新・ことば事情
6805「お花畑」
皆さんは、
「お花畑」
と聞くとどのようなものを思い浮かべますか?まあ当然、
「一面の花畑」
で、咲いているのは「ヒマワリ」か「菜の花」か、あるいは「芝桜」か「ラベンダー」か・・・想像するだけで心が和みますね。
実は「お花畑」という言葉、国語辞典を引くと意味が2つ載っています。1つ目は、
「『花畑』に『お』が付いた丁寧語」
本来これは、辞書に載せなくてもいい言葉です。「花畑」に「お」が付いただけなんだから。2つ目は、
「高山植物の花が咲く場所」
です。これは「お」がなくては成り立たない言葉ですね。「花畑」と「お花畑」では意味が違うのです。「ひや」(日本酒)と「おひや」(冷水)、「にぎり」(寿司)と「おにぎり」(おむすび)の違いのようですね。
そして私が見つけたというか、気付いた「お花畑」の「3つ目」の意味は、
「頭の中(考えている世界)がまるでお花畑のように平和過ぎて、殺伐とした現実の世界から遊離している様子を揶揄した言葉。能天気。」
です。使い方の例としては、
「相変わらず"お花畑"ですね」
「頭がお花畑」
「脳内お花畑」
というような感じ。そのままか。これは『三省堂国語辞典』にもまだ載っていない用法です。次の改訂で載るかどうか?グーグル検索では(6月4日)、
「お花畑・頭」=569万件
でした。トップに出てきた2015年3月11日に「ヤフー知恵袋」に寄せられた、
「『頭がお花畑』とは、どういう意味ですか?」
という、質問すること自体が「お花畑」的に見られかねない素朴な質問に対する答えは、
「考え方が夢見がちでおめでたいというか、現実が見えてないというか。そんな感じですかね。頭の中にお花畑が広がっているのではないかと思うほど、浅い考え方をしているとか、そんなような意味だったと思います。それちょっとおかしいでしょ?という考え方や発言をする人に使いますね。決して良い意味ではありません。あなたは馬鹿です、と言われているようなものです。」
という「身もふたもない回答」が、ベストアンサーになっていました・・・。
良い言葉ではないから、『三省堂国語辞典』には載らないかな?