新・ことば事情
6882「肌着と下着の違いは?」
ことし(2014年)8月に「ミヤネ屋」スタッフから受けた質問。
「『肌着』と『下着』の違いは何ですか?」
えー!?最近あんまり「肌着」という言葉は耳にしないな。大体「下着」って言うんじゃないの?まあ、「赤ちゃんの下着」に関しては、「肌着」って言う気がするけど。
一応、国語辞典を引いてみましょう。
『三省堂国語辞典』は、
「肌着」=はだにじかに着る衣類
「下着」=(1)はだにじかに着ける衣類。はだぎ。(2)女性がスタイルを整えるために身に着ける、ブラジャーやガードルなど。
・・・と、ここまで書いたまま「4年間」ほったらかしで「2018年の7月」を迎えました。ここにきて「肌着」という文字を何度か目にしました。
まず、ことし(2018年)1月25日の『毎日新聞』夕刊のトップ記事の、
「肌着競作 着る〇〇」
という見出し。リードを読むと、
「着るコスメに、着る温泉、そして着る日本酒―――。肌への効果をうたったユニークな肌着が続々と登場している。」
「下着メーカーのトリンプ・インターナショナル・ジャパンは14年にショウガ成分、15年に月岡温泉(新潟県)の温泉成分を配合して肌着を発売」
「機能性肌着の走りは、03年、ユニクロが東レを共同で開発したヒートテック。」
という感じで「肌着」が出て来ます。
「肌に優しい」
など「お肌」に関連したもの、つまり、
「美容関連」
では「肌着」という言い方をするのかもしれませんね。
「下着」というと、反対語は「上着」になるのですが、「肌着」は反対語がありませんね。
また、最近では2018年7月20日の『読売新聞』に西日本豪雨災害を受けての記事で、
「企業広がる被災者支援 肌着・テント提供 写真無償で復元」
と出て来ました。被災者支援で送られるものが「肌着」。本文を読むと、
「グンゼは、岡山県倉敷市内の避難所4か所に大人用と子ども用の肌着計約1万枚を提供した。」
とありました。これは「下着」でも言い換えられそうだけど。
イメージとしては、「肌着」は、
「シャツなど、上半身に身に着けるもの」
で、下半身を覆う「パンツ」「靴下」などは「肌着」とは呼ばない気がします。