば違和感がない「~超え」も、「報道」には不向きです。使い分けをしたいです。