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『道浦TIME』

新・読書日記 2018_103

『ことばが消えたワケ~時代を読み解く俗語の世界』(米川明彦、朝倉書店:2018、5、10)

若者語や集団語・業界語の権威である、著者の梅花女子大学の米川明彦先生から贈っていただきました。ありがとうございます!「平成の後半は、若者言葉に元気がない」と、以前おっしゃっていましたが、ちゃんとその後も観察を続けられていたのですね!

この本では「12章」に分けて、

第1章「スワルトバートル」~外国語もどきが消えたワケ

第2章「テクシー」~もじりが消えたワケ

第3章「江川る」~「る」ことばが消えたワケ

第4章「エンゲルスガール」~流行語が消えたワケ

第5章「メッチェン」~若者ことばが消えたワケ

第6章「冷コー」~老人語が消えたワケ

第7章「電気会社の社長」~隠語が消えたワケ

第8章「馬の爪」~業界用語が消えたワケ

第9章「人三化七」~卑罵表現が消えたワケ

第10章「ヘビーをかける」~外来語慣用句が消えたワケ

第11章「隠し」~一般語が消えたワケ

第12章「偉人」~明治時代語が消えたワケ

といろんな分野(業界?)の「消えた言葉=俗語」を紹介していく。「ああ、懐かしい!」と思う語もあれば「こんな言葉知らんな・・・」というものも。これまで米川先生の本は大体読んでいるので、知っている言葉が多かったですが。

ある意味「時代は繰り返す」んだなあ、と。いったん消えた言葉も、同じような形で、また登場してくる。それは「人間が使っている言葉」なんだからね。

あ、そうそう、「平成ことば事情6907アデダス」にも書いたけど、『第6章「冷コー」~老人語が消えたワケ』に出て来た、

「時代にあまり関係なく、高齢者の生理上、発音の退化現象として使われる語。また、時代に関係して以前ある発音がなかったために新たに生じたその発音ができず、類語で代用する語。たとえば、『テーシャツ』『テッシュ』『デズニーランド』のように発音する高齢者がいる。これなどが老人語である。『ティ』『ディ』は『テ』『デ』になる。」(76ページ)

というのが、日本ボクシング協会の山根会長の「アディダス」のことを、

「アデダス」

という発言にも通じるなあと。勉強になりました!


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(2018、7、31読了)

2018年8月 8日 18:58 | コメント (0)