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『道浦TIME』

新・ことば事情

6854「国手」

海堂尊さんの『ブレイズメス1990』(講談社文庫)を読んでいたら、127ページに、

「さすが天下の国手 佐伯教授ですね」

というセリフが出て来ました。また、その続編『スリジエセンター1991』(海堂尊、講談社文庫)の109ページにも、

「超然としているのが白眉の国手、佐伯清剛教授だ。」

298ページにも、

「でも天城先生の後ろ盾に白眉の国手、佐伯病院長が控えていることが問題なんだ。」

というセリフがありました。この、

「国手(こくしゅ)」

ってどういう意味?辞書に載っているんでしょうか?さっそく辞書を引いてみました。

『広辞苑』では、

「国手」=(1)(国を医する名手の意)名医。名人の医師。(2)囲碁の名手。

とありました。載ってるんだ!

『明鏡国語辞典』も、

「国主」(1)名医、また、医師の敬称。△国を医する名手の意から。(2)囲碁の名人。

とこれもほぼ同じシンプルな記述。

『新明解国語辞典』は、

「国手」=(「上医は国を医し、その次は人救う」ということから)「医師、特に名医」の意の古風な表現(広義では、碁の名人をも指す)。

と、少し詳しく載っていました。私にとってはあまり聞いたことがない言葉だったのは、私が医者にはあまり縁がないからのか、古風な表現をあまり目に・耳にしなくなっているからかわかりませんが、一つ言葉を覚えました。

(2018、7、6)

2018年7月 6日 18:44 | コメント (0)