新・ことば事情
6738「行って帰って来るだけの映画」
2016年1月15日の日本テレビ「スッキリ!!」で、今年のアカデミー賞「作品賞」にノミネートされた、
「マッドマックス」
に関して、司会の加藤浩次さんが、
「行って帰って来るだけの映画ですよ」
と言っていました。コメンテーターは皆、笑いながら、
「その途中に、いろいろな出来事があるじゃないですか」
と言っていました。加藤さんも「愛を込めて」、このアクション映画に対してザックリとした物言いをしていました。
しかし、「行って帰るだけの物語」というのは別に珍しくなく、ほとんどはそういった物語・映画なんじゃないでしょうか?「宇宙戦艦ヤマト」だって「西遊記」だって「ロード・オブ・ザ・リング」だって、大きく見ればそんな話ですよね?
「ロードムービー」
と呼ばれるものは、大体そんな感じでは?まあ、たまに、
「帰って来ないこと」
もありますが・・・。わかった上でこういった言い方をするのは加藤さんの「センス」なのかなと思いました。まあ、我々の「(サラリーマン)人生」も、
「(会社に)行って帰るだけの人生」
かもしれませんが・・・(悲しい!)。
と書きかけて、ほったらかしにして、
「あっという間に2年」
が経ち、「第90回アカデミー賞」の発表が、きのう(日本時間3月5日)に行われ、
「シェイプ・オブ・ウォーター」
が「作品賞」を取りました。
その2日前に、映画館で見ました。面白かったですが、面白いだけでなく、今から半世紀前(もう!?)の、
「1960年代半ばの東西冷戦時代」
を舞台にしていますが、
「現代にも通じる様々な偏見・差別」
と、それを乗り越える、
「愛」
がテーマではないかなと感じました。