新・ことば事情
6780「エープリルフール」
4月1日は「エープリルフール」でした。子どもの頃は、一生懸命、
「何かウソをつかなくては!」
と思っていました。今年は、朝起きぬけに家族に
「きょうは晴れてるけど、お昼頃に大雨になるらしいで」
という「ウソ」をつきました。見事にみんな引っかかりました。ウシシ。
さて、この「エープリルフール」は、もちろん、
「4月1日」
ですが、ちょうどこの日の夜に一緒に食事をした82歳の父が、
「エープリルフールは、4月1日の"午前中"だけなんやで」
と言ったので、
「え?ほんま?」
と聞き返すと、
「ハハハ、引っかかった」
ヤラレタ。まだ、ボケてないな。
ところが実は『広辞苑』で「エープリルフール」を引くと、たしかに、
「4月1日の午前中」
と書かれているではありませんか!
他の辞書はどうか?と手元の辞書を引いてみたところ、
『精選版日本国語大事典』『岩波国語辞典』『三省堂国語辞典』『明鏡国語辞典』『新明解国語事典』『新潮現代国語辞典』『デジタル大辞泉』『旺文社標準国語辞典』は、
「4月1日」
でした。つまり、私が引いた辞書では、
「『広辞苑』だけが、『4月1日の午前中』と記してある」
のです。なんでやろうか?
岩波書店の『広辞苑』編集を担当している平木靖成さんにメールで聞いてみたところ、
「1991年の『第4版』から『午前中』という表記が入っているが、資料は残っていないので理由は分からない。ウェブ検索してみると、イギリスでは『午前中』という風習があるようだが・・・」
というお返事を頂きました。
謎は残りました。
(追記)
また、4月5日の日本テレビ「スッキリ」で、ちょっと変わった「エープリルフールのうそ」を紹介していました。面白かったのは、「牛丼の吉野家」の、
「吉野家が牛丼やめました」
もちろん、「ウソ」です。そして、「ファミレスのジョナサン」が、
「『サン』だと距離があり、より親しんでもらうために『ジョナチャン』に変えます」
と発表した、というのも、かわいくて笑えました。
これ、アルファベットも「t」と「c」の「1字違い」なんですね。
「Jonathan」⇔「Jonachan」
「ジョナサン」 ⇔「ジョナチャン」
うまい!
(2018、4、10)