新・ことば事情
6813「入籍」
女優の鈴木京香さん(49)と俳優の長谷川博己さんが、
「入籍」
したと、女性雑誌が伝えたと、きょう(5月29日)の「ミヤネ屋」でもお伝えしました。
この「入籍」という表現ですが、現在の民法で「入籍」というのは、
「養子縁組」
の場合のみです。戦前の「旧民法」においては、「法的な結婚」は、
「新郎の家の籍に、新婦が入る」=「入籍」(新婦から言うと「嫁入り」)
だったのですが、戦後の「民法」においては、
「新郎と新婦で一緒に新しい籍を作る」
ので、戦前と同じ「入籍」という表現を使うことはいかがなものか?ということになるのです。ですから、「報道局の扱うニュース」としては、少し文字数は増えますが、
「婚姻届提出」
としているのです。(芸能ネタでも。)
しかし、芸能人などは平気で「入籍しました」というFAXを送り付けてくるし、スポーツ紙や芸能週刊誌なども同じ意識で報道しているので、その引用などでは、
「入籍」
を使わざるを得ない部分もあるし、一般の視聴者、
「それほど意識していない」
ことも多いというのが現状です。