新・読書日記 2018_034
『置かれた場所で咲きなさい』(渡辺和子、幻冬舎文庫:2017、4、15第1刷・2017、7、25第2刷)
有名なロングセラー・ベストセラー。なんと220万部超!日本人の6人に1人が購入しているの?スゴイ!でも、私はアマノジャクですから、売れてる時は読む気がしなかったのです。「あいだみつを」さんみたいな感じなのかなと思って。しかし、著者が2016年の暮れに亡くなったと聞いて、また文庫になったと聞いてちょっと読んでみようかなと。立ち読みしたら、著者の渡辺さんは「二・二六事件」で暗殺された渡辺錠太郎・陸軍教育総監の娘さんだとか。1936年のその日には、9歳の著者は和室の座卓に身を隠して、1メートルばかり離れた場所で父が43発の銃弾を浴びて殺されたその場にいたという。そして父を襲った兵士を許せるまで、50年かかったという。それを知って俄然、読む気が出て来ました。
著者は、30歳間際に修道院に入った後アメリカに研修に行かされ、日本に戻ってから1年後に36歳の若さで、ノートルダム清心女子大学の三代目学長に就任するという、なんとも劇的な人生を歩んで来ました。その後は半世紀以上にわたって、宗教の世界・教育の世界で働いて来られたそうです。父が暗殺される場にいたというのは、今なら間違いなくPTSDになるところ。実際、そのことが、彼女を宗教の道に歩ませた原因の一つだったのではないでしょうか?
若くして学長に就任することになり戸惑っていた時に、一人の宣教師が手渡してくれた短い英詩。それは、
「Bloom where God planted you.」
という言葉。直訳すると、
「神が植えたところで咲きなさい」
になります。これは、
「咲くということは、仕方がないと諦めるのではなく、笑顔で生き、周囲の人々も幸せにすることなのです」
「置かれたところこそが、今のあなたの居場所なのです」
ということで、その解釈こそが、本書のタイトルである、
「置かれた場所で咲きなさい」
になったのだそうです。四字熟語で書くと、
「一所懸命」
ですね。いろいろ勉強になりました。