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『道浦TIME』

新・ことば事情

6765「自動車学校」

3月26日お昼の日本テレビ『ストレイトニュース』で、愛知県・豊橋市での強盗未遂事件のニュースを放送していました。

事件は愛知県で起きているので、原稿はNNN系列の名古屋にある中京テレビが書いたもので、リード部分は日本テレビのアナウンサーが、VTRの本文部分は中京テレビの女性アナウンサーが読んでいました。その中に、

「自動車学校」

という言葉が出て来ました。そう、事件の現場は、

「自動車学校の女子トイレ」

だったのです。私が「おや?」っと思ったのは、この「自動車学校」という言葉は、

「西日本の気付かれない方言」

だと以前読んだことがあったからです。関東などで葉「自動車学校」とは言わずに、

「(自動車)教習所」

と言うはずです。「愛知県」は「自動車学校」文化圏だったのか?と思ったのです。どうなんでしょうか?

ネット検索してみたところ、やはりこの「呼び名の違い」について書かれていました。

https://www.ai-menkyo.jp/column/designation-of-driving-school.html

合宿免許の、まさに「自動車学校」で、「都道府県別自動車教習所の呼び方」について、

2014年10月10日に書かれていました。それによると、

「道路交通法上では、名称は『自動車教習所』」

とされているそうです。そして地域によっての呼び方の違いについては、

*【教習所】

=東北から中国地方や四国にかけては「教習所」がトップ。東京でも「教習所」が圧倒的に多く、次いで「車校」「自動車学校」という結果。

*【車校】

教習所の次に多い「車校」。愛知県を中心とした方言とされることが多く、愛知県では9割近い人が「車校」という呼び方をしている。「車校」は北陸や北九州にまで浸透している。

*【自車学】【車学】【自車校】【自学】

=北日本に多く、秋田県では「自車学(じしゃが)」という呼び方が一番多く、新潟では「車学」が多い。どちらも東北地方以外ではあまり使用が確認されていない。また、青森では「自車校」がトップで、岩手でも多い結果になった。北海道でも「自学」という独自の呼び方が確認されている。

*【自練】

沖縄では「自練」という独自の呼び方が存在している。「練」は「練習」からきているが、「自動車学校」「自動車教習所」には「練習」という文字はない。なぜ「自練」という呼び方が生まれたかというと、本土復帰前の沖縄での免許取得方法が関係している。昔の沖縄では「自動車練習所」と呼ばれていた。最後の学科試験だけでなく卒業検定も「免許課」に受けに行かなければならず、「自動車練習所」はあくまで「練習所」という扱いだった。その名残りから「自練」という呼び方が定着している。

というように、よく調べられていました。

このサイトから言うと、今回の愛知県では、

「車校」

と読んでいるはずですが、ニュースだということで、「標準語」にしなくちゃいけないと思って、いつもとは違う呼び方にしたと。その際に、標準語的な「教習所」ではなく、西日本の「自動車学校」にしてしまったのではないでしょうか?

また、この原稿を書いた記者が「関西出身」だったのかもしれませんね。

(2018、3、26)

2018年3月28日 12:39 | コメント (0)