新・ことば事情
6875「紳士的プレー」
私がメキシコ五輪の銅メダルを見てサッカーを始めた今から半世紀前、サッカーは、
「紳士のスポーツ」
と呼ばれ、そのルールの反則の中に、
「ひ・しんしてきプレー」
というのがありました。
「非紳士的プレー」
です。当時のサッカースクールのコーチから教えられたとき、小学生だけど何だか大人になったような気持ちでした。
ところが!
いつのまにかルールブックから「その言葉」が消えているそうなのです!知らなかった!
でも、言われてみればそうですね、「女子サッカー」が普及して「なでしこジャパン」がワールドカップで優勝したのが「2011年」ですからもう7年も経つんだし、女子サッカーの興隆に伴って、
「(非)紳士的プレー」
という文言が、時代に合わなくなったのでしょう。
じゃあ、どうなったのか?もしかしたら、
「非紳士淑女プレー」
でしょうか?何だか、あやしいな感じだ。今はどうやら
「反スポーツ的行為」
になっているそうです・・・。それだと「反則全般」に相当するんじゃないでしょうかね?ちょっと納得いかないような気がします。
日本サッカー協会のルールブックを見ると、2016年に大規模なルール改正が行われたようですね。昔からの「17条憲法」じゃないけど「17条」というルールの骨格は変わっていないようですが。前文には、
「サッカーは、競技者、審判、指導者にとって、また、観客、ファン、運営者などにとっても魅力的で、楽しいものでなければならない。競技規則は、試合が魅力的で楽しいものになるように助長する。それによって、年齢、人種、宗教、文化、民族、性別、性的指向、障がいなどにかかわらず、誰もがサッカーに参加でき、またそれにかかわることが楽しみになる。」
とあります。そして、
「 競技規則の適用上、女子サッカーを別のカテゴリーとするのではなく、今後は男子
サッカーと同じ位置づけにする。」
という所が、「非紳士的プレー」という用語の変更に関わっているのではないかなと思いました。