新・ことば事情
6725「白信号」
皆さん、質問です!「信号」の色は「何色」でしょうか?
赤?青?黄色?うん?緑?それも青信号ですね。ナイス緑、いや、ミドル。
ところが最近は、
「白」
があるというのです。初めて知りました。「白信号」。
と言っても「信号」の正式な色としてあるのではなく、
「冬の雪国に特有の現象」
として出現するらしいのです。そう、信号の「赤・黄・青」のランプが、
「雪」
で覆われてしまって「白く」なり、
「信号を識別できない」
という困った事態が出来(しゅったい)していて、それを俗に、
「白信号」
と呼んでいるそうです。原因は、
「LED信号の普及」
だと言います。LED信号の普及率は、現在なんと、
「55パーセント」
にも達しているそうです。視認性に優れたLED信号は、普段ですと「見やすくて明るくて良い」のですが、その「長所」でもある、
「熱を発しない」
ことによって、雪国では、
「信号ランプに付着した雪が解けない」
ということになっていると言います。雪がこびりついたら、当然、
「何色かわかりにくくなる」
ので、
「交通安全に支障」
が生じます。
そこで、雪がこびりつかないように、信号ランプの出っ張りをなくした、
「平板信号」
(しかも、信号板の角度を20度下向きに取り付け、ランプ部分に雪がかからない工夫も)
や、赤のランプにだけ電熱線を仕込んで、
「赤信号には雪がこびりつかない工夫」
(信号機で一番重要なのは「赤信号=とまれ」だから)
や、ランプに雪が積もらないように、
「とんがり帽子風の透明カバーを付ける」
など、現在、雪国ならではの工夫がなされている最中だそうです。
普段、雪が積もることのない近畿地方の中部に暮らしていると、こういったことには全く思いが至りませんでした。しかもそれが、
「これまでの熱を発するランプでは生じなかったのに、便利なLEDに変えたことで生じた不都合」
というのは、着目すべき点だと思います。
「『便利』(利便性)と引き換えに『失うもの』がある」
ということ。「失われるもの」とは、往々にして、
「安全」
ですね。それを「ショウメイ」するような出来事だなあと思いました、「ランプ」だけに。