新・読書日記 2018_047
『元素図鑑』(中井泉、ベスト新書:2013、4、20)
文系の人は余り興味を持たないかもしれない「元素」。しかし、カラー写真をふんだんにつかった「図鑑」というのに惹かれて購入。パラパラッと見て、その後5年の月日が経った。なぜか今「読もう!」という気になって読み通したら、これがまたコンパクトなのに濃密な情報を封じ込めた密度の高い「新書図鑑」でした。
高校の時、文系ではあったけど「化学」を選択していたし(国立大学を受験したので5教科7科目を勉強)小学校の時は「地学」に(玄武岩とか、岩石に)興味があったので、興味深く読んだ。そもそも「元素」というと、
「水兵リーベ、僕の船、そう曲がる、シップス、クラーク」
で覚えたぐらいしか知らないが(それでさえ、もう忘れた)元素の数は一体いくつあるのか?
「108個ぐらいかな?煩悩の数ぐらい?」
と思ってたら、実は、年々新しい元素が発見されたりしていて、
「116まで」
載っていた。そしてあの「原子番号113」の、
「ニホニウム」
というのは、日本が初めて発見した元素でしたね。その時はそれほど興味がなかったけど、この図鑑を読むと、「ネプツニウム」(原子番号「94」)以降の番号の元素は、全て人工のもので、ここ60年来、各国が新元素の発見を巡り競争している実態も見えて来た。
アメリカの「カリフォルニア大学バークレー校」は、たくさん元素を発見しているんだね。「バークリウム」「カリホルニウム」などの元素名は「バークレー」「カリフォルニア」にちなんだ元素名だそうです。へえー。そのままやな。アメリカと旧ソ連の戦いに、ドイツが割って入って、みたいな。日本も「ニホニウム」で参戦できたのか?というようなことは、特に説明は書かれていないが、次々と発見された元素を見れば、そしてその「命名権争い」を見れば、おのずとそれはわかりますね。
元素の名前はそれぞれ由来があって、
「ウラン(ウラニウム)」(原子番号92)=「天王星(Uranus)」
「ネプツニウム」(原子番号93)=「海王星(Neptune)」
「プルトニウム」(原子番号94)=「冥王星(Pluto)」
というのは「惑星の名前」からきている。「ウラン」もそうだったのか。で、「冥王星」は「惑星」じゃなくなったけど、いいのかなあ。もう付けちゃったもんね、名前。