新・読書日記 2018_027
『半分生きて、半分死んでいる』(養老孟司、PHP新書:2018、3、1)
このところまた、養老先生の本(新書)が、次々と出版されている気がする。出たら、読む。大体毎回、同じことが書かれているのだが、読むたびに「ふむ、そうか」と思ってしまう。今回「そうそう!」と思ったのは、127ページの、
「デジタル社会はゼロか一かを基準とする社会。人生、生きていれば一。死んだらゼロ。しかし生きているということは、本当はゼロと一の間。ゼロと一の間には無数の数が詰まっているが、デジタルでやっていると、どんどんゼロと一の間が消える」
と批判している。これは私も20年来、言っていることと同じなので、「そうそう!」と思ったのでした。また、
「具体的とはどういうことか。感覚から入ることである。情報も感覚から入力されるが、ただちに『意味に変換されてしまう』そこが問題だ」(164ページ)
最初のほう(18ページ)に、
「煮詰まっている現代人」
と出て来るが、この「煮詰まっている」の意味は「行き詰まっている」だ。本来の「煮詰まっている」とは違う意味で使うなんて、養老先生もお若いですね。
「69ページ」で「脱字」を発見。編集部が付けた注釈で「年」が脱落。
×「(注1)二○一五六月三十日に」→○「(注1)二○一五年六月三十日に」
ですね。
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