新・読書日記 2018_068
『極上の孤独』(下重暁子、幻冬舎新書:2018、3、30第1刷・2018、4、25第5刷)
元NHKアナウンサーで今は作家の下重さん。彼女の本は過去に何冊か読んだことはあるが、今回は、特に読むつもりはなかった。しかし「売れている」ということで 「何がそんなに話題なのか?」と思って購入、読むことに。発売1か月で「5刷」です。NHK時代のアナウンサーの1つ先輩に、この間亡くなった女優の野際陽子さんがいて、名古屋の寮では一緒だったそうだ。ということは下重さんも、もう80歳を超えているんですね。なんか、イメージが、曽野綾子さんとカブるんですけどね。塩野七生さんも、曽野綾子さんとイメージがカブるのだが「3姉妹」ではないか?違いますね、ハイ。
下重さんは「孤独」が好きだ。人と群れることは嫌い。そういう人なら、年を取って一人になっても「孤独」を感じないのかな。
亡くなった女優の大原麗子さんの衣裳部屋には「孤独な鳥の五つの条件」という、16世紀のスペインの詩人「サン・ファン・デ・ラ・クルス」の詩が貼ってあったそうだ(誰が見て、誰が伝えているんだろう?)。その「五つの条件」というのは、
一、孤独な鳥は、高く飛ぶ
二、孤独な鳥は、仲間を求めない、同類でさえ求めない
三、孤独な鳥は、嘴(くちばし)を天空に向ける
四、孤独な鳥は、決まった色を持たない
五、孤独な鳥はしずかに歌う
「鳥」というのがカザルスのようでスペインらしい・・・というか「カタロニア」らしい感じ。「サン・ファン・デ・ラ・クルス」は「カタロニア」出身なのかな?調べたら、どうやら「サラマンカ」で学問を収めたようですね。詩のスペイン語の原文が出てきました。
「LAS CONDICIONES DEL PAJARO SOLITARIO Son cinco」
La primera, que se va lo mas alto;
la segunda, que no sufre compania, aunque sea de su naturaleza;
la tercera, que pone el pico al aire;
la cuarta, que no tiene determinado color;
la quinta, que canta suavemente.
このうち下重さんは「五」に惹かれるそうで、
「孤独を知る者のみが、自分の人生を知り、しずかに自分の歌を歌うことができるのだ」
と記している。このあたりが高齢者に人気の秘密かな?きっと買っているのは高齢例の方ですよね。