新・ことば事情
6734「ザギトワとザキトワ」
平昌五輪、フィギュアスケート女子で優勝した「A.ザギトワ選手」。とても15歳とは思えない大人びた顔立ち。女優の沢尻エリカさんに少し似た美人です。
その「ザギトワ選手」なんですが、ディレクターが発注して来るスーパーが、よく
「ザキトワ」
と間違っていました。正しくは「ギ」と「濁る」のですが、間違って、
「濁らない『キ』」
になっているのです。「山崎(ヤマザキ)」をひっくり返して、
「ザキヤマ」
と言うような感じです。
なぜ、こんなによく間違うのか?
考えたのですが、やはり、「ザ」「ギ」と、
「2語連続して濁る音」
に、日本人は「慣れていない」からではないでしょうか?
たとえば、イラクの首都である、
「バグダッド」
も、正しくは「バグダ」「ド」まで「全部濁る」のですが、よく間違って、
「バクダット」「バグダット」
と、どれかを「濁らない」で発音したり、書いたりしてしまいます。
また、ハンガリーの首都、
「ブダペスト」
も、「ブダ」共に「濁る」のが正しいのですが、間違って、
「プタペスト」
と「タ」を「濁らない」ことが多い。「ブダ」よりも「ブタ=豚」のイメージがあるんだと思います。
逆に、
「エキシビション」
という言葉の中で「濁点が付く(濁る)」のは「ビ」だけなのですが、間違って、
「エキシビジョン」
「ジ」まで「濁って間違って」しまう。これもよく使い慣れた、
「ビジョン」
という言葉に引かれたのでしょう。
結論から言うと、間違う理由は「2つ」。
(1)「連続して濁る言葉」に、日本人は慣れていない。
(2)「自分の知っている言葉」に引っ張られて間違う。
ということではないでしょうかね。