新・読書日記 2018_040
『オリジン(上)』(ダン・ブラウン著・越前敏弥訳、角川書店:2018、2、28)
ご存じ、ダン・ブラウンの最新作。前作「インフェルノ」の舞台は「イタリア」だったが、今度の舞台は、スペイン!表紙を開くと口絵写真が、スペインのバスク地方・ビルバオにある「グッゲンハイム美術館」が!ここ、ちょうど3年前に行ったんだ!(もう3年もたつのか)
「これは、読むしかないな」
と。この上巻の舞台は、まさにこのグッゲンハイム美術館でした。
天才的科学者が、この世の中特に宗教界をひっくり返すような大発見をしてしまった。これが発端。そこから、スペイン王室をも巻き込んだ陰謀(?)が展開していく。ワクワク。
全体に「科学と宗教」という深いテーマがある。キリスト教では神がアダムとイブを作って、そこから人間が増えて栄えて来た。つまりダーウィンの「進化論」は否定されている。アメリカでは、今もかなり多くの人たちが「進化論」を否定して、キリスト教(神)を信じているらしい。科学は宗教を否定するのか?科学の先にあるのが宗教なのか?この永遠のテーマが、この本の一番大きなテーマだと思う。いや、ダン・ブラウンの一連のシリーズのテーマそのものが「神とは何か」「人間とは何か」なのではないかなあという気がしてきました。果たして、天才科学者が発見したものとは!?
ここからちょっと「ネタバレ」。
犯人が逃亡するときに「ウーバー」のタクシーを使う。最先端だなと思っていたら、おととい(今月20日)アメリカで「ウーバー」の自動運転車が、人を轢いて死亡させてしまった事故が起きたというニュースを見た。科学はどこまで進化するのか?進化してもいいのか?そういったことまで考えさせられる。
また、登場するスーパーコンピューター(「スター・ウォーズ」の「R2-D2」のような感じ)の名前が「ウィンストン」。「ウィンストン・チャーチル」から取ったので、話す英語はイギリス訛り。そうそう「チャーチル」の映画が、間もなく公開されるな(3月30日)と。なんか全部、繋がって来ました。
また、トム・ハンクスがラングドン教授になって映画化されるのかな。楽しみだな。