新・ことば事情
6770「サッカー台」
先日近くのスーパーに行ったところ、こんな看板が出ていました。
この中の、
「サッカー台」
というのが目に留まりました。
「え?ここでサッカーするの?」
とは、もちろん思う訳もなく・・・でも小学生ならそう思うかもしれません。しかしさすがに私も立派に大人です。そんなことはしません!えっへん。
それで、この「サッカー台」とは一体何なのか?
こういうときはインターネットですね。「ウィキペディア」には、こう書かれていました「。
『サッカー台は、おもにスーパーマーケットなどで、会計を終えた品を客に袋詰めさせるための台(カウンター)のこと。作荷(さっか)台。スーパーの業務文章、什器メーカーのカタログ、店内に掲示される客用の文章では作荷台とサッカー台のいずれかまたは両方の表記が見られ、統一されていない。サッカー台の上に、ビニール袋(生ものや化学製品を入れるための薄手のもの)やセロハンテープ、アイスクリーム用の木製スプーンなどを提供している店もある。袋詰め作業をする店員はイギリス英語でサッカー(Sacker)、アメリカ英語でバッガー(Bagger)である。作荷台と英語のサッカーから派生したサッカー台が混同されているとの説と、作荷台はサッカー台の当て字であるという説があるが、いずれも事実かどうかは定かではない。欧米のスーパーには日本のサッカー台に相当するものはなく、ウォルマートやターゲットなどの米国の小売店ではチェックアウトカウンターと呼ばれるレジのテーブルが作荷台を兼ねている。』
とありました。へえー。全然知らなかった。日本語で、
「作荷(さっか)台」
というのも、見たことも聞いたこともありません。英語(イギリスの)での、
「袋詰めをする人」=「サッカー(Sacker)」
のほうが説得力がありますね。私も、
「サック」
が関係しているだろうなとは思いました。その「サッカー」に「作荷」の漢字を当て字したのではないか?と感じました。
『精選版日本国語大事典』『デジタル大辞泉』『新明解国語辞典』『明鏡国語辞典』そしてことし1月に出た『広辞苑・第七版』にも、
「作荷」「作荷台」「サッカー台」
いずれも載っていませんでした。新しい言葉か?業界用語でしょうけど。
グーグル検索(3月26日)では、
「作荷台」 = 6万4600件
「作荷」 = 5万4900件
「サッカー台」=11万8000件
と、件数は比較的少なかったです。ところが!さすが新語に強い『三省堂国語辞典』!
載せていましたよ、「第七版」。
*「サッカー」=商品をふくろづめにすること/人。(例)「スーパーマーケットでサッカーのアルバイトをする」
ぜひ「第八版」では、用例に「サッカー台」を入れてください、飯間さん!
(その後、遡って調べたところ、第5版【2001年】の時点で、すでにこの意味での「サッカー」が載っていました。)