新・ことば事情
6764「貸し主か?貸主か?」
銀行からお金を借りてアパート・マンションの部屋のオーナーとなり、毎月定額の家賃収入が得られるとうたっておきながら、実際は入居率が低く、このパターンが破綻したという問題が起きていると、3月26日の「ミヤネ屋」で取り上げました。
この際に、「言葉の表記=送り仮名」で、
「貸し主」か?「貸主」か?
「借り主」か?「借主」か?
という質問を、ディレクターから受けました。
『新聞用語集2007年版』と、読売新聞社の『読売スタイルブック2017』を引いてみたところ、共に、
「貸主」「借り主」
で、なぜか「借り主」だけ「送り仮名」の「り」が入っていたのです。
しかし、そろえないとヘンなので、放送では、
「貸し主」「借り主」
と共に「送り仮名」を付けました。
多分これは「銀行」などの「経済(活動)用語」(金銭)として使われる場合は、
「貸主」
というように、
「送り仮名が付かない」
のでしょう。「銀行の仕事」は、
「貸す」
ことであり、「借りる」ことではありませんしね。
「経済用語」で「名詞」の場合は、「送り仮名がない」ものが多く、一方で、「一般動詞」の場合は「送り仮名が付き」ます。
今回「貸し・借り」するのは「金銭」ではなく「アパート」だということもあり、
「送り仮名を付けて」
「一般動詞」と判断しました。
×「貸主」「借主」→○「貸し主」「借り主」