新・ことば事情
6806「喉に骨がつっかえた」
日本テレビ政治部・国会官邸キャップの青山和弘記者の著書、
『恩讐と迷走の日本政治~記者だけが知る永田町の肉声ドキュメント』(文藝春秋)
を読んでいたら、
「喉に骨がつっかえたような感覚のまま」(188ページ)
という表現が出てきて、違和感がありました。まさに、
「喉に骨か何かが引っかかったような感覚」
でした。
グーグル検索(5月23日)では、
「喉に骨がつっかえた」 = 109件
「喉に骨が刺さった」 =4040件
「喉に骨が引っかかった」 = 379件
「のどに骨がつっかえた」 = 7件
「のどに骨が刺さった」 =1780件
「のどに骨が引っかかった」= 140件
ということで、一番多かったのは、
「喉に骨が刺さった」
でした。
たぶん「つっかえた」の場合は、
「胸につっかえた」
ではないでしょうか?「胸のつかえ」と言うぐらいですから。
「胸につっかえた」 = 1490件
「胸に引っかかった」=4万6500件
でした。青山さんの表現は、いわゆる「混交表現」になってしまっていましたね。
本は、大変読みやすく、この1年ほどの安倍政権を中心とした日本政治の混迷の様子の、政治部記者ならではの『インサイドリポート』でした。