新・読書日記 2018_096
『宇多田ヒカル論~世界の無限と交わる歌』(杉田俊介、毎日新聞出版:2017、2、10)
おととしの9月に、「休業」から「復活」してアルバムを出した宇多田ヒカル。その後、去年の2月にこの本が出た。読みかけてそのままになっていたら、次のアルバムが出てしまった。そしてNHKの7月16日放送の「プロフェッショナル」で、その新アルバム作成の模様のドキュメンタリーが放送されたのを見たので、思い出して一気に読んだ。
歌詞から分析していく形で「なるほど」と思う所も多かったが、「プロフェッショナル」を見ていたら宇多田ヒカルは「まず曲を作ってから、詩を付ける」ようなので、どちらかというと「言葉」よりも「曲」の分析をした方が良かったのかなあと言う気が少しした。
「復活」後に出たアルバム「ファントーム」は、本当に良い曲ばかり、しかも亡くなった母・藤圭子さんへの複雑な思いを込めて哀悼するアルバム。心に響くが、宇多田ヒカルの「愛」が「男女」を超えて、「親子」を超えて、「地球規模」「宇宙規模」に哲学的な域にまで達してきているんだなあと改めて思いました。
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