新・ことば事情
6870「意識高い方」
西日本豪雨災害の広島からの他局の中継を見ていたら、男性アナウンサーが、
「意識高い方が、避難を考えていたようですが」
といった言い回しを使っていて、それを見ていた「ミヤネ屋」のスタッフが、どよめきました。なぜ、どよめいたか?と言うと、
「意識高い」
という表現は、ネットなどでは、
「マイナスイメージを伴う言葉」
だからです。ウィキペディアでは、
『自分を過剰に演出する(言い換えれば、大言壮語を吐く)が中身が伴っていない若者、前向きすぎて空回りしている若者、インターネットにおいて自分の経歴・人脈を演出し自己アピールを絶やさない人などを意味する俗称である。大学生に対して使用されることが多いが、ビジネスマンや主婦など若者・学生以外の層に対して使用される場合もある。「意識高い系」の特徴として、自己啓発(ボランティア・政治)活動や人脈のアピール、あえて流行のカタカナ語を使うなどが挙げられる。』
と記されています。
ここで彼が言いたかったのは、
「防災意識の高い方」
ということで、
「プラスイメージで使うつもりだった」
と思うのですが、いまや「新しいマイナイメージの言葉」が人口に膾炙してしまったために、言葉を省略すると間違って伝わってしまう恐れがあります。それを避けるためには、助詞などを省略せずに、きっちり言わないといけない。中途半端な略し方をすると、ヘンなイメージが付いてしまって、伝えたいことが真っすぐ伝わらなくなるからです。
日頃の言葉遣いというのは、ついつい出てしまうものですね。よほど"プロ意識が高い方"でないと・・・。