新・ことば事情 (2018、4、13)
6791「山崩れか?土砂崩れか?」
4月11日の未明に、大分県中津市耶馬渓町(やばけいまち)で、民家の裏山が崩れた事故で、6人の安否が不明でしたが、その日のうちに男性1人の死亡が確認されました。(翌12日に、さらに1人の死亡が確認されましたが、13日午前10時現在では、まだ身元が特定されていません。)この現象を指して、
「山崩れ」というか?「がけ崩れ」と言うか?
という問題で、この日(4月11日)の「ミヤネ屋」では、見出しは、
「山崩れ」
で、その後のサイドスーパーは、
「土砂崩れ」「山崩れ」
両方出て来ました。ナレーションでは、
「土砂崩れ」
で、ヘリコプター中継で、三浦隆志アナウンサーは、
「山が崩れた」
と表現していました。その後の「かんさい情報ネットten.」は、
「山崩れ」
と表記していました。4月11日の各紙夕刊は、
(読売)山崩れ
(朝日)山崩れ
(毎日)土砂崩れ
(産経)裏山崩落
(日経)山崩れ
でした。
4月11日の日本テレビ「every.」では、帯テロップでは
「大規模土砂崩れ」
で、右上のサイドスーパーは、
「裏山崩れ」
そして中継のアナウンサーとVTRのナレーターは、
「土砂崩れ」
と言っていましたが、翌4月12日の日本テレビ「スッキリ」の中のニュースでは、帯スーパーもナレーションも、
「山崩れ」
になっていました。NHKの夜9時のニュース・ウオッチ9」では、テロップ(サイドスーパー)もナレーションも、
「がけ崩れ」
でした。
4月13日のテレビ朝日のお昼のニュースでは、テロップもナレーションも、
「山崩れ」
でした。つまり、
「『山崩れ』が起こって『土砂が崩れた』」
わけです。一般的な「土砂崩れ」は、「山が崩れる」ほどの規模にまではいかないことが多いのですが、今回は、
「高さ100メートル、幅200メートル」
という大規模な崩落だったので、まさに、
「山が崩れた」=「山崩れ」
と言えるのでしょう。
NHKは、4月13日のお昼のニュースでもナレーションは、
「がけ崩れ」
で、スーパーは、
「土砂崩れ」
でしたが、あれは、こんもりと木が繁る「裏山」だったんので「がけ」ではなかったように思うのですが・・・。
亡くなった方に哀悼の意を表するとともに、安否不明の方が無事に見つかってくれれば・・・と祈ります。