新・ことば事情
6785「花材」
春です。
母の誕生日のプレゼントとして花を買いに花屋さんに行きました。
そこで注文して待っている間に目についたプラカードに、こう書かれていました。
「お供えのお花、ご注文は承ります。
花材・カサブランカなど。」
まだ、「お供え」は要らないんだけどね、うちは、生きてるから。
目についたというのは、この、
「花材」
という言葉。想像するに、
「花束などを作る時の花のこと」
のことを言うのでしょう。お花屋さんの専門用語のように感じました。
あ、「華道・生け花」をする人も使いそうですね。
辞書に載っているかな?
『広辞苑』ではズバリ端的に、
「かざい【花材】=生け花の材料。」
とありました。『精選版日本国語大事典』は、もう少し詳しく、
「かざい【花材】=いけばなの材料。木、花、草、蔓などの植物のほかに、植物を枯らしたもの、金属、合成樹脂など広範囲にわたって用いられている。
とありました、詳しいな。『デジタル大辞泉』もかなり詳しくて、
「かざい【花材】=いけばなに用いる材料。木物(きもの)・草物(くさもの)・葉物(はもの)・つる物など種類も多く、ドライフラワー・金属・合成樹脂などの無機物も用いられる」
とありました。整理整頓された感じの記述ですね。「有機物」と「無機物」に分類してる。
『明鏡国語辞典』『新明解国語辞典』『旺文社標準国語辞典』には「花材」は載っていませんでした。「家財」は載ってるんだけどね。小型辞典では『三省堂国語辞典』が載せていました。
「かざい【花材】=いけばなやフラワーアレンジメントの材料」
シンプルです。グッド。さすが。
グーグル検索では(4月10日)
「花材」=775万件。
やはり「生け花市場」というマーケットがあるので、ネット上では「花材」を扱う「商売」のサイトが、たくさんあるようですね。