新・ことば事情
6863「お風呂」
「平成30年西日本豪雨」は、本当に想像を絶する量の雨が降り、平成最悪の被害をもたらしました。現時点で200人近い方が亡くなっています・・・。今もなお、避難所生活を強いられている方々、行方の分からない・安否不明の方々がいます。
お察し申し上げます。
7月12日の日本テレビお昼のニュース(「ストレイトニュース」)で、断水が続く愛媛県大洲市からの中継の前に、日本テレビ・矢島学アナウンサーが東京のスタジオから、
「待望のお風呂が設置された、愛媛県大洲市から中継です」
というような「フリ」をしました。その後、愛媛から南海放送の「女性アナウンサー」が中継をしました。そこでも、
「仮設のお風呂が設置され」「お風呂は午前〇時から」
というように、
「お風呂」
という言葉が連発されました。
私はニュースの原稿としては「お」は要らないのではないか?と思ったのです。
この「美化語」の「お」は難しいです。
「女性」が使う場合はそれほど不自然ではありませんが、「男性」が使うと、
「ちょっと幼稚な感じ」
にも聞こえる。しかし、もちろん「お」を付けた方が「丁寧」ですよね。中継などの「話し言葉・フリートーク」に近ければ「お」が付いていても自然ですが、「書き言葉の原稿」を読んでいるときに「お風呂」は違和感があります。他には、
「お茶」「お弁当」「お餅」「お水」「お花」
などもあります。どうすればいいんでしょうねえ・・・。