新・ことば事情
6740「ご注目してください」
平昌(ピョンチャン)五輪特番、2月23日深夜(24日午前0時過ぎ)のNHKの番組で、女性アナウンサーが、
「こちらに、ご注目してください」
と言っていました。しかし、これは間違い。正しくは
「ご注目ください」あるいは「注目してください」
ですね。
やはりフリートークで敬語をキッチリ使うのは、なかなか難しいようです。でも、それができてこそ、
「プロのアナウンサー」
だと言えるわけですが。
でも今回、この言葉を話す彼女の様子を見ていて、ちょっと気持ちが分かりました。
おそらくこれは「生放送」なので、VTRに話を振ろうとしたときに、
「まだ少し準備ができていなかったのではないか?」
そこで彼女は、
「少しでも言葉を長くして、スタジオでつなごうとしたのではないか?」
その努力の結果が、正しくは「ご注目ください」だと分かっていたけど、少しでも長くしようとして、
「ご注目"して"ください」
になったのではないか?「して」の分だけ、
「ほんの1秒ほど」
に過ぎないとは思いますが「延ばしたい」という"気持ち"の表れなんですよ。
よく語尾に、
「~したいと思います」
と付けるのも、そういった気持ちがあるのではないかと考えています。
気持ちは分かります。でも、効果はほとんどありませんね。