新・ことば事情
6910「盟友」
8月8日、俳優の津川雅彦さん(78)が、今月4日に亡くなっていたというニュースが流れました。「ミヤネ屋」でもご紹介しました。その際に、最初は原稿に、
「津川さんの突然の訃報に、芸能界の盟友たちは・・・」
とありました。この、
「盟友」
というのが引っ掛かりました。というのも「盟友」としてコメントが出て来たのが、
「市川海老蔵さん(40)」「高橋克典さん(53)」
のお二人だったからです。「盟友」という表現は、
「同年配」
ならわかりますが、
「25~40歳と、親子ほども年齢が離れている人たち」
に対して使えるだろうか?と思ったのです。
しかも、同じ「芸能界」とはいえ、海老蔵さんは「舞台」、津川さんは「映画・テレビドラマ」と、主たる仕事の場は、厳密に言うと、
「(業界も)同じではない」
ので、「盟友」には違和感がありました。まだ、
「同志」
のほうが、年齢を超えてしっくりくる気がします。
結局、スーパー(テロップ)では「盟友」という表現はやめて、原稿の表現も、
「芸能界からも惜しむ声が」
と変更しました。妥当な判断だと思います。