新・ことば事情
6756「斜め上を行く」
映画『ジュマンジー~ウエルカム・トゥー・ジャングル』の広告で
「予想の斜め上をいく(おもしろさ)」
という言葉が出て来ました。これまでも気付いてはいたけれど、それほど気に留まらなかった表現です。今回、気に留めたのは、
「なぜ、予想の『「上」を行く』や、『「はるか上」を行く』ではなく、『「斜め上」を行く』なのか?という点です。これは、
「グラフ」
が関わっているのではないか?と。単に「上を行く」だと、
「同じ位置での上下」
ですが、「斜め上を行く」だと、
「折れ線グラフの横軸=時間が関わってくる」
ことになります。つまりこれは、
「『右肩上がり』『うなぎ上り』の言い換え表現ではないか?」
と思い付いたのです。いかがでしょうか?
グーグル検索では(3月19日)
「斜め上を行く」 =16万8000件
「予想の斜め上を行く」= 3万8500件
でした。早い人は「2009年7月」に「ヤフー知恵袋」に、
「ネットでよく見る『予想の斜め上』って、どういう意味」
と投稿しています。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1228586207
ベストアンサーは、
『「予想の斜め上」というのは、あるアクションに対して返される、こちらの常識では予想できないようなリアクションを形容する言葉です。「予想の上を行く」のではなく、「常識的には予想もつかないような反応でこちらの度肝を抜く」のがポイントです。』
とありました。そうか、そうすると、
「『グラフの延長線上』ではなく、そのグラフとは別の路線」
と考えた方がいいですね。
「全く新しい、考えもしなかった予想外の素晴らしい回答」
のようなものかな?
まさか、『三省堂国語辞典』は、もう載せているのかな?
引いてみた所・・・「斜め」にも「予想」にもこの言葉の用例は載っていませんでした。やはり、かなり新しい俗語のようです。今後注目していきます!