新・読書日記 2018_104
『これでも「アベ」と心中しますか?~国民の9割を不幸にする安倍政治の落第通信簿』(浜矩子、廣済堂新書:2018、1、9)
著者の浜先生、帯に写真も載っているが、イメージがコワイ。
この手の浜先生の本のタイトル、いつも「アホノミクス」って書かれていて、実態はそうでも、あまり品のあるタイトルではなくて購入の手が止まってしまう。今回はそれが書かれていなかったので、「読んでみるか」と。
でも、中身は読まなくてもわかる。だって「アベ政治」は、一言で言えば「嘘ばっかり」なのだから。そして答えは本書のサブタイトルに書いてある、
「国民の9割を不幸にする安倍政治の落第通信簿」
と。それを「証明していく」一冊。タイトルそのものも「アベと心中しますか?」ですから、「アベ支持者」は絶対この本は買わないと思います。
実は問題は、そんな嘘ばっかりの「アベ」を支持する人たちが、なぜ3~4割もいるのか?という点。個別の政策などに関しては6~7割以上の人が、
「間違っている」「納得できない」
と答えているにも拘わらずですよ。もちろん、
「野党が頼りなくて、信頼できないから」
とする人が多いのはわかります。でもだからと言って、
「他にマシな人がいない」
というのは、おかしいでしょ。「ベスト」が無ければ「ベター」を選ぶのが民主主義ですよ。
最近、これに関して一つの解答を得た。
何十年も前の学生時代に購入、読みかけたまま、ほったらかしになっていた本の中に、エーリッヒ・フロムの、
『自由からの逃走』
がある。「これ」ではないか?と思ったのです。タイトルの意味が分かった気がした。読んだことはないけど。つまり「自由」には「責任・義務」を伴うので、大衆の中の「責任・義務」が嫌いな人たちは、
「"自由"なんて、今の日本ならほうっておいたって、ある程度は与えてくれるんだから、そんなに責任や義務を果たさなくてもいいや」
と思っているのではないか?と。「自由からの逃走」とは、すなわち、
「責任・義務の放棄」
なのではないか?それが3~4割の人たちの正体ではないか?選挙で投票に行かない人たちのうちの何割かは、そういう人のような気がする。
こう考えると、少し「アベ支持率が3割を割り込まない理由」が分かるような気がするのだ。