新・ことば事情
6869「抜去2」
「平成ことば事情6855抜去」を読んでくださった、川崎市の西尾さんから、メールが届きました。
『「抜去」はいくつかの国語辞典に載っているようです。
*『広辞苑』(第七版)
ばっきょ【抜去】 抜き取ること。「カテーテルを―する」
*『大辞林』(第三版)
ばっきょ【抜去】 抜き去ること。 「チューブの―」
*『デジタル大辞泉』
ばっ‐きょ【抜去】[名](スル)抜き去ること。「歯を抜去する」
(「抜歯」や「抜糸」は小型辞典にも載っていますが)
農業・林業分野で、雑草や切り株を抜き取ることを「抜去」と言うようです。
「除草」だと、ヤギに任せる・刈り取る・焼き払う・除草剤で枯らすなども考えられます。
大麻草などの処分は根こそぎ「抜去」のほうが適切なのかもしれません。
電気・電子分野でも「挿入」と「抜去」を対で使います。書きことばとして。
パソコンの漢字変換でもふつうに出てきます。
(追伸)
日本国語大辞典(2版)には載っていません。意外です。』
西尾さん、詳しくご教示くださり、ありがとうございます。
『大辞泉』は印刷版の第2版でも確認してくださいました。また『初版』には載っていなかったそうです。
私が調べた『広辞苑』『デジタル大辞泉』には「抜去」は載っていなかったのですが、共に「電子辞書」
でした。つまり少し「版」が古い。『広辞苑』は「第六版」なのは、わかっていましたが、最新の「紙」の「第七版」の確認を怠りました。
改めて引いてみたら載っていました。
あれ?ということは、
「『抜去』は、『広辞苑・第七版』で新たに採用された言葉」
ということですね!
思わぬことから気付いてしまいました!