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『道浦TIME』

新・ことば事情

6850「騒然の夜」

6月20日の「ミヤネ屋」で、前日のロシア・ワールドカップ初戦のコロンビア戦の勝利の様子をお伝えしました。その際に、事前にナレーターのNさんから、

「原稿に『カメラが捉えた騒然の夜』という一文があるのですが、これは、このままでいいのでしょうか?」

と聞かれました。確かに、

「騒然の夜」

というのは、ちょっと聞き慣れない表現です。普通ならば、

「騒然とした夜」

とするところでしょうね。でも、最近はやりの文章表現として、

「『おいしい』をお届けする」

「『うまい』を追求する」

「『キレイ』をあなたに」

といったように、

「形容詞をそのまま名詞として使う表現」

が多用されています。特にCMなどの世界で。

この「騒然の夜」も、「騒然とした」を「騒然」という漢字2文字に圧縮している、カギカッコ付きの、

「『騒然』の夜」

という使い方なので、

「絶対にダメ、とまでは言えないのではないか?」

と答え、そのまま放送しました。

「騒然と」は形容詞ではなく「副詞」だと思いますが。もしくは「騒然たり」という文語の「形容動詞」かな?

(2018、6、22)

2018年6月22日 11:42 | コメント (0)