新・ことば事情
6866「付き人と付け人」
大相撲・貴乃花部屋の双子関取の兄・貴公俊の「付け人」への暴行問題で出て来たこの、
「付け人」
という言葉、以前から、
「『付き人』と、どう違うのか?」
という疑問が出ていました。それに対して2018年4月4日の読売新聞夕刊で、相撲に詳しい落語家の桂文福さんのコラム『桂文福の一番太鼓』で、
「『付け人』『付き人どう違う?』
という、正にこのテーマについて書かれていました。
「『付き人』と『付け人』は、どう違うでしょうか?」
それによると、
「我々、芸能界は『付き人』。この師匠、この先生に憧れて弟子になりたい、付いて修業、勉強したいから『付き人』です。相撲界は、親方から『お前、この関取に付け!!』と言われる。従って若い関取にベテランの幕下以下の兄弟子が付く場合も多い。その『付け人』が『何くそ!!俺も関取に出世するぞ』と気持ちを燃えさせる効果もあるし、若い関取に付いて立ち居振る舞いを指導することもあるんですね。」
とありました。
なるほど。ちょっと、落語に出て来る、
「長屋の物知りご隠居さん」
のような感じがしないでもないですが。
「御隠居さん、こんちは!」
「ああ、こんにちは。きょうは、どうしたんだい?」
「物知りのご隠居さんに、ちょっとモノを教えてもらいたいんですけどね」
「なんでも聞いとくれ」
「あの『ウワバミ』ってのがいるでしょ」
「ふむ、『ウワバミ』。大蛇じゃな」
「その大蛇の『ウワバミ』は、なんで『ウワバミ』って言うんですか?」
「うーーーーーーーん」
「・・・知らないんだな」
「人聞きの悪いことを言うな、知らないことはない、思い出しているだけだ。」
「やけに長いね、思い出すのが」
「うん、思い出した。」
「思い出しましたか!」
「思い出した」
「思いついたんじゃなくて?」
「うるさいな、話を聞く気が、あるのかないのか!」
「聞きます聞きます!」
「昔な、『ウワ』という、体の長い動物がいたと思いなさい 」
「思いました!」
「その『ウワ』がだな・・・『バム』んだな」
「へえー、『ウワ』は『バミ』ますかね?」
「バム!バマないと、『ウワバミ 』にならない」
おあとがよろしいようで・・・。
♪チャカ、チャンリン、チャンリン、チャンリン、チャンリン・・・