新・読書日記 2018_030
『言って いいこと 悪いことから日本人のこことの「結界」』(永六輔、光文社知恵の森文庫:2002、5、15第1刷・2016、8、5第15刷)
永さん、亡くなったから、新しい『広辞苑』(第7版)に載っちゃいましたね。日本人は死なないと載せてくれないから。外国人は生きていても載せるけど。
この本は、2002年に出て、まだ売れ続けている「ロングセラー」です。
いろんな人と"お話"をして聞いたこと・言葉、ラジオ目線で歩き回って、聞きまくってしゃべり回って来た永さんの「軌跡」。
聞いたことがある(読んだことがある)話も多かったが、目新しかったのは、映画『エアフォース・ワン』と『セブンイヤーズ・イン・チベット』を見たという話。(両方、昔、私も見ましたが。)『エア・フォースワン』は、カザフスタンの独裁者を乱暴に拉致する。実在する国をハチャメチャに叩いていると。そして『セブンイヤーズ・イン・チベット』では、ダライ・ラマの主張を映画に入れているので、中国がむちゃくちゃ怒った。「ハリウッド映画では、中国が悪役なんです」と永さんは書いている。つまり、
「ハリウッド映画はアメリカの戦略になっている」
という話。それはそうでしょうけど、たしかにふだんは、あんまり意識しないで見てますね。でも時代は変わりました。日本経済が強かった頃は、ハリウッド映画に「日本が悪役」でよく出て来たけど、最近は出て来るのは「中国」。娯楽の場でも、実際のそういったことは反映されるという話ですね。
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