新・ことば事情
6811「アガる食べ物」
6月4日放送の日本テレビ「しゃべくり007」のゲストは平昌(ピョンチャン)五輪で銅メダルを獲得した「カーリング女子チーム」の5人でした。いわゆる、
「カー娘(むす)。」
ですね。それぞれの個性が余すところなく、つまびらかにされて、大変面白かったです。
そのゲスト5人に対しての質問の一つに、
「アガる食べ物」
という項目があり、全員が、
「スイーツ」
と答えていました。これまで私たち年代が使う「アガる」という言葉は、
「何百人もの前で発表したのでアガった」
というように、
「緊張する」
ことを指すのですが、もちろん「スーツ」に緊張するわけではありません。この場合の「アガる」とは、
「テンションが上がる、アップする、元気が出る」
という意味でしょう。
「アゲアゲ」
などという言葉の流れではないでしょうか?この意味での言葉が、もう説明もなく使われているのですねえ。新しい言葉をいち早く取り入れることでいられる『三省堂国語辞典・第7版』で「あがる」を引くと何と「25」もの意味が書かれていて、その「24番目」に、
「(多く「アガる」と書く)(俗)気分が高まる(例)アガる春ぐつ」
と載っていました。「春ぐつ」というのは「春靴」なのかな?ちょっと用例が分かりにくいです。まさに今回の「アガる食べ物」に、用例を代えてはいかがでしょうか?