新・ことば事情
6804「七冠の読み方3」
2017年12月5日に通算7期目の「竜王」を獲得し、初の「永世七冠」を獲得した将棋の羽生善治さんと、ことし10月に初めて2度の七冠を達成した、囲碁の井山裕太さんに、政府は「国民栄誉賞」を授与する方針を固めたと12月13日に報じられました。素晴らしいことですね。まあちょっと安倍政権への批判の矛先をかわすような感じがしないではないですが、なしとげたこと自体は素晴らしいので、その点に文句のある人はいないでしょう。
で、
「七冠」
であります。その読み方は、もう100%皆さん
「ななかん」
と読んでいる。私も「ななかん」なのですが、これで思い出したのが、ことし亡くなった翻訳家で作家の「柳瀬尚紀」さんです。
20年前、羽生さんが初めて「七冠」を達成した際に、
「シチカン」
であると強く主張されました。この辺の事情に関しては、過去にも「七冠」について2回、書いていました。
平成ことば事情5000「七冠の読み方」
平成ことば事情6208「七冠の読み方2」
もお読みください。
そして、きょう(2018年5月23日)、囲碁の、
「井山七冠」
に関するニュースが出てきて萩原アナウンサーに、
「ナンカン?シチカン?どっち?」
と質問されました。
「『七段』を『シチダン』と読むのだから『シチカン』が良いのかもしれないが、『段位』と『冠』は違う。『冠』は増えたり減ったりする可能性もあり、『段位』ほど固定的ではないという意味で、伝統も浅い。わかりやすさなら『ナナカン』。伝統的な感じを出すなら『シチカン』。どちらでもよいのでは?」
と答えました。
報道のデスクが過去の原稿をチェックしたところ、日本テレビの原稿に、
「ナナカン」
とあったので、今回はそれに従うことになりました。
なお5月23日のNHK大阪のニュースでも「ナナカン」と読んでいました。
話はそれますが、羽生さんの奥さんは元タレントの、
「畠田理恵」
さん。今は結婚したから、
「羽生理恵」
さんか。もし「そむ」さんと結婚していたら、
「ソムリエ」
だったんだなあ。誰や、「そむ」さんって。「ノム」さんなら知ってるけど。