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『道浦TIME』

新・ことば事情

6771「『意地悪』のアクセント」

「意地悪」

という言葉のアクセント。吹き替えのセリフの中に出て来て、録音するときに、

「イ/ジワ\ル」

と「ワ」の後で下がるように読んだのですが、何となく、

「関西弁っぽく」

って違和感があったので、

「イ/ジ\ワル」

と「ジ」の後に下がるアクセントで読み直しました。

でも、両方のアクセントが、アクセント辞典には載っているような気がしました。

改めて『NHK日本語発音新アクセント辞典』を引いてみたところ、やはり「2種類」のアクセントが載っていました。

(1)「イ/ジ\ワル」(2)「イ/ジワ\ル」

の順番で載っていました。番号は付いていませんが。

思うに、昔は(2)だったけど、最近は(1)になったんじゃないかなあ。

(2018、3、26)

2018年3月29日 23:31 | コメント (0)

新・読書日記 2018_047

『元素図鑑』(中井泉、ベスト新書:2013、4、20)

文系の人は余り興味を持たないかもしれない「元素」。しかし、カラー写真をふんだんにつかった「図鑑」というのに惹かれて購入。パラパラッと見て、その後5年の月日が経った。なぜか今「読もう!」という気になって読み通したら、これがまたコンパクトなのに濃密な情報を封じ込めた密度の高い「新書図鑑」でした。

高校の時、文系ではあったけど「化学」を選択していたし(国立大学を受験したので5教科7科目を勉強)小学校の時は「地学」に(玄武岩とか、岩石に)興味があったので、興味深く読んだ。そもそも「元素」というと、

「水兵リーベ、僕の船、そう曲がる、シップス、クラーク」

で覚えたぐらいしか知らないが(それでさえ、もう忘れた)元素の数は一体いくつあるのか?

「108個ぐらいかな?煩悩の数ぐらい?」

と思ってたら、実は、年々新しい元素が発見されたりしていて、

「116まで」

載っていた。そしてあの「原子番号113」の、

「ニホニウム」

というのは、日本が初めて発見した元素でしたね。その時はそれほど興味がなかったけど、この図鑑を読むと、「ネプツニウム」(原子番号「94」)以降の番号の元素は、全て人工のもので、ここ60年来、各国が新元素の発見を巡り競争している実態も見えて来た。

アメリカの「カリフォルニア大学バークレー校」は、たくさん元素を発見しているんだね。「バークリウム」「カリホルニウム」などの元素名は「バークレー」「カリフォルニア」にちなんだ元素名だそうです。へえー。そのままやな。アメリカと旧ソ連の戦いに、ドイツが割って入って、みたいな。日本も「ニホニウム」で参戦できたのか?というようなことは、特に説明は書かれていないが、次々と発見された元素を見れば、そしてその「命名権争い」を見れば、おのずとそれはわかりますね。

元素の名前はそれぞれ由来があって、

「ウラン(ウラニウム)」(原子番号92)=「天王星(Uranus)」

「ネプツニウム」(原子番号93)=「海王星(Neptune)」

「プルトニウム」(原子番号94)=「冥王星(Pluto)」

というのは「惑星の名前」からきている。「ウラン」もそうだったのか。で、「冥王星」は「惑星」じゃなくなったけど、いいのかなあ。もう付けちゃったもんね、名前。


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(2018、3、28読了)

2018年3月31日 16:28 | コメント (0)

新・読書日記 2018_046

『マリアージュ~神の雫 最終章10』(亜樹直・作、オキモトシュウ・画、講談社:2017、11、22)

「4品での戦いが終わった」かと思ったら、延長戦があったんですね。なかなか終わらないな、この漫画は。


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(2018、3、23読了)

2018年3月31日 10:24 | コメント (0)

新・読書日記 2018_045

『マリアージュ~神の雫 最終章9』(亜樹直・作、オキモトシュウ・画、講談社:2017、10、23)

4品での対戦。まさに佳境ですね。一進一退の攻防。

それぞれに合わせるワインは?遠峰の意外な戦略?雫の方がナチュラルで、好ましいように思うけどなあ、私は。


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(2018、3、22読了)

2018年3月30日 19:23 | コメント (0)

新・読書日記 2018_044

『マリアージュ~神の雫 最終章8』(亜樹直・作、オキモトシュウ・画、講談社:2017、10、23)

パティシエとして、あの鎧塚俊彦さんが登場します。亡くなった女優の川島なお美さんの旦那さんですね。実在の人物とのコラボというのも面白いですね。

デザートに合うワインまで考えなきゃいけないなんて、「マリアージュ」って難しいんだなあ。


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(2018、3、20読了)

2018年3月30日 11:22 | コメント (0)

新・読書日記 2018_043

『三省堂国語辞典・阪神タイガース仕様』(見坊豪紀・市川 孝・飛田良文・山崎 誠・飯間浩明・塩田雄大 編、三省堂:2018、3、10)

『三省堂国語辞典・第七版』です。

http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/dicts/ja/sankok7_tigers/

カバーにタイガースのマークがあって、見開きに甲子園球場のカラー写真があると。

まあ、それだけかなあ。

「用例」で「タイガース関連のもの」がふんだんに入っていたら楽しいのに、

「たったの3つ」

しかないんですね、それは。

「お○○」

「こ○○○○」

「は○○○」

の「3つだけ」ですね。すぐに分かりますよね、これ。

もうこうなったら自分たちで工夫して用例を作るしかないなあ。広島カープとかジャイアンツとか、ガンバ大阪とかセレッソ大阪とか。それぞれの辞書を作ったら、売れるかも。この辞書も既に予約だけで「重版」が決まったらしいです。あ、阪神ファンの諸國アナウンサーも買ったみたいですよ。会社のデスクの机の上に、誇らしげに置いてありました


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(2018、3、7購入)

2018年3月29日 22:21 | コメント (0)

新・読書日記 2018_042

『「日本語のゆくえ~辞書をつくる」婦人之友(2018年4月号)』(婦人之友社:2018、4、1)

ふだん絶対に買うことのない『婦人之友』という雑誌。「生活を愛する人とともに116年」。創刊が1908年・明治時代末期ですね。婦人向け雑誌の"老舗"ですねえ。

なぜ、そんな雑誌を買ったかというと、特集記事の「日本語のゆくえ~辞典をつける」を読みたかったから。作家の阿刀田高、『広辞苑』編集者の岩波書店・平木靖成氏・毎日新聞・校閲記者の平山泉氏の3氏による対談です。『広辞苑』の平木さんにはお会いしたことはないですが、以前、辞書の執筆(1ページだけ)でお世話になったことがあり、平山さんには、用語懇談会でしばしばお会いしています。阿刀田高さんの本は、高校から大学時代以降、若い頃にほぼ全て読みました。ということでなじみがある。そして、やはり知りあいが出ていると、読みたくなりますよね。ということで、購入して読みました。

一般読者向けということで、それほど深い話にまでは、なっていなかったけど、現場の人の話というのは「なるほどなあ」と思って聞けて、興味深かったです。


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(2018、3、15)

2018年3月29日 19:17 | コメント (0)

新・ことば事情

6770「サッカー台」

先日近くのスーパーに行ったところ、こんな看板が出ていました。

20180328.jpg

この中の、

「サッカー台」

というのが目に留まりました。

「え?ここでサッカーするの?」

とは、もちろん思う訳もなく・・・でも小学生ならそう思うかもしれません。しかしさすがに私も立派に大人です。そんなことはしません!えっへん。

それで、この「サッカー台」とは一体何なのか?

こういうときはインターネットですね。「ウィキペディア」には、こう書かれていました「。

『サッカー台は、おもにスーパーマーケットなどで、会計を終えた品を客に袋詰めさせるための台(カウンター)のこと。作荷(さっか)台。スーパーの業務文章、什器メーカーのカタログ、店内に掲示される客用の文章では作荷台とサッカー台のいずれかまたは両方の表記が見られ、統一されていない。サッカー台の上に、ビニール袋(生ものや化学製品を入れるための薄手のもの)やセロハンテープ、アイスクリーム用の木製スプーンなどを提供している店もある。袋詰め作業をする店員はイギリス英語でサッカー(Sacker)、アメリカ英語でバッガー(Bagger)である。作荷台と英語のサッカーから派生したサッカー台が混同されているとの説と、作荷台はサッカー台の当て字であるという説があるが、いずれも事実かどうかは定かではない。欧米のスーパーには日本のサッカー台に相当するものはなく、ウォルマートやターゲットなどの米国の小売店ではチェックアウトカウンターと呼ばれるレジのテーブルが作荷台を兼ねている。』

とありました。へえー。全然知らなかった。日本語で、

「作荷(さっか)台」

というのも、見たことも聞いたこともありません。英語(イギリスの)での、

「袋詰めをする人」=「サッカー(Sacker)

のほうが説得力がありますね。私も、

「サック」

が関係しているだろうなとは思いました。その「サッカー」に「作荷」の漢字を当て字したのではないか?と感じました。

『精選版日本国語大事典』『デジタル大辞泉』『新明解国語辞典』『明鏡国語辞典』そしてことし1月に出た『広辞苑・第七版』にも、

「作荷」「作荷台」「サッカー台」

いずれも載っていませんでした。新しい言葉か?業界用語でしょうけど。

グーグル検索(3月26日)では、

「作荷台」  = 6万4600件

「作荷」   = 5万4900件

「サッカー台」=11万8000件

と、件数は比較的少なかったです。ところが!さすが新語に強い『三省堂国語辞典』

載せていましたよ、「第七版」。

*「サッカー」=商品をふくろづめにすること/人。(例)「スーパーマーケットでサッカーのアルバイトをする」

ぜひ「第八版」では、用例に「サッカー台」を入れてください、飯間さん!

(その後、遡って調べたところ、第5版【2001年】の時点で、すでにこの意味での「サッカー」が載っていました。)

(2018、3、26)

2018年3月29日 10:00

新・ことば事情

6769「業間休み」

3月23日放送のテレビ朝日の「Mステ」(ミュージックステーション)は、

「卒業式で歌う人気の曲」

を特集していました。その中で紹介された岡山県真庭市にある、

「呰部(あざえ)小学校」

は、全校児童、たったの37人。この3月末で143年の歴史に幕を閉じ閉校となります。つまりこの卒業式は、143年の歴史の中で、

「最後の卒業式」

になったんですね。なかなか良い取材をされていました。卒業生(6年生)は男女1人ずつの、たった2人です。

子どもたちが卒業式で「答辞」と「送辞」を口にします。なかなか感動的。

その中で、在校生の男の子が、卒業生の男の子に贈った言葉が、

「業間休みに、サッカーをしてくれましたね」

というもの。この、

「業間休み」

という言葉、これは授業の間の、

「休憩時間」

のことですが「一種の方言」で、地域によって呼び名が異なります。(「自動車学校」「教習所」「車校」のような感じ。)そんなことを思い出し、

「岡山の真庭市では『業間休み』と言うのか」

と勉強になりました。名古屋ではたしか、

「放課」

と言うんですよね。日本は広いなあ。

(2018、3、27)

2018年3月28日 23:46 | コメント (0)

新・ことば事情

6768「混醸」

ワイン漫画『マリアージュ~神の雫 最終章9』(亜樹直・作、オキモトシュウ・画、講談社:2017、10、23)を読んでいたら、ワインを巡ってこんなフレーズが出て来ました。

「シャンパーニュ地方に倣った品種の"混醸"になったのだと思います。シャルドネ60%、ピノ・ノワール40%の不思議な白ワイン」

この中の、

「混醸」

という言葉は、初めて見ましたが、見ての通りそれぞれの漢字の意味の、

「(一つではなく)いくつかのブドウ品種を混ぜてワインを醸造すること」

でしょうね。

辞書に載っているのかな?

手元にある『精選版日本国語大事典』『デジタル大辞泉』『明鏡国語辞典』『新明解国語辞典』『広辞苑(第6版)』『旺文社標準国語辞典』『三省堂国語辞典』『現代国語例解辞典』『岩波国語辞典』『新潮現代国語辞典』には、「混醸」は載っていませんでした。

『新明解』『三国』 には、

「混植」

は載ってたし、『旺文社標準』『三国』『岩波国語』『新潮現代国語』には、

「混食」

は載っていたんですけどね。これは、

「国語辞典にはない言葉」

のようですね。専門用語でしょう。

(2018、3、23)

2018年3月28日 21:43 | コメント (0)

新・ことば事情

6767「店舗付き住宅と店舗兼住宅」

3月27日の読売テレビの『かんさい情報ネットten.』を見ていたら、大阪市内で火事のニュース。その焼けた住宅が、

「店舗付き住宅」

でした。それを見たMアナウンサーが、

「え?『店舗付き住宅』?『店舗兼住宅』ではないんですか?」

と言いました。う-ん、どう違うんだろうか?と少し考えてみて、

「『店舗付き住宅』は1階が店舗の造りになっていて、そこにお店が入っていて、その上の2階が住宅になっているという形態だけど、必ずしも1階のお店の人が住んでいるとは限らない。2階の住民と1階の店舗とは直接関係ないケースで、『店舗付き住宅』は、1階の店舗を経営している人たちが2階にそのまま住んでいる、という違いじゃないのかな?」

と答えました。

ネット検索(グーグル)してみると(3月27日)、

「店舗付き住宅」=22万3000件

で、「日本語表現辞典Weblioによると、

「店舗付き住宅」=「建物の1階部分などが住居でなく店舗として使用できるつくりの住宅。商売用のスペースをもつ住居」

とありました。やっぱりね。一方の「店舗兼住宅」は、

「店舗兼住宅」=17万5000件

でした。つまり「店舗付き住宅」に実際に住んでいる状態の家が、

「店舗兼住宅」

なのではないか?と思いますが、いかがでしょうか?

(2018、3、27)

2018年3月28日 18:41 | コメント (0)

新・ことば事情

6766「カッサ」

いつも女性目線の新しい言葉の情報を教えてくれるMアナウンサーからの新情報。

「カッサ」

という言葉。

「カタカナ?漢字で書けるの?」

と聞いたら、

「漢字で書けます」

とのこと。「カッ」は「刮」、「サ」は「痧」(「やまいだれ」に「沙」)と書くそうです。つまり、

「刮痧」

これは何かというと、

「皮膚を水牛の角や玉でこする。民間療法」

なのだそうで、それを行うためのプラスティックの板を

「刮痧プレート」

と言い、それで得られるの効果を、

「刮痧効果」

というそうです。もともとは「中国由来」で、現在はインターネットの「アマゾン」で、

「かっさ」

と検索すると、たくさん商品が出てくるのだそうです。

「かっさ」で検索してみたら(グーグル、3月27日)

「かっさ」=52万7000件

でした。トップで出て来たのが「日本かっさ協会」、そんな団体まであるんだ!

https://j-kassa.jp/know/

そのサイトによると、「かっさ」とは、

2500年前から中国で行われてきた民間療法である「刮痧(かっさ)療法」が原点。「刮(かつ)」はけずるという意味で、「痧(さ)」は動けなくなって滞っている血液のことをさします。 専用の板を使って皮膚の経絡や反射区を擦って刺激することで、毛細血管に圧を加えて血液の毒を肌表面に押し出し、経絡の流れを良くするというもの。いわば、東洋医学的なデトックスであるといえます』

と記されていました。「デトックス」かあ。何年か前に流行りましたね。その後あまり耳にしなくなりましたが、どうなったんだろうか?

世の中、知らないことがいくらでもありますね。

(2018、3、27)

2018年3月28日 15:40 | コメント (0)

新・ことば事情

6765「自動車学校」

3月26日お昼の日本テレビ『ストレイトニュース』で、愛知県・豊橋市での強盗未遂事件のニュースを放送していました。

事件は愛知県で起きているので、原稿はNNN系列の名古屋にある中京テレビが書いたもので、リード部分は日本テレビのアナウンサーが、VTRの本文部分は中京テレビの女性アナウンサーが読んでいました。その中に、

「自動車学校」

という言葉が出て来ました。そう、事件の現場は、

「自動車学校の女子トイレ」

だったのです。私が「おや?」っと思ったのは、この「自動車学校」という言葉は、

「西日本の気付かれない方言」

だと以前読んだことがあったからです。関東などで葉「自動車学校」とは言わずに、

「(自動車)教習所」

と言うはずです。「愛知県」は「自動車学校」文化圏だったのか?と思ったのです。どうなんでしょうか?

ネット検索してみたところ、やはりこの「呼び名の違い」について書かれていました。

https://www.ai-menkyo.jp/column/designation-of-driving-school.html

合宿免許の、まさに「自動車学校」で、「都道府県別自動車教習所の呼び方」について、

2014年10月10日に書かれていました。それによると、

「道路交通法上では、名称は『自動車教習所』」

とされているそうです。そして地域によっての呼び方の違いについては、

*【教習所】

=東北から中国地方や四国にかけては「教習所」がトップ。東京でも「教習所」が圧倒的に多く、次いで「車校」「自動車学校」という結果。

*【車校】

教習所の次に多い「車校」。愛知県を中心とした方言とされることが多く、愛知県では9割近い人が「車校」という呼び方をしている。「車校」は北陸や北九州にまで浸透している。

*【自車学】【車学】【自車校】【自学】

=北日本に多く、秋田県では「自車学(じしゃが)」という呼び方が一番多く、新潟では「車学」が多い。どちらも東北地方以外ではあまり使用が確認されていない。また、青森では「自車校」がトップで、岩手でも多い結果になった。北海道でも「自学」という独自の呼び方が確認されている。

*【自練】

沖縄では「自練」という独自の呼び方が存在している。「練」は「練習」からきているが、「自動車学校」「自動車教習所」には「練習」という文字はない。なぜ「自練」という呼び方が生まれたかというと、本土復帰前の沖縄での免許取得方法が関係している。昔の沖縄では「自動車練習所」と呼ばれていた。最後の学科試験だけでなく卒業検定も「免許課」に受けに行かなければならず、「自動車練習所」はあくまで「練習所」という扱いだった。その名残りから「自練」という呼び方が定着している。

というように、よく調べられていました。

このサイトから言うと、今回の愛知県では、

「車校」

と読んでいるはずですが、ニュースだということで、「標準語」にしなくちゃいけないと思って、いつもとは違う呼び方にしたと。その際に、標準語的な「教習所」ではなく、西日本の「自動車学校」にしてしまったのではないでしょうか?

また、この原稿を書いた記者が「関西出身」だったのかもしれませんね。

(2018、3、26)

2018年3月28日 12:39 | コメント (0)

新・ことば事情

6762「シューマイの容疑で」

3月23日未明、韓国の李明博(イミョンバク)元大統領が逮捕されました。韓国の大統領経験者の逮捕はこれで4人目ですが、これまでは大統領を辞めた直後などに、次の大統領によって逮捕されるというケースが多かったですが、今回は直前の大統領ではないので、ちょっと異例です。そのテレビニュースを聞いていたら、

「韓国の李明博(イミョンバク)元大統領が、シューマイの容疑で逮捕されました。」

と聞こえて、「え!」っと、驚きました。

「シューマイ?ギョーザじゃなくて?」

と思うわけもなく、もちろんこれは、「シューマイ」ではなく「シューワイ」、つまり、

「収賄」

ですね。耳が悪いですね、私。でも、

「シュ/ーマイ(syumai)」

「シュ/ーワイ(syuwai)」

ということで、「マ」と「ワ」の子音の「m」と「w」が違うだけなので、「マ」の発音の際に、唇をしっかりとくっつけて発音しないと、「ワ」になってしまうこともあり得るかもしれません。「ワ」になって驚こう。(古いっ!)

とは言え「シューマイの疑い」って、そんなに「ギョーザン」(たくさん)あるわけでは、ないでしょう。

ところが!

このニュースを聞いた後、お昼ご飯を食べに会社の食堂に行ったところ、この日のメニューは、なんと・・・

「シューマイ」

だったのです!

「野菜あんかけシューマイ」

です!パッと見には「野菜あんかけ」のせいで、シューマイのようにじは見えません。これは本当に「シューマイ」なのか?「シューマイ容疑」が発生!証拠の写真を載せます!

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いかがでしょうか?

(2018、3、23)

2018年3月27日 09:25

新・読書日記 2018_041

『オリジン(下)』(ダン・ブラウン著、越前敏弥訳、角川書店:2018、2、28)

上巻の舞台が「ビルバオ」だったが、下巻は「バルセロナ」に移る。

こちらのほうが、ビルバオより世界的には有名ですよね。ご存じ「グエル邸」や「サグラダ・ファミリア(聖家族教会)」も出て来ますよ。これは絶対「観光促進小説」だな。こんな感じで大阪とかもインバウンドを促進すればいいのに。もう、してるか。

「サグラダ・ファミリア」のあの塔の中の階段。上ったこと、ありますか?私は一度だけあります。もう26年も前だけど。途中で「上らなきゃ良かった・・・」と後悔しました。結構高い上に、上層の方に行くほど、かなり狭くなってきて、階段は急で、暗くて、しんどくて、しかも真ん中が「吹き抜け」になっていて、下を覗くと相当怖いんですね。やだやだ。

そんなところでラングドン教授は、ピストルを持った追っ手に追いかけられる・・・もう考えただけでも嫌です。何で観光地には、あんなに塔ばかりあって、みんな上ろうとするんだろう???見晴らしが良いからか。

物語は、「上巻」で発表できなかった"世界をひっくり返すような新発見"を、ラングドンたちが「パスワード」を見つけ出して解くことで、世界に発表しようとする、そのために必死に逃げて発表する場所を探す。一方、発表させまいとする追っ手・・・という映画化(映像化)にピッタリの内容になっています。ワクワク・ドキドキですね。

おもしろかったです。


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(2018、3、18読了)

2018年3月26日 19:46 | コメント (0)

新・ことば事情

6764「貸し主か?貸主か?」

銀行からお金を借りてアパート・マンションの部屋のオーナーとなり、毎月定額の家賃収入が得られるとうたっておきながら、実際は入居率が低く、このパターンが破綻したという問題が起きていると、3月26日の「ミヤネ屋」で取り上げました。

この際に、「言葉の表記=送り仮名」で、

「貸し主」か?「貸主」か?

「借り主」か?「借主」か?

という質問を、ディレクターから受けました。

『新聞用語集2007年版』と、読売新聞社の『読売スタイルブック2017』を引いてみたところ、共に、

「貸主」「借り主」

で、なぜか「借り主」だけ「送り仮名」の「り」が入っていたのです。

しかし、そろえないとヘンなので、放送では、

「貸し主」「借り主」

と共に「送り仮名」を付けました。

多分これは「銀行」などの「経済(活動)用語」(金銭)として使われる場合は、

「貸主」

というように、

「送り仮名が付かない」

のでしょう。「銀行の仕事」は、

「貸す」

ことであり、「借りる」ことではありませんしね。

「経済用語」で「名詞」の場合は、「送り仮名がない」ものが多く、一方で、「一般動詞」の場合は「送り仮名が付き」ます。

今回「貸し・借り」するのは「金銭」ではなく「アパート」だということもあり、

「送り仮名を付けて」

「一般動詞」と判断しました。

×「貸主」「借主」→○「貸主」「借主」

(2108、3、26)

2018年3月27日 18:20 | コメント (0)

新・ことば事情

6763「相撲とりました」

3月23日の「ミヤネ屋」で、大相撲の話題を取り上げました。その際に、

「貴乃花親方の吹き替えの録音」

をディレクターに頼まれました。読売テレビの報道局では、こういった吹き替えやナレーションの録音は、一人で、録音室で録ることになっています。

そこで、一発で録音を済ませて、そのことをディレクターに報告に行ったとき、

「相撲、録りました!」

と言ったところ、笑いが起きました。

一瞬、「え?何で笑うの?」と思いましたが、すぐに気付きました。

「相撲とりました」

というのが、まるで、

「相撲を取った」

のように聞えたんでしょうね。ディレクターからは、

「一人相撲ですね」

と言われました。うまい!!座布団1枚。座布団が舞っております。

(2018、3、23)

2018年3月27日 14:18 | コメント (0)

新・読書日記 2018_040

『オリジン(上)』(ダン・ブラウン著・越前敏弥訳、角川書店:2018、2、28)

ご存じ、ダン・ブラウンの最新作。前作「インフェルノ」の舞台は「イタリア」だったが、今度の舞台は、スペイン!表紙を開くと口絵写真が、スペインのバスク地方・ビルバオにある「グッゲンハイム美術館」が!ここ、ちょうど3年前に行ったんだ!(もう3年もたつのか)

「これは、読むしかないな」

と。この上巻の舞台は、まさにこのグッゲンハイム美術館でした。

天才的科学者が、この世の中特に宗教界をひっくり返すような大発見をしてしまった。これが発端。そこから、スペイン王室をも巻き込んだ陰謀(?)が展開していく。ワクワク。

全体に「科学と宗教」という深いテーマがある。キリスト教では神がアダムとイブを作って、そこから人間が増えて栄えて来た。つまりダーウィンの「進化論」は否定されている。アメリカでは、今もかなり多くの人たちが「進化論」を否定して、キリスト教(神)を信じているらしい。科学は宗教を否定するのか?科学の先にあるのが宗教なのか?この永遠のテーマが、この本の一番大きなテーマだと思う。いや、ダン・ブラウンの一連のシリーズのテーマそのものが「神とは何か」「人間とは何か」なのではないかなあという気がしてきました。果たして、天才科学者が発見したものとは!?

ここからちょっと「ネタバレ」。

犯人が逃亡するときに「ウーバー」のタクシーを使う。最先端だなと思っていたら、おととい(今月20日)アメリカで「ウーバー」の自動運転車が、人を轢いて死亡させてしまった事故が起きたというニュースを見た。科学はどこまで進化するのか?進化してもいいのか?そういったことまで考えさせられる。

また、登場するスーパーコンピューター(「スター・ウォーズ」の「R2-D2」のような感じ)の名前が「ウィンストン」。「ウィンストン・チャーチル」から取ったので、話す英語はイギリス訛り。そうそう「チャーチル」の映画が、間もなく公開されるな(3月30日)と。なんか全部、繋がって来ました。

また、トム・ハンクスがラングドン教授になって映画化されるのかな。楽しみだな。


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(2018、3、14読了)

2018年3月25日 18:54 | コメント (0)

新・ことば事情

6761「無期懲役の実刑判決」

2015年8月、東京・中野区のマンションで劇団員の女性が殺害された事件で殺人罪などに問われた戸倉高広被告(39)に対し、東京地裁は3月7日、求刑通り「無期懲役」の判決を言い渡しました。このニュース、「ミヤネ屋」のテロップでは、

「無期懲役の判決」

と出しましたが、東京地裁からの中継で鹿内リポーターは、

「無期懲役の実刑判決」

と言っていましたが、「無期懲役」の場合は「執行猶予」は付かず「実刑」に決まっているので、「実刑」は付けないで、

「無期懲役の判決」

のほうが良いと思います

しかしネット検索をしてみると、「毎日新聞」の「37 1827分更新」の記事では、

「無期懲役の実刑判決」

と「実刑」を付けていました。その前の「371706分更新」では「実刑」は付いてなかったのですが。

また、「読売新聞」(372040分更新)、「東京新聞」37 1712分更新)と「朝日新聞」380205分更新)は、「実刑」を付けずに、

「無期懲役の判決を言い渡した」

でした。

そして「産経新聞」37 19:54更新)と「日経新聞」37 19:02更新)も、も、「実刑」も「判決」も付けず、

「無期懲役を言い渡した」

でした。

毎日新聞の校閲の知り合いに聞いたところ、「無期懲役の実刑判決」について全社的なルールはないそうです。しかし、「無期懲役」「実刑」でデータベースを検索してもほとんど出て来なかったようなので、現場の記者としては、

「『無期懲役の実刑判決』とは、なるべく書かないようにしているようだ」

とのこと。しかし「間違い」とは言えないのと、

「『無期懲役には執行猶予は付かない』ということが一般の人にとって常識とも思えない」

ので、校閲としては、

「ダメと言っていない」

のだそうです。

(2018、3、22)

2018年3月26日 10:52 | コメント (0)

新・ことば事情

6760「名門2」

「名門」

という言葉。平成ことば事情6755「名門大洋フェリー」でも、

『「高校野球の名門」「焼き肉の名門」など、比喩的に使われますが、もともとは、「名家の一族」「由緒ある門地や門閥」という意味ですよね。』

というようにチラッと書きましたし、調べて見ると、

2016年6月28日にも「平成ことば事情6081名門」でも、

以前の用語懇談会放送分科会で、

「『名門』という言葉は使わない」

としている社もあったことを書いています。再掲すると、

****************************************

『2015年7月10日の読売テレビの夕方の関西ローカルニュース「かんさい情報ネットten.」で、

「名門復活」

というサイドスーパーが出て、あるボクシング部を取り上げていました。この、

「名門」

という言葉は「差別的」であるかどうか?

ええ?なんで?「名門」って、よく言うやん、どこがアカンの? 

と、普通は思う・・・と思うんですが、過去に何度か用語懇談会の席で「議題」に上がっています。ご紹介すると、

「2003年5月」の関西地区新聞用語懇談会では、

中国新聞の委員から、

「マニュアルにはないが、『名門』『名家』『旧家』は、不快語に当ると判断して使わないことになっている。」

という意見が出ました。それ以外の意見はメモしていませんが、

「へえ。そんなこともあるんだ」

と思ったのは覚えています。

その後、「2009年9月」の新聞用語懇談会放送分科会では、

(フジテレビ)「名門」「家柄」はニュースで使った。

(毎日放送)「家系」「名門」を使っている。

(朝日放送)「政治家の一族」「名門」は○。

という意見が。

また「2013年6月」の新聞用語懇談会放送分科会でも、

(共同通信)「名門」など、出自に関する語はできるだけ使わない。ただ、「歌舞伎」の世界は「名門」という"幻想"で成り立つ世界なので、使わざるを得ない。「高校野球」に「名門」を使うのはダメ。

というような意見が出たことがあります。

きょう(2016年6月28日)の「ミヤネ屋」でも、覚醒剤&大麻所持の疑いで捕まった元俳優の高知東生容疑者(51)の半生を紹介した中で、高校時代に野球をやっていて、

「名門・明徳義塾」

という表現が出て来ましたが、文脈には全く差別的な意味合いもないので、そのまま放送しました。

****************************************

ということです。

そんな中、3月17日に全国公開された映画『ちはやふる~結び』の前に、2週にわたって『ちはやふる~上の句』『ちはやふる~下の句』がテレビ放送されましたが、その「上の句」の中で、広瀬すずさん演じる主人公・千早が、幼なじみの太一におんぶされて言うセリフに、こういうものがありました。

「私、瑞沢(みずさわ)高校を、カルタの名門にする」

ことほど左様に、「名門」は普通に使われている言葉だと思いました。

(2018、3、20)

2018年3月25日 11:44 | コメント (0)

新・ことば事情

6759「モードとムード」

3月21日の「ミヤネ屋」で、平昌五輪・カーリングで銅メダルを獲得した「LS北見」のメンバーが、地元・北海道北見市で祝賀パレードをするという話題を取り上げました。

パレードが始まる前から、すでに沿道には多くの人が詰めかけて、

「すでにお祭りモード」

という原稿とテロップが発注されていました。これを見て「あれ?」っと思ったのです。

ここは、「お祭りモード」ではなく、

「お祭りムード」

なのではないか?と思ったのですね。

「モード」と「ムード」の違いについて考えてみると、

*「モード」=意図的に切り替えるもの

*「ムード」=自然に醸成される雰囲気

という違いかな。そうすると、「パレード」に備えて並んで準備をするという今回のケースは、スイッチを切り替えたので、

「モード」

でいいのかなと思いました。

(2018、3、21)

2018年3月24日 18:42 | コメント (0)

新・ことば事情

6758「ブロッサムか?ブラッサムか?」

3月23日の「ミヤネ屋」で、お花見に来た外国人客のコメントのスーパーで、

「チェリーブラッサム」

というのがありました。それを見て、

「チェリーブロッサム」

ではないか?と思いました。昔、松田聖子が歌っていた曲も「チェリーブロッサム」ではなかったか?と思って調べると、なんと松田聖子の曲名は、

「チェリーブラッサム」

でした。また、英和辞典で、

blossam

を引いてみたところ、「発音記号」による発音は、

「ア」(ラ)

でした。つまり外国人は、

「ブラッサム」

に近く発音しているということで、それを「綴り(スペル)」で見るとblossamと、

lo

があるので、「ロ」(ブロッサム)だと思ってしまうのではないか。

「耳から入る外国語」と「目から入る外国語」

で、表記が分かれるのではないかなと思いました。

有名なところでは、女優の「オードリー・ヘップバーン」「キャサリン・ヘップバーン」の、

「ヘップバーン」

と、「ヘボン式ローマ字」の発案者で明治学院大学の創立者の「ジェームス・カーティス・ヘボン」さんの、

「ヘボン」

は、同じつづりの、

「Hepburn」

ですが、「目で見た時」には「P」が入っているから「ヘップバーン」となり、文字を見ずに「耳で聞いた発音」は「ヘボン」と聞こえたという例に、似ているかもしれませんね。

今回は結局、しゃべっているのが外国人だったので、

「ブラッサム」

で、スーパーは出しました。

(2018、3、23)

2018年3月24日 11:39 | コメント (0)

新・ことば事情

6757「やられた時に」

3月19日放送の日本テレビ「しゃべくり007」で、「ハリセンボン」の春菜さんが、「ミスター・チルドレン」に会ったことがあると話していました。どういう時に会ったかというと、

「ライブやられた時に」

と話していました。

この「やられた時に」という「敬語」「?」が浮かびました。

「やっていらっしゃった時に」

なら分かりますが、この「やる」に「られる」を付けて過去形にした、

「れる・られる敬語」

だと、

「受け身」

に聞こえて、

「被害を受けた時」

のように感じてしまいます。

「うっ・・・やられた」

という感じです。誤解を招く話し方は、やめたほうがいいですね。

気を付けましょう。

(2018、3、23)

2018年3月23日 18:32 | コメント (0)

新・読書日記 2018_039

『人生の持ち時間』(曽野綾子、新潮新書:2017、10、20)

曽野さん、1931年生まれ。今年87歳になりますか。「作家」というよりも「日本財団トップのおばあさん」というイメージが強い(1995年~2005年。もう辞めたのだけれど)。"民間の立場での政治家"というイメージ。しかも「超右寄り」の強気の発言。それは一本、筋が通っている。昔、長男のことを書いた『太郎物語』とか、素朴で面白かったけどな。この本、帯には、

「変更できない運命の部分と、どう向き合うか。建設的に生きるための15話」

とあります。途中で「おっ!」と思ったのは112ページの、アフリカ開発に関する以下の記述です。

『アフリカ開発の大きな問題は、大きく言って二つある。一つはネポティズムと言われる身内びいき、馴れ合い体質であり、もう一つがコラプションという言葉で表される汚職体質である。いつかBBCな放送を聞いていたら、「コラプションの行き着くところは貧困」と言っていた。まこと明快な定義である。』

今これを読んだら、この中の、

「ネポティズムと言われる身内びいき、馴れ合い体質」

これって、

「アフリカの話じゃない、まさに日本の話じゃないか」

と思いますが、曽野さん、アフリカの話にたとえて、安倍首相に注意を促していたんですか?

去年亡くなった夫・三浦朱門さんの思い出を書いたところは、いつもの男性顔負けの(と言うか、曽野綾子さんの性格は、きわめて男性的)面は影を潜め、「妻」として亡き「夫」を懐かしく愛しく偲ぶ内容になっていて、

「ああ、これが『太郎物語』を書いたころの曽野綾子だなあ」

と思った。そして、1964年の東京五輪のポスターのロゴデザインを手がけた、

「亀倉雄策氏」

と三浦朱門が「竹馬の友」で(三浦の方が11歳年下だが)、「仲人」も頼んだ仲だったということを、初めて知った。もう半世紀以上前のことになるのですね。

そのほか、細川護煕さんから柑橘系の苗12本をもらった(そのうちの一本が「晩白柚(ばんぺいゆ)」という話や、競馬の「ダービー」の距離は「12ハロン(2400メートル)」で、「ハロン」というのは「ファーロング(furlong)」(=「8分の1マイル」=「約201メートル」)という、英語の距離を表す単位であることなども、初めて知りました。タイへ延勉強になった「15の話」でした。


star4

(2018、3、19読了)

2018年3月20日 21:27 | コメント (0)

新・ことば事情

6756「斜め上を行く」

映画『ジュマンジー~ウエルカム・トゥー・ジャングル』の広告で

「予想の斜め上をいく(おもしろさ)」

という言葉が出て来ました。これまでも気付いてはいたけれど、それほど気に留まらなかった表現です。今回、気に留めたのは、

「なぜ、予想の『「上」を行く』や、『「はるか上」を行く』ではなく、『「斜め上」を行く』なのか?という点です。これは、

「グラフ」

が関わっているのではないか?と。単に「上を行く」だと、

「同じ位置での上下」

ですが、「斜め上を行く」だと、

「折れ線グラフの横軸=時間が関わってくる」

ことになります。つまりこれは、

「『右肩上がり』『うなぎ上り』の言い換え表現ではないか?」

と思い付いたのです。いかがでしょうか?

グーグル検索では(3月19日)

「斜め上を行く」   =16万8000件

「予想の斜め上を行く」= 3万8500件

でした。早い人は「2009年7月」に「ヤフー知恵袋」に、

「ネットでよく見る『予想の斜め上』って、どういう意味」

と投稿しています。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1228586207

ベストアンサーは、

『「予想の斜め上」というのは、あるアクションに対して返される、こちらの常識では予想できないようなリアクションを形容する言葉です。「予想の上を行く」のではなく、「常識的には予想もつかないような反応でこちらの度肝を抜く」のがポイントです。』

とありました。そうか、そうすると、

「『グラフの延長線上』ではなく、そのグラフとは別の路線」

と考えた方がいいですね。

「全く新しい、考えもしなかった予想外の素晴らしい回答」

のようなものかな?

まさか、『三省堂国語辞典』は、もう載せているのかな?

引いてみた所・・・「斜め」にも「予想」にもこの言葉の用例は載っていませんでした。やはり、かなり新しい俗語のようです。今後注目していきます!

(2018、3、19)

2018年3月20日 18:48 | コメント (0)

新・ことば事情

6755「名門大洋フェリー2」

名門大洋フェリーの「ふくおかⅡ」が、兵庫県明石市沖のブイに接触して立往生しているというニュースを、3月19日のお昼のニュースで放送していました。この、

「名門大洋フェリー」

に出て来る、

「名門」

という言葉。

「高校野球の名門」「焼き肉の名門」

など、比喩的に使われますが、もともとは、

「名家の一族」「由緒ある門地や門閥」

という意味ですよね。でもこの「名門大洋フェリー」の「名門」は、そういう意味ではありません。母体企業の一つが「名門カーフェリー」の社名で、

「名古屋―門司」

を結ぶ航路を設定していたことに由来して「名門」なのです。

「大阪と神戸」=「阪神」

「京都と大阪」=「京阪」

「大阪と和歌山」=「阪和」

「大阪と奈良=「阪奈」

「東京と名古屋」=「東名」

「東京と横浜」=「東横」「京浜」

「東京と八王子」=「京王」

などと同じです。「京王」も意外ですよね。

「なんか、自分で『名門』と付けるなんて、偉そう!」

と思っていた人、いませんか?違いますよ。私も以前はそう思っていました。すみません。一方、

「天才!上岡竜太郎です」

は「天災」ではありません。ご自分で「天才」とおっしゃってました。だから、笑いが取れるんですね。

フェリー会社では、このほか、

「阪九フェリー」

というのがあって、読みが「はんきゅう」なので、よく、

「阪急フェリー」

と間違われますが、これは読んで字のごとく、

「大阪と九州」

を結んでいるのですね。

同音異義語の多い日本語ならでは、といった勘違いですね。

(追記)

えー、検索してみたところ、全く同じタイトルで、14年前に同じようなことを書いていたことが判明しました!

「平成ことば事情1933名門大洋フェリー」

です。表現などは、もちろん違いますが、言いたいことは同じでした。そちらもお読みください。ということで、この「平成ことば事情6755」は、「2」を付けて、

「名門大洋フェリー2」

にさせていただきます。

(2018、3、21)


(2018、3、19)

2018年3月20日 15:47 | コメント (0)

新・ことば事情

6754「栄監督のアクセント」

今、伊調選手サイドから内閣府に「告発状」を出されている、至学館大学レスリング部監督で、日本レスリング協会強化本部長の、

「栄 和人」

いわゆる、

「栄氏」「栄監督」

ですが、この「アクセント」が揺れています。

「サ/カエ\シ」(中高アクセント)=3月15日「news every.」の男性ナレーター

「サ/カエカントク」(平板アクセント)=3月15日谷岡郁子(くにこ)学長

でしたが、中には、

「サ\カエシ」

「サ\カエカントク」

というふうに、

「頭高アクセント」

で話す人もいます。これとよく似た、

「3文字の名字」

では、タレントで司会者の、

「恵 俊彰」さん

がいます。彼自身も、周囲の人も普通、「頭高アクセント」で、

「メ\グミ」

と言います。これが「名前」であると、例えば北朝鮮による拉致被害者の、

「横田めぐみ」さん

「名前」の「めぐみ」は、「平板アクセント」で、

「メ/グミサン」

となります。「サカエ」という「名前」の女性もいますよね。そう考えると、

「『名字』と『名前』で、アクセントは違う」

のかもしれませんね。

(2018、3、15)

2018年3月15日 22:27 | コメント (0)

新・読書日記 2018_038

『マリアージュ~神の雫・最終章7』(亜樹直・作、オキモトシュウ・画、講談社:2017、4、21)

ワイン漫画です。

去年、買うのを忘れて抜けていた7巻から10巻を買いました。

それで7巻を読んでみたら、連載の時に読んでいなかったものが、結構あるみたいで、全く初見の部分もあって、楽しめました。

改めて「ワイン」についてだけの「神の雫」から、「料理とワインの相性」に広がった「マリアージュ」でテーマが大きく広がったので、話題も展開しやすくなったなと思います。そのために「ワイン対決」の場面は減りましたね。そして、ちょっと焦点がぼやけてしまった感じがしなくもないですが、それはそれでいいのかな、と思いました。

おいしそうな漫画です。


star4

(2018、3、12読了)

2018年3月16日 12:17 | コメント (0)

新・読書日記 2018_037

『問題は右でも左でもなく下である』(適菜収、KKベストセラーズ:2018、3、5)

思想の対立と言うと、

「右か?左か?」

のように言われることが多い。ネット上で「ネトウヨ」とか「パヨク」とかも。

でも著者は、現在の日本(世界もだけど)のでの対立軸は「そうではない」と言う。問題なのは、

「下」

なのだと。「右下」もあれば「左下」もある。それを取り上げると。(そう言えば、内田樹の「下流志向」や、林真理子の「下流の宴」などという作品もありましたね。)

いつものように、なかなか過激。第1章は「そろそろ日本はおしまいではないか」。他人事のように言ってる場合じゃないんだけど・・・。その最初の文章のタイトルは、「『戦後レジームからの脱却』は駄法螺」。読めますか?「駄法螺」。「だぼら」。「ダジャレ」みたいに「駄」が付いた「ホラ」=「ウソ」。たしかに、安倍内閣は「戦後レジームからの脱却」を掲げているのに、「戦後レジーム」である「アメリカの支配」から逃れるどころか、ポチのようにアメリカに従っている。大統領選挙中にはヒラリー・クリントンの元に駆けつけ、予想が外れてトランプが大統領に決定すると、まだ就任もしていないのに、ニューヨークまではせ参じる。米軍基地はそのまま。どこが脱却やねん!と突っ込みの一つも入れたくなるだろう。しかし著者は「安倍総理」だけを非難しているのではない。世に蔓延(はびこ)る、

「安倍的なもの」

に対して敵意を持っているのである。また、「安倍的なもの」に親和性を持つ「自称保守」と、敵視する「花畑左翼」に対しても、その「知的劣化」を嘆く。

第2章は「人間はどこまで下品になれるのか?」という大きな文字のタイトルで、その後「痛い目に遭ってもわからない日本人」に呆れている。「アウフヘーベンと豊洲の女」では、小池都知事に対する痛烈な批判を展開する。その後、第3章は少し柔らかい「箸休め」的な感じだが、次の第4章でまた「『橋下的なもの』から『日本』を守るために」。そして最後の第5章で「狂気の時代を生き抜くために」。「合理主義者が世界を破壊する」というまとめに至っては、エマニュエル・トッドと同じような結論にたどり着いているような気がしました。


star4

(2018、3、9読了)

2018年3月16日 10:15 | コメント (0)

新・読書日記 2018_036

『BLUE GIANT SUPREME 4』(石塚真一、小学館:2018、2、28)

「世界一のサックスプレーヤー」を目指しヨーロッパ・ドイツへ旅立った、主人公のサックス吹き・大。「ダイ=Die=死」になるので 「D(ディー)」の愛称に。ヨーロッパでのンドを組むメンバー探しも、最後のドラマーを決める闘い。妥協しないが、「これ!」と決めたことには真っ直ぐに突き進む。胸がすく。「ベルリンの壁」を見て、

「中学校の教科書で知った」

と言う大。え?一体いくつ?高校を卒業して1年余、ということだから、大はまだ「未成年」かも!うーむ、青春だあ!


star4

(2018、3、6読了)

2018年3月15日 18:14 | コメント (0)

新・ことば事情

6753「ゴッホ展にて」

先日、京都で開かれていた「ゴッホ展」、最終日に観に行きました。私と同じように、「最終日に見よう!」という人も多いためか、なかなかの混雑ぶり。チケットを買うのにも、その後入館するのにも、かなり並びました。と言っても15分ぐらいですけど。

中で展示を見ていたら、横で観ていた60歳前後の夫婦、絵画の心得があるような感じなのですが「ゴッホのデッサン」を見て、女性の方がこんな感想を聞こえよがしに言っていました。

「絵ぇだけやったら、◯〇ちゃんの方がうまいわ」

えええー!ちゃん、ゴッホより上手いんかいな!相手はゴッホでっせ!ビックリ!

そもそも、

「絵ぇだけやったら」

ってどういう意味?

「デッサンだけ」

ってこと?思わず見ず知らずのこの人に、

「失礼ですが、今のは、どういう意味ですか?」

と聞きそうになりました。聞かなかったけどね。

さらに先に進むと、今度は3~4歳の保育園児の女の子がつまらなそうに、

「あんまり上手じゃない」

と言っているのに出くわしました。まあ、これは、

「小さい子どもには、分からない」

という部分があるかもしれませんけどね。

それにしても、京都の人はプライドが高いなあ。

(2018、3、14)

2018年3月15日 13:19 | コメント (0)

新・ことば事情

6752「全て完売」

平昌五輪で銅メダルを獲得してブームとなった「カーリング女子」。

その「ミックスダブルス カーリング選手権」が青森で開かれて観客が殺到したと、3月14日の「ミヤネ屋」で、中継を交えてお伝えしました。

その際に、ナレーションとテロップで、

「チケットは全て完売」

とあり「おやっ?」と思いました。これは、

「重複表現」

ではないか?と。

気付きにくいですが、「全て」と、「完売」の「完」が「重複」だと思ったので、

「全て」

を外して、

「チケットは完売」

と直しました。しかし、よく考えると、

SS席、S席、A席、B席、C席・・・」

というように、

「チケットの種類がいろいろあった場合」

には、

「全て完売」

という表現は「あり」なのかもしれないなあと思いました。

(2018、3、14)

2018年3月14日 22:16 | コメント (0)

新・ことば事情

6751「降ろすか?下ろすか?」

3月14日の「ミヤネ屋」のフリップのチェックをしていたら、異なるネタで、

「2つの『おろす』」

という表現が出て来ました。

・「金塊を飛行機からおろす」

・「背負っていたものをおろす」

です。発注では共に、

「下ろす」

となっていましたが、「おろす」という言葉の表記にはもう一つ、

「降ろす」

があります。これは、どう使い分ければいいのか?

日本新聞協会・新聞用語懇談会編『新聞用語集2007年版』で「おろす」を引いてみると、次のような用例が載っていました。(抜粋)

*「下ろす」=(上から下へ)荷物を棚から下ろす

*「降ろす」=(乗り物、地位などから)積み荷を降ろす

これで言うと、両方とも「荷物」を「おろして」いるんですが、使い分けがありますね・・・。

そうか!わかった、

*「乗り物からおろす」の場合は「降ろす」で、

*「位置(エネルギー)を上から下へ移動する」場合は「下ろす」なんだ!

つまり、

「おろされる物」

によって表記が変わるわけではなく、

「その物を取り巻く状況」

によって、漢字表記が変わるんですね。最初の「2つのおろす」の表記は、

・「金塊を飛行機から降ろす」

・「背負っていたものを下ろす」

なのですね。スッキリ!!

(2018、3、14)

2018年3月14日 20:33 | コメント (0)

新・読書日記 2018_035

『世界の未来~ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本主義』(エマニュエル・トッド、ピエール・ロザンヴァロン、ヴォルフガング・シュトレーク、ジェームズ・ホリフィールド、【聞き手】大野博人、原真人、国松憲人、朝日新書:2018、2、28)

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「聞き手」の3人(大野博人・原真人・国松憲人)の名前の「末尾」が、3人とも「人」だあ!と、ヘンなところにビックリ。

2004年から読み続け書き続けて来たこの「読書日記」、なんとこの本で、ちょうどキリの良い、

「3000冊目」

となりました。パチパチパチ!「継続は力なり」ですね「三千」と言えば、

「三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい」

を思い出しますね、ワチキは。2004年、「読書日記」の記念すべき1冊目は、

『老兵は死なず~野中広務全回顧録』(野中広務・文藝春秋、2003,12,20)

でした。この間亡くなった「野中広務さん」の本だったのです。一つの時代が終わった、ということですね。「平成」という時代も、来年4月で終わりますし。

それはさておき、「エマニュエル・トッド」。

「民主主義」

は、いろんな体制を人類が試した末に辿り着いたのではなく、最初からあったのだと書いています。また現在の「教育」の問題点として、

「知性や創造性だとかを発展させるための教育ではなくなってきていて、むしろ、体制順応主義、服従、社会規範の尊重などを促すだけの教育になっていること」

「もっとも良い教育を受けた人たちが、どんどん知性的でなくなっていると思います」

ということを挙げています。フランスのマクロン大統領は、知識人『に』バカにされるのではなく、知識人『を』バカにしている。彼自身は「知識人」ではなく、単なる「優等生」なのだと。困ったことだ・・・。

日本などは、権威を重んじ、不平等を受け入れる『直系家族の価値観』が支える民主主義であると。今回の「財務省」なんて、まさにその「典型」なのでしょうね。また「民主主義はその根本において排外的で人種差別的な面があるのだ」とも述べています。

また、ピエール・ロザンヴェロン(コレージュ・ド・フランス教授=近現代政治史)は、「ポピュリズムと21世紀の民主主義」について話している。それは、各世代、各分野の代表が「選挙」によって選ばれて議会で話し合いをするのが「間接代表制」なのだが、行政権力が政治の中心を占めるようになり、

「選挙によって、ちゃんと代表されなくなる」

ことによって、「選挙制度」が機能しなくなり、有権者は「選挙」の投票に行かなくなる。その中で「多数派こそが人民の権化なのだ」と指導者が言い始めるとなると「ポピュリズム」。選挙で棄権が増えるのは、有権者の意識が低いのではなく、代表制そのものがさまざまな問題を抱えているからだと。さらに、ロザンヴェールはこう言います。

「投票日以外も、主権者であれ」

選挙の時だけ「主権者」ではダメなのだと。そんな「ラク」をしてはいけない。有権者は政権選択という単なる手続きではなく、期待している質が常にもたらされているかどうかのチェックが大事だと。そのために主権者は投票日1日だけでなく、常に主権者であるべきだと言います。

「統治」についてマキャベリは「重要なのは権力を獲得することより、維持できるかどうかだ」と言っている。その「維持」のテクニックは、迎合や腐敗、だまし・・・そうやって統治される者たちが囚人となるような空間を作り上げる、と。事実上"囚人"になって8か月経つ人もいますね。権威主義的体制の大きな特徴は、民主主義は受け入れるけど、社会が常に民主的であることが拒む点にあるのだという。うーむ。

そしてヴォルフガング・シュトレーク(社会学者)は、「グローバリゼーションと国際国家システムの危機」について語る。グローバリゼーションの加速によって増え続ける「資本主義社会の敗者に目を向けよ」と述べる。それが「国家の仕事」なのではないかと思う。ここ20年、「国際化することが、国民に恩恵をもたらす」という「謡い文句」で進めて行ったクローバリゼーションが、ちっとも国民に恩恵をもたらさない。ごく一部の者にだけ恩恵をもたらしている。「世界経済」は「実体経済」と「金融」に結びつきがなくなり、乖離してきていると。そして結論は、

「グローバリゼーションのスピードを落とすことが重要だ」

と、まとめていました。


star4

(2018、3、6読了)

2018年3月15日 10:00

新・読書日記 2018_034

『置かれた場所で咲きなさい』(渡辺和子、幻冬舎文庫:2017、4、15第1刷・2017、7、25第2刷)

有名なロングセラー・ベストセラー。なんと220万部超!日本人の6人に1人が購入しているの?スゴイ!でも、私はアマノジャクですから、売れてる時は読む気がしなかったのです。「あいだみつを」さんみたいな感じなのかなと思って。しかし、著者が2016年の暮れに亡くなったと聞いて、また文庫になったと聞いてちょっと読んでみようかなと。立ち読みしたら、著者の渡辺さんは「二・二六事件」で暗殺された渡辺錠太郎・陸軍教育総監の娘さんだとか。1936年のその日には、9歳の著者は和室の座卓に身を隠して、1メートルばかり離れた場所で父が43発の銃弾を浴びて殺されたその場にいたという。そして父を襲った兵士を許せるまで、50年かかったという。それを知って俄然、読む気が出て来ました。

著者は、30歳間際に修道院に入った後アメリカに研修に行かされ、日本に戻ってから1年後に36歳の若さで、ノートルダム清心女子大学の三代目学長に就任するという、なんとも劇的な人生を歩んで来ました。その後は半世紀以上にわたって、宗教の世界・教育の世界で働いて来られたそうです。父が暗殺される場にいたというのは、今なら間違いなくPTSDになるところ。実際、そのことが、彼女を宗教の道に歩ませた原因の一つだったのではないでしょうか?

若くして学長に就任することになり戸惑っていた時に、一人の宣教師が手渡してくれた短い英詩。それは、

Bloom where God planted you.

という言葉。直訳すると、

「神が植えたところで咲きなさい」

になります。これは、

「咲くということは、仕方がないと諦めるのではなく、笑顔で生き、周囲の人々も幸せにすることなのです」

「置かれたところこそが、今のあなたの居場所なのです」

ということで、その解釈こそが、本書のタイトルである、

「置かれた場所で咲きなさい」

になったのだそうです。四字熟語で書くと、

「一所懸命」

ですね。いろいろ勉強になりました。


star4

(2018、3、5読了)

2018年3月14日 19:20 | コメント (0)

新・読書日記 2018_033

『マリアージュ~神の雫・最終章11』亜樹直・作、オキモトシュウ・画、講談社:2018、1、23)

そういえば最近、連載の方は読んでいたけど、単行本は買ってないな。これが最新刊かな?と思って、とりあえず購入。その後確認したら、単行本は「第6巻」までしか買ってない・読んでないことが判明。買って読まなきゃ。後日、第7~10巻を買おう。

ということで、前に単行本買って読んでからもう1年、経ってしまいました。

今回、出てきたワインの中で「これは、とってもおいしそうだなあ!」と思ったのは、

「アルジャーノ・ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2012

というイタリアワイン。ふだんあんまり、イタリアワインは飲まないけど「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」が美味しいのは知っています。このワインはお店(ワイン屋さん・酒屋さん)で買っても7800円ぐらいすると書いてありました。お店(レストラン)でボトルで飲むと、その2~3倍ぐらいはするでしょう。それはちょっと、何か特別な時でもないと、飲めないな。一応、覚えておこうっと。


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(2018、3、5読了)

2018年3月14日 17:19 | コメント (0)

新・読書日記 2018_032

『貴の乱~日馬富士暴行事件の真相と日本相撲協会の権力闘争』(鵜飼克郎・岡田晃房・別冊宝島特別取材班、宝島社:2018、3、8)

そういう背景があったのか!と。

今、日本相撲協会が抱えている裁判について調べていくことで、その背景に、北の湖前・理事長時代から続く問題の人物が浮かび上がって来て、それが現在の「貴の乱」につながるという主張。そういう意味ではこの本は「貴乃花親方」側の立場ではなく、「日本相撲協会」側の立場で書かれている。と言っても、100%相撲協会を擁護するものではなく、そもそも問題のタネとなったところに前・理事長らの判断ミスもあったと論じている。

相撲協会のこのゴタゴタを見ても、レスリング協会と五輪4連覇女子レスリング選手の問題を見ても、「公益財団法人」という制度にも問題があるのではないか?と感じてしまう。

そしてさらに、永田町と霞が関を見て思い出すのが、

「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対腐敗する」

というアクトン卿(だっけか?)の言葉だった・・・。


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(2018、3、5読了)

2018年3月14日 12:17 | コメント (0)

新・ことば事情

6750「検視官と検死官」

ダン・ブラウンの最新刊『オリジン』(角川書店、越前敏弥訳)を読んでいます。いつも通り面白いです。その中で「おや?」っと思ったのが、

「検死官」

という表記です。これは日本の新聞・放送では、

「検視官」

となるのですが、海外(この場合は、物語の舞台・スペイン、あるいは主人公ラングドン教授の国・アメリカ)では違うのでしょうか?読み方は共に、

「けんしかん」

なので気付きにくいのですが。

ちょっとネット検索してみたら、やはり、日本と海外では違うようです。

日本の「検視官」は、

「死亡推定時刻や死因などについて調べるが、遺体の解剖はしない」

(解剖は監察医)のに対して、海外の「検死官」(coronerの場合は、

「死亡推定時刻や死因などについて調べる、遺体の解剖もする」

のだそうです。そして、昔は日本でも、

「検屍官」

と書いたそうですが、

「屍」

という漢字が「表外字」のために「検視官」になったようです。「死」を検査するのではなく、「屍=死体(遺体)を検査するのですね。

読売新聞社で校閲をしていて、現在読売テレビに来て頂いている中村さんに伺ったところ、

「そう言えば昔、『ドクター刑事クインシー』というのがあって、この主人公は『検死官』だったように思いますね。現場に駆け付ける車の"どてっ腹"に『coroner』と書いてあったように思います。」

ネット検索では、

Dr.クインシーは、ロサンゼルス郡検死局に勤務する検死官(M.E.= Medical Examiner)」とありました。これも、

「検死局」「検死官」

なのですね。海外と日本では「使い分け」なのかな。

(2018、3、13)

2018年3月14日 14:13 | コメント (0)

新・ことば事情

6749「女と男」

テレビを見ていたら、

「女と男」

という男女ペアの漫才コンビが出ていました。その「コンビ名」を見て(漫才の内容まではは見ませんでした、すみません)、

「昔だったら、絶対『男と女』だったろうな」

と思いました。ほら、クロード・ルルーシュ監督のフランス映画(カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞)で、その映画音楽も有名になったものも、

「男と女」

でしょ。

英語での司会者の開口一番のセリフは、「女」が先(レディー・ファースト)で、

Ladies and Gentleman

ですが。この言葉、実は最近「LGBT」に配慮して、海外では余り使われなくなってきているという話しのを聞きました。代わりに使われるのは、

Everyone

だそうです。

(2018、3、13)

2018年3月14日 10:12 | コメント (0)

新・ことば事情

6748「整合性を『取る』か?『図る』か?」

3月12日の「ミヤネ屋」で、森友問題での財務省の決裁文書「書き換え」について、なぜ「書き換え」、つまり「改ざん」をしたのか?という理由に関して、

「佐川理財局長(当時)の国会での発言との『整合性を取る』ため」

という文章が出て来て、「おや?」っと思いました。これは「取る」ではなく、

「整合性を『図る』」

ではないか?と思ったのです。「ミヤネ屋」では「図る」に直しました。

「取る」のは「バランス」ですよね。

実は、日本テレビの原稿に、

「取る」

とあったので、それを踏襲(○とうしゅう、×ふしゅう)したのだと思います。読売テレビの「かんさい情報ネットten.」も、日テレ原稿を踏襲してか、

「整合性を取る」

としていました。

しかし『広辞苑』で「整合性」を引くと用例に、

「整合性を図る」

と載っていましたし、『読売新聞』『日経新聞』(3月12日付)の各夕刊では、

「整合性を図る」

でした。ただ、「整合性」に関する「否定形」は、

「整合性が取れない」

と言いますので、それの「逆」を考えると、

「整合性を取れる」

となり、その「原形」を考えると、

「整合性を取る」

になるのと「推測した」のかもしれません。しかし、

「整合性を図った」結果、

「整合性が取れる」「整合性が取れない」

という状況が出て来るのではないでしょうか?

(2018、3、13)

2018年3月13日 21:08 | コメント (0)

新・ことば事情

6747「魚たちにゴハンをあげる」

3月7日の読売テレビ「かんさい情報ネットten.」で、黒木千晶アナウンサーが紹介していた「京都水族館」。開館6周年を迎えたそうです。もう、そんなになるのかあ!まだ行ったことがないので、一度行ってみたいです。

その原稿で、黒木アナウンサーが読んだフレーズに、

「魚たちにゴハンをあげる」

というのが出て来て、

「うーん、どうなんだろう?」

と思いました。これが普通の「ストレートニュース」なら、

「魚にエサをやる」

ですね。でも「かんさい情報ネットten.」では、「やわらかい話題」として「魚」を「擬人化」して、

「魚たち」

としています。だから、

「ゴハン」

というのも「擬人化した魚」に対してなので、本来は、

「えサ」「エサ」「餌」

と言うところですが

「擬人化の結果としては、まあOK」

かもしれません。しかし、どうしても引っかかるのが

「あげる」

です。これは、

「やる」

でいいのではないでしょうか?つまり、妥協の結果としては、

「魚たちにゴハンをやる」

じゃないのかなあ。

但し、この言葉を発するのが(「しゃべり手」が)

「男性なのか、女性なのか」

「年齢はどうか」

また逆に「聞き手」、つまり、

「『視聴者』は、どういった年齢層なのか」

ということによっても、

「この言い方を使っていいかどうかが、変わってくる」

ような気がします。「20代半ばの女性である黒木さん」の場合は、

「許容」

されるかもしれませんが、「50代半ばのおっさんである私」が使ったら、やはり、

「放送では許されない感じ」

がします。この話は、実は大変コワイのであまりしたくありません。つまり、

「何歳までなら、この言い方をしていいのか?」

ということに、必然的になるからです。しかし実際のところは、

「選挙権」

のように、

「年齢で、キッチリ線引きができるものではない」

ということになるでしょう。

「人による」

んですね、これは。だから余計に難しい。

そして、「擬人化」するときの、

「○○たち」

ですが、「○○○」と「3文字以上」だと落ち着きます。

「ヒツジたち」「パンダたち」「ゴリラたち」「カエルたち」「メダカたち」「イワシたち」

「クジラたち」「メジロたち」「ツバメたち」「キリンたち」「シマウマたち」「アフリカゾウたち」「チンパンジーたち」

などは、なんとなくOKのような気がします。

「ゴジラたち」

もいけるかな、「クジラたち」がいけるんだから。でも同じ「3文字」でも、

「イタチたち」

は、ダメな気がします。語呂がね。「タチ」が、繰り返されるので。

そして、この「○」が「2文字以下」(○○)はダメな気がするのです。

「ゾウたち」「ワニたち」「ウマたち」「カメたち」「シカたち」「カニたち」「カバたち」

「カたち」

は、ダメな気がします。しかし同じ「2文字」でも、

「イヌたち」「ネコたち」

「OK」のような気がします。やはり「ペット」として人間の一番身近な存在だからでしょうかね。

今、日本新聞協会の新聞用語懇談会・放送分科会で『放送で使う言葉・敬語編』という冊子の改訂作業をしているんですが、

「犬にゴハンをあげる」「花に(お)水をあげる」

などと同列で、

「魚たちにゴハンをあげる」

も載せるべきかもしれませんね。少なくとも討議・議論する必要があるように感じて来ました。

(2018、3、7)

2018年3月13日 19:06 | コメント (0)

新・ことば事情

6746「ショットか?スローか?」

大変遅ればせながら、カーリング女子の平昌五輪「銅メダル」、

おめでとうございます!

ようやく「得点のルール」が、ちょっと分かって来たので、少し面白くなってきました。おもしろくなって来たところで、オリンピック、終わるんだね。

「そだねー」

も、かわいらしくて素朴な感じで良かったですね。

わが後輩の早稲田大学グリークラブのメンバーは、ツイッターでさっそくこの「そだねー」を使って「音楽ダジャレ」を披露していました。「早稲田大学校歌」は通称、

「都の西北」

なのは有名だと思いますが、その、

「『都の西北』の最初の音、何だっけ?」

「ソだねー」

というものです。「ソ」から始まるんです、「都の西北」は。バッカだねー。つい笑ってしまいましたが。

また、うちの母(82歳)は、この、「そだねー」というのは、

「カーリングというスポーツ独特の掛け声」

だと思っていたようで、

「もうちょっと、違った掛け声にすればいいのに。どういう意味かしら。」

と言っていました。お祭りの掛け声の、

「ワッショイ」「ソイヤ」

のような掛け声だと思ったようです。それは、私は全く思いつかない発想でしたが。

「ソダネー」

というような「カタカナの発声」だと思っていたようですね。

「北海道の方言のアクセントでしゃべってるだけで、普通に『そうだね』という相槌だよ」と教えてあげたら、キョトンとしていました。

ところで、カーリングでの、

「ストーンを投げること」

を指していう英語は、

「ショット」「スロー」

のどちらでしょうか?試合中の声を聞いていると、

「ナイスショット!」

という掛け声が上がります。「ゴルフ」のようです。そうすると「ショット」なのかな?

辞書を引いてみましょう。こういうちょっと新しめ(?)の言葉(外来語)は、『三省堂国語辞典』かな。

*「ショット」

(1)発射。射撃。

(2)(バスケットボールで)ボールをゴールに投げこむこと。

(3)打ったボール。(例)「ナイスショット」「バンカーショット」

(4)(ウイスキーなどの)ひと口で飲める分量。

(5)(一場面の)映像や写真。(例)ロングショット、ベストショット

*「スロー」

(ボールを)投げること。(多く、他の外来語とともに用いる)(例)「アンダースロー」「フリースロー」「スローイン」

そうか、カーリングの場合は、ストーンを持ち上げてはいない。氷の上を滑らせているという意味では、ボウリングのボールを投げるのとは、ちょっと違う。

「ストーンを滑らせる」

ことは「投げる」=「スロー」とは言えないのかもしれませんね。

それに対して「ショット」は「打ったボール」以外にも幅広い意味があり、特に(2)の「バスケットボール」で「ボールをゴールに投げこむこと」は、実際には、

「投げて」=「スローしている」

のですが、「ショット」と言うようになった。これに準じると、

「カーリングで、的に向かってストーンを滑らせること」

「ショット」と言うのは、妥当なのかもしれませんね。

(2018、3、11)

2018年3月12日 10:32 | コメント (0)

新・ことば事情

6745「ループとリングとサークル」

<2008年2月19日に書きかけました。>

アルバイトのAさんから聞かれました。緑色の道路標識の、

「環状線」

の英語表記が、

「大阪」 =「ループ」

「名古屋」=「リング」

「東京」 =「サークル」

になっているが、その違いは何か?というのです。

さあー??気付かなかったな。

「サークル」は「円」、「ループ」「リング」は、「円」でなくても(たとえば「ハート形」)「繋がっているもの」かな?

***************************************

ここまでが、10年前に書いてほったらかしで、気にはなっていたが答えが出なかったものです。

標識の話からは少し離れますが、けさ(2018年3月9日)の通勤電車の中でふと、ひらめきました!

「サークル」は「囲う」のが目的。「サーキット」=「回路」も「サークル」からの派生ではないか。

「ループ」は、同じところをグルグル回る「閉じた回路」で、「運動性」が目的となる、と。

え?「リング」?「リング」は「輪」でしょう。

という感じ。

ネット検索したら出て来ました。「ヤフー知恵袋」の「ベストアンサー」では、「東京」に関しては、

「都心環状線(C1)」は「Inner Circular Route

「中央環状線(C2)」は「Central Circular Route

だそうです。「サーキュラー・ルート=サークル」ですね。

10年前にアルバイトのAさんの指摘通り。また別の「ベストアンサー」によると、

・「リング」・・・輪っか →名古屋高速都心環状線「R」

・「サークル」・・・円周 →首都高速都心環状線「C1」、同中央環状線「C2」

・「ループ」・・・循環 →阪神高速環状線「L」

という回答も。これを見ても、

・「リング」は、「輪っか状の道の形状」を示し、

・「サークル」は、「回路」という「閉じた道」を示し、

・「ループ」は、「循環」する「運動性」に着目した

と、こういう訳かな!

10年ぶりに、問題解決!!

(2018、3、9)

2018年3月11日 21:30 | コメント (0)

新・ことば事情

6744「続・1点しんにゅうと2点しんにゅう」

平成ことば事情6660「『逗子』の『逗』~1点しんにゅうと2点しんにゅう」で書いた、

「1点しんにゅう」と「2点しんにゅう」

の続編です。

3月7日の『ミヤネ屋』で取り上げた「森友問題」で出て来た、立憲民主党の、

「辻元清美議員」

「辻」の字は「1点しんにゅう」か?「2点しんにゅう」か?

この日の『ミヤネ屋』の放送では、前日の日本テレビ『NEWS ZERO』に合わせて「2点しんにゅう」

にしました。(「作字」してもらいました。)

ちなみに『かんさい情報ネットten.』では、

「1点しんにゅう」

また『国会便覧』も、

「1点しんにゅう」

当の「辻元清美議員のホームページ」は、

「2点しんにゅう」

ですが、

「1点しんにゅうも混在」

しています。11年前の2007年5月に調べた際は、

『「辻元清美」の選挙ポスターは「2点しんにゅう」でしたが、放送各局でわざわざ「2点しんにゅう」にしているところは、私が見た限りありませんでした。全部「1点しんにゅう」でした。実際「辻」という漢字を使う名字の人で「2点しんにゅう」を使っている人は、少ないそうです。」

と記してありました。

先月の用語懇談会(2018年2月)でも、この問題(「逗子市」の「逗」の「しんにゅう」の点の数)について各社の意見を聞きました。平成ことば事情6660「『逗子』の『逗』~1点しんにゅうと2点しんにゅう」で書いたとおりですが、その際に、

「機材(パソコンソフト)によって『1点』『2点』が違う」

という話が出ました。マイクロソフトは「辻」「逗子」などは「2点」、他のフォントでは「1点」になったそうです。また、歴史的に(時代別に)見ると、フォントは、

1970年代には「2点」

1983年に「1点」

その後また「2点」に戻る

という変遷を経ているとのことでした。

おととい(3月5日)、日本人として初めて「アカデミー賞・メーキャップ賞」を受賞した、

「辻一弘さん」

も、『ミヤネ屋』では、

「2点しんにゅう」

にしました。他のテレビで私が見たTBS・日テレは、

「2点しんにゅう」

関西テレビ『報道ランナー』は、

「1点しんにゅう」

でした。新聞(3月5日・夕刊)は「産経新聞」が、

「2点しんにゅう」

で、あとの「読売」「朝日」「毎日」「日経」は、

「1点しんにゅう」

でした。

「逗子市」のときは「朝日・産経」が、

「2点しんにゅう」

だったのですが、今回は「産経」だけが「2点しんにゅう」でした。

また3月9日のNHKでは、立憲民主党の、

「辻元国対委員長」

の「辻」が、

「1点しんにゅう」

でした。

また同じ日3月9日夕方の日本テレビ「news every.」では、

「1点しんにゅう」

の「辻元」でした。日本テレビも「ZREO」と「every.」では「1点」か「2点」かは違うのですね。

そして、NHK放送文化研究所が出している『放送研究と調査』2018年3月号に、

「放送における漢字の字体についての考え方の整理」

というタイトルで、2017年12月1日に開かれた「第1419回放送用語委員会」(東京)での討議の様子が載っていました。それによると、NHKは基本的には、

「新字体」を使い、「旧字体は使わない」ということです。つまり、

「1点しんにゅう」

ということになります。

(2018、3、9)

2018年3月10日 13:08 | コメント (0)

新・ことば事情

6743「ヒジャーブ、ヒマール、ニカブ3」

平成ことば事情6733「ヒジャーブ、ヒマール、ニカブ2」の続きです。

また、古いスクラップが出て来ました。前の「朝日新聞」と同じ、

「2010年」

の5月28日付「読売新聞」朝刊。見出しは、

「ブルカ仏イスラム社会亀裂」

「禁止法案 成立濃厚」

「反対派 容認派同紙に殺害予告」

「ヘジャブの乱れ摘発強化~イラン」

といった見出しが並んでいて、

「ブルカ」「ニカブ」「ヘジャブ」

のイラストでその違いを示しています。イラストによると、

・「ブルカ」=目の部分に網状の黒い布で覆われている。

アフガニスタンやパキスタン北部でよく見られる。

・「ニカブ」=目の周囲だけ肌が出ていて、鼻と口は覆われている。忍者みたい。

サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などペルシア湾岸諸国の女性がよく身に着けている

・「ヘジャブ」=顔全体が出ている。頭からスカーフをかぶったような感じ。頭髪を覆い隠す。イランやエジプトの女性に多い。

ということのようです。イランでは全成年女性にヘジャブ着用が義務付けられているそうです。

この時期(2010年)に、こういった記事が多いのは、やはりフランスでいわゆる、

「ブルカ禁止法案」

の成立の可否が問われ、社会問題化していたからでしょう。

その後、同じ年(2010年)の12月18日にチュニジアで始まった、

「ジャスミン革命」

を気賭けにアラブ世界に波及した、

「アラブの春」

へも影響を与えたでしょうし、フランスで「2015年1月」に発生した、

「風刺雑誌シャルリ・エブド襲撃テロ」(死者17人)

「2015年11月」に起きた、

「パリ同時多発テロ事件」(死者130人、負傷者300人以上)

「2016年7月」の、

「ニース・トラックテロ」(86人死亡)

といった一連の「大規模テロ事件」への遠因・導火線にもなったのではないかと、今、振り返ってみると感じました。

(2018、3、8)

2018年3月 9日 17:49 | コメント (0)

新・ことば事情

6742「カーリング女子の掛け声」

いつも「新しいことば」の情報を教えてくれるMアナウンサーが、また、ニュース前の忙しい合間を縫って「新情報」を耳打ちしてくれました。

こないだの平昌(ピョンチャン)五輪で銅メダルを取って盛り上がった、

「カーリング女子」

メダル取れて良かったですね。

「そだねJAPAN」

とか言われてね。かわいらしいですよね、北海道方言の、

「そだねー」

しかし、本人たちは「標準語」だと思っていたそうです。

同じような話が、今月号の『日本語学』(2018年3月号)に載っていました。NHK放送用語委員の井上史雄先生「ことばの散歩道・238回」の「災害と方言」。東北の方言調査をした際に、おじいさんがこう言って調査を断ったそうです。

「こごのこどばは標準語だがら、すらべでも無駄だ。」

ね。おんなじでしょ、本人たちは「標準語」と思ってるって。たぶん「標準語」は、」

「ひょーずんご」

と発音していると思います。

ハッ!こんな話をしてる場合じゃなかった!違う話だった。Mアナウンサーの話は、

「日本のカーリング女子の掛け声は『高くてかわいらしい声』だったが、他の国のチームの女子選手の声は、結構、低くて太くて迫力があった。」

という話。そしてそこから派生して、

「地下鉄のアナウンスなどの女性の声も、日本では高くてかわいらしい声だが、海外では低音が多いのではないか?これはアニメにも関連があるのではないか?」

という、なかなか奥の深い文化の話になって来たのでした。

言われてみれば、そんな感じがしました。女子アナウンサーの声も、昔はやはり、

「かわいらしい」

が一番求められていたような感じがしますし、最近の女性アナウンサーや女性キャスターは、「落ち着き」が求められ、

「声のトーンも低め」

ですよね。

なるほどねえー。これは、男性にも当てはまるのかな?

実はツイッターのフォロワーの方が、古田新さんや升毅さんや故・牧野エミさん(2012年没)が出ていた、昔(1991年)の読売テレビの深夜コントドラマの映像が、YouTubeに出ていることを教えてくれたので見てみたのですが、ナレーションを私が担当していました。ほとんど忘れていました。当時30歳か29歳。年の割には落ち着いた雰囲気でしたが、やっぱり声が若い。古田新さんや升毅さんも、別人のように若い。古田さん、めっちゃ痩せてる。若いと、たいてい痩せてるので声が高い。年を取って太ってくると、首も太くなって声も低くなる。ような気がします。日曜日の「バンキシャ」の枠の「提供枠」の読み、

「この放送は、ご覧のスポンサーの提供でお送りします」

という声、全部ではありませんが、これも私が昔、録音したものですが、一体、何年、使い回すのだろうか。録音は、コストパフォーマンスが良いですね。

(2018、3、6)

2018年3月 7日 21:57 | コメント (0)

新・ことば事情

6741「いっぴ」

3月5日の「ミヤネ屋」で、レスリング女子・五輪4連覇の伊調馨選手栄和人・日本レスリング協会強化本部長を巡る「パワハラ問題」を取り上げました。

伊調選手は、所属先の警備会社「ALSOK」で、今年の、

「1月1日付」

で広報部に所属して「普通のOL」として勤めているという話が出ました。(「OL

という言い方が、少し古いのではないか?という話も出ましたが。)

この「1月1日付」の「1日」の読み方に関して、Mディレクターから、

「『いっぴ』と読んでも良いか?」

という質問がありました。これに対しては、

「正式には『ついたち』。『いっぴ』は専門用語・業界用語です」

と回答しました。

その後、用語懇談会での過去の討議を調べたところ、ちょうど10年前に一度、討議されていましたので、転載します。

*いっぴ(1日)=2008年4月

4月1日のことを「しがついっぴ」と表現していたが 、いかがなものか?(共同通信)

・フリートークでは「イッピ」も出てくる(毎日放送、朝日放送)

・正式にはもちろん「ついたち」(各社)

・辞令などで「イッピヅケ」という言葉はあるが、辞書には載っていないのでは?(読売テレビ)

そして今(2018年3月)、「いっぴ」が辞書に載っているかどうか調べたところ、

『広辞苑』(第6版)『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『新明解国語辞典』(第7版)『明鏡国語辞典』(第1版)には載っていませんでしたが、

『三省堂国語辞典』(第7版)には「話し言葉」として、『明鏡国語辞典』(第2版)には「ビジネス用語」として載っていました。そして、先日(2018年1月12日に)出た『広辞苑』(第7版)にも、新たに採用されていました!地味な改訂ですね。

今後、広がっていくのではないか?とも思われますが、今のところは、

「専門用語的扱い」

というところでしょう。

(2018、3、6)

2018年3月 7日 17:57 | コメント (0)

新・ことば事情

6740「ご注目してください」

平昌(ピョンチャン)五輪特番、2月23日深夜(24日午前0時過ぎ)のNHKの番組で、女性アナウンサーが、

「こちらに、ご注目してください」

と言っていました。しかし、これは間違い。正しくは

「ご注目ください」あるいは「注目してください」

ですね。

やはりフリートークで敬語をキッチリ使うのは、なかなか難しいようです。でも、それができてこそ、

「プロのアナウンサー」

だと言えるわけですが。

でも今回、この言葉を話す彼女の様子を見ていて、ちょっと気持ちが分かりました。

おそらくこれは「生放送」なので、VTRに話を振ろうとしたときに、

「まだ少し準備ができていなかったのではないか?」

そこで彼女は、

「少しでも言葉を長くして、スタジオでつなごうとしたのではないか?」

その努力の結果が、正しくは「ご注目ください」だと分かっていたけど、少しでも長くしようとして、

「ご注目"して"ください」

になったのではないか?「して」の分だけ、

「ほんの1秒ほど」

に過ぎないとは思いますが「延ばしたい」という"気持ち"の表れなんですよ。

よく語尾に、

「~したいと思います」

と付けるのも、そういった気持ちがあるのではないかと考えています。

気持ちは分かります。でも、効果はほとんどありませんね。

(2018、3、6)

2018年3月 7日 15:55 | コメント (0)

新・ことば事情

6739「お父様・ごちそうしてあげたい」

2月22日、平昌(ピョンチャン)五輪の中継で男性アナウンサーが、カーリング女子の

「藤澤五月選手のお父さん」

の話を、以下のようにしていました。

「藤沢選手のお父様が『日本に帰ったら、大好物の寿司をごちそうしてあげたい』と話していました」

これに対して、2つの点で違和感がありました。

  1. 「お父様」

「お父様」は、丁寧過ぎはしないか?「お父さん」でいいのではないか?よく「ミヤネ屋」で宮根さんが「お医者様」と言うのも実は気になっていて、「お医者さん」でいいのではないかな?と思うのですが。

  1. ごちそうしてあげたい。

「ごちそう」は、「美化語」なので問題ないとして、「してあげたい」は、

「してやりたい」

ではないか?たとえ「お父様」がそう言ったとしても「してやりたい」に変えるべきではないかなあと思いました。

いかがでしょうか?

(2018、3、6)

2018年3月 7日 15:55 | コメント (0)

新・ことば事情

6738「行って帰って来るだけの映画」

2016年1月15日の日本テレビ「スッキリ!!」で、今年のアカデミー賞「作品賞」にノミネートされた、

「マッドマックス」

に関して、司会の加藤浩次さんが、

「行って帰って来るだけの映画ですよ」

と言っていました。コメンテーターは皆、笑いながら、

「その途中に、いろいろな出来事があるじゃないですか」

と言っていました。加藤さんも「愛を込めて」、このアクション映画に対してザックリとした物言いをしていました。

しかし、「行って帰るだけの物語」というのは別に珍しくなく、ほとんどはそういった物語・映画なんじゃないでしょうか?「宇宙戦艦ヤマト」だって「西遊記」だって「ロード・オブ・ザ・リング」だって、大きく見ればそんな話ですよね?

「ロードムービー」

と呼ばれるものは、大体そんな感じでは?まあ、たまに、

「帰って来ないこと」

もありますが・・・。わかった上でこういった言い方をするのは加藤さんの「センス」なのかなと思いました。まあ、我々の「(サラリーマン)人生」も、

「(会社に)行って帰るだけの人生」

かもしれませんが・・・(悲しい!)。

と書きかけて、ほったらかしにして、

「あっという間に2年」

が経ち、「第90回アカデミー賞」の発表が、きのう(日本時間3月5日)に行われ、

「シェイプ・オブ・ウォーター」

が「作品賞」を取りました。

その2日前に、映画館で見ました。面白かったですが、面白いだけでなく、今から半世紀前(もう!?)の、

「1960年代半ばの東西冷戦時代」

を舞台にしていますが、

「現代にも通じる様々な偏見・差別」

と、それを乗り越える、

「愛」

がテーマではないかなと感じました。

(2018、3、6)

2018年3月 6日 18:45 | コメント (0)

新・読書日記 2018_031

『微妙におかしな日本語~ことばの結びつきの正解・不正解』(神永暁、草思社:2018、2、21)

著者は、日本一大きな国語辞典(「あ」から「ん」まで13巻)の『日本国語大辞典』、通称「日国」(ニッコク)の元・編集者。1957年生まれで、去年2月に定年を迎えた後も、「日国」第3版の改訂作業に携わっているという。背表紙と表紙の著者の名前の上に書かれた、

「辞書編集37年」

という"あおり文句"が。そのプライド!"老舗感"(?)が出ます。

5章に分けられた本書では、「2つ以上」の似たような言葉を並べて、その「正しさ」について論じる。まず第1章「ことばの結びつき、正しいのは?」(基本編)で○×。これは割と、私にとっては簡単。第2章は「微妙に違う日本語、どっちが正解か?」。ここでは、一概にはどちらが正しいと言えないようなものが。そして第3章では、「じつは『どっちも正しい』日本語」というコーナーで、これは私達から言うと、「ええ!それはダメでしょ、間違い!」と思うようなものも結構、出てくる。例えば「的を射る」と「的を得る」「満面の笑み」と「満面の笑顔」など。これはまだ許容とは言えないと思うのだけど。

そして、第4章「読み方は同じ。正しいのは?」というコーナーでは、漢字の使い分けについてを取り上げ、「初心に帰る」か?「初心に返る」か?、「高みの見物か」?「高見の見物」か?といったもの。さらに第5章は逆に「漢字は同じ。さて、どう読む?」と、「読み分け」の問題。これは勉強になりました。「骨を埋める」は「うずめる」か?「うめる」か?これ、悩んでたんです。正しくは「うずめる」。「うずめる」は「骨の上に土を盛る」んですね。「うめる」は「穴を掘る」ので、行為そのものが違うんですね。「土の中になる」のは同じでも。全部で「147の言葉」について取り上げています。

これらは、次の「日国」の改訂にも役立てられることでしょう!


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(2018、3、1読了)

2018年3月 5日 17:16 | コメント (0)

新・ことば事情

6737「『お母さん』の『お』と『お父さん』の『お』は違う」

先日、合唱団の新年会での、大先輩の指揮者須賀敬一さんと話の中で、

「なんで、五十音は『あかさたな はまやらわ』という子音の順番になったかわかるか?」

と聞かれました。

うーん、なんでやろ?と思いながら、実際に声を出しながら「舌の位置」に意識をしていたら、分かりました。

「あ、舌の位置が、だんだん後ろに下がっていく!」

「正解!」

そうなんです、「か行」は、舌が口の先のほうにあり、少し下がって「さ行」、順に「た行」「な行」「は行」「ま行」「や行」「ら行」「わ行」と、舌の先がどんどん喉の奥に近い位置に移って行くではありませんか!気付かなかった!意識したことなかった。

だからあれか、舌の長い人が「ら行」が苦手なのは、のどの奥に近い所で発音させる「ら行」は、舌の扱いに困って苦手になるんだ!そうかあ、納得。

更に須賀先輩が、

「同じ母音でも、単語によって発音は変わって来るんだ。『お父さん』と『お母さん』の『お』は、違う音だろ」

とおっしゃるので、舌の位置を意識しながら、

「お父さん」「お母さん」

と発音すると、たしかに違います。

「お父さん」の「お」のほうが「口の開きが大きい」ように感じます。

「お母さん」は、次の「か」に移る前の「お」なので、「やや口の開きが狭い」。

つまり、

「次に来る『子音』によって、『その前の母音の口の開き方=音色』が変わってくる」

ということですね。

これって、普段は、何も考えずに自動的にやってるけど、理論的に考えるとそういうことになるのかあ。すごいことだなあと思いました。

須賀先輩、ありがとうございます。大変勉強になりました!

(2018、3、2)

2018年3月 5日 10:55 | コメント (0)

新・ことば事情

6736「両足か?両脚か?」

兵庫県三田市の女性が監禁され、その後、切断された遺体が見つかった事件で、京都市山科区で「両足」が見つかったと報じられました。

その際、2月26日の夕刊では、

(読売)両脚

(朝日)両足

(産経)両足

※毎日・日経には「脚」「足」に関する記述なし

2月27日の夕刊では、

(毎日)両脚

(朝日)両足

(産経)両足

※読売・日経には「脚」「足」に関する記述なし

でした。

「足」と「脚」の表記の使い分けに関しては、『新聞用語集2007年版』によると、

*「足」=一般用語。主として足首から先の部分

*「脚」=主として太ももから下の部分、動物の脚部、物を支える部分

となっています。

今回の警察発表の「紙」には、

「両足」

と記されていたのですが、実際に遺棄された体の部位は、

「太ももから下の部分」

と発表されていますから、これは本来、

「両脚」

と書くべきところだと思います。

読売テレビの報道局では、「ミヤネ屋」も含めて、

「両脚」

という表記にしました。

(2018、3、2)

2018年3月 4日 21:54 | コメント (0)

新・ことば事情

6735「挫傷と挫創」

羽生結弦選手が2014年11月の中国杯の前の練習中に他の選手とぶつかってケガをしたときの「傷の具合」を「ミヤネ屋」で紹介した際に出て来たのが、

「挫傷」と「挫創」

という言葉でした。この、

「傷」と「創」

はどう違うのでしょうか?友人の内科医・O君に聞いたところ、もう単純明快で、

「パックリと傷口が開いていたら『創』、打ち身や捻挫のように、傷口が外に開いていないものは『傷』」

創なのか、いや、そうなのか!

どっちかというと、傷口がパックリ開いたら「傷」のような気がしていました。

「創」は、創とう・・・相当大きく傷口が開いた時かな?と思っていましたが、全然違いましたね。

そういえば、大相撲の貴ノ岩関の「例のキズ」もパックリと大きく開いて、医療用ホチキスで止めていましたから、

「創」「割創」

だったのでしょうね。納得。

(2018、3、2)

2018年3月 4日 18:52 | コメント (0)

新・ことば事情

6734「ザギトワとザキトワ」

平昌五輪、フィギュアスケート女子で優勝した「A.ザギトワ選手」。とても15歳とは思えない大人びた顔立ち。女優の沢尻エリカさんに少し似た美人です。

その「ザギトワ選手」なんですが、ディレクターが発注して来るスーパーが、よく

「ザキトワ」

と間違っていました。正しくは「ギ」と「濁る」のですが、間違って、

「濁らない『キ』」

になっているのです。「山崎(ヤマザキ)」をひっくり返して、

「ザキヤマ」

と言うような感じです。

なぜ、こんなによく間違うのか?

考えたのですが、やはり、「ザ」「ギ」と、

「2語連続して濁る音」

に、日本人は「慣れていない」からではないでしょうか?

たとえば、イラクの首都である、

「バグダッド」

も、正しくは「バグダ」「ド」まで「全部濁る」のですが、よく間違って、

「バクダット」「バグダット」

と、どれかを「濁らない」で発音したり、書いたりしてしまいます。

また、ハンガリーの首都、

「ブダペスト」

も、「ブダ」共に「濁る」のが正しいのですが、間違って

「プタペスト」

「タ」を「濁らない」ことが多い。「ブダ」よりも「ブタ=豚」のイメージがあるんだと思います。

逆に、

「エキシビション」

という言葉の中で「濁点が付く(濁る)」のは「ビ」だけなのですが、間違って、

「エキシビジョン」

「ジ」まで「濁って間違って」しまう。これもよく使い慣れた、

「ビジョン」

という言葉に引かれたのでしょう。

結論から言うと、間違う理由は「2つ」

(1)「連続して濁る言葉」に、日本人は慣れていない。

(2)「自分の知っている言葉」に引っ張られて間違う。

ということではないでしょうかね。

(2018、3、2)

2018年3月 4日 10:17 | コメント (0)

新・ことば事情

6733「ヒジャーブ、ヒマール、ニカブ2」

平成ことば事情6720「ヒジャーブ、ヒマール、ニカブ」の続編です。

あのとき、

「何か足りないな・・・」

と思っていたのですが、一番有名(だと思う)なイスラム女性の衣装である、

「ブルカ」

を忘れていました!

古い新聞の切り抜きが出て来ました。2010年6月23日の朝日新聞。(物持ちが、ええな。)見出しは、

「顔覆うブルカ仏で禁止論議」

サブ見出しは、

「女性への抑圧」/「規制なじまぬ」

でした。本文の最初に説明があって、

「イスラム教徒の女性がかぶるベールのうち、顔をすっぽりと覆う『ブルカ』や『ニカブ』の街頭での着用を法制化する動きが、フランスの政府・議会内で急速浮上している」

というものでした。

たぶん、このころに私は初めて、こういったイスラム女性の衣装について、初めて知ったのだと思います。

グーグル検索では(3月2日)

「ブルカ」=  21万5000件

「ヘジャブ(ヒジャブ)」(ベール)の一種ですね。

あ、「ヘジャブ」も、この前は調べてなかった、「ヒジャブ」は調べたけど。

「ヘジャブ」=  1万3400件

「ヒジャブ」= 50万8000件

「ニカブ」 =  5万1100件

「ヒマール」=176万0000件

でした。

(2018、3、2)

2018年3月 3日 18:16 | コメント (0)

新・ことば事情

6732「肉々しさ」

2月27日の「かんさい情報ネットten.」の「おでかけコンシェルジュ」で紹介していたハンバーグについて、その形容詞的な文章が、

「肉々しさバツグンの究極ハンバーグ」

と言っていました。

「にくにくしい」で変換しようとしたら、

「憎々しい」

しか出て来ません。つまり「肉々しい」は「新語・俗語」ですね。でも、

「肉々しい」「肉々しさ」

と文字で見て音を聞くと、イメージはしっかりと浮かび上がりますね。

「肉!肉っ!!」

という感じなんでしょうね。違和感はありつつも、まあ「あり」だなあと思った言葉です。でもこれって、「魚(さかな)」の場合には、

「魚々(うおうお)しい」「魚々(うおうお)しさ」

とは言わないようなあ。グーグル検索では(3月2日)

「肉々しい」=28万2000件

「肉々しさ」= 9万9200件

「肉々しい」は、ネット上では結構、使われています。一方の「魚」は、

「魚々しい」=   7340件

「魚々しさ」=      5件

で、ほとんど使われていませんね。そして、このパターンの「○○しい」は、

「○々しい」=    821件

「○々しさ」=61万8000件

「○○しい」=    933件

「○○しさ」=    172件

でした。

(2018、3、2)

2018年3月 3日 12:15 | コメント (0)

新・ことば事情

6731「客びき2」

平成ことば事情6718「客びき」の続きです。

元NHKアナウンサーで放送文化研究所の研究員だった柴田実さんからメールを頂きました。それによると、

『「客引き」は「キャクヒキ」ですが、俗語の「ポン引き」は「ポンビキ」ですね。

ところが、古く「大正から昭和にかけて」は、

「ポンヒキ」

が主流で、「ポンビキ」はトーシローの発音とされていたそうです。

あと40年ぐらい経つと「キャクビキ」になるのかもしれません・・・』

とのことです。そうだ、

「ポン引き」

がありましたね。これは現在、普通は、

「ポンビキ」

「濁る」。でも、昔「ツウ」は、

「ポンヒキ」

「濁らなかった」と。まさに奥の深い話であります。

柴田さん、どうもありがとうございました。

(2018、3、2)

2018年3月 2日 20:12 | コメント (0)

新・読書日記 2018_030

『言って いいこと 悪いことから日本人のこことの「結界」』(永六輔、光文社知恵の森文庫:2002、5、15第1刷・2016、8、5第15刷)

永さん、亡くなったから、新しい『広辞苑』(第7版)に載っちゃいましたね。日本人は死なないと載せてくれないから。外国人は生きていても載せるけど。

この本は、2002年に出て、まだ売れ続けている「ロングセラー」です。

いろんな人と"お話"をして聞いたこと・言葉、ラジオ目線で歩き回って、聞きまくってしゃべり回って来た永さんの「軌跡」。

聞いたことがある(読んだことがある)話も多かったが、目新しかったのは、映画『エアフォース・ワン』と『セブンイヤーズ・イン・チベット』を見たという話。(両方、昔、私も見ましたが。)『エア・フォースワン』は、カザフスタンの独裁者を乱暴に拉致する。実在する国をハチャメチャに叩いていると。そして『セブンイヤーズ・イン・チベット』では、ダライ・ラマの主張を映画に入れているので、中国がむちゃくちゃ怒った。「ハリウッド映画では、中国が悪役なんです」と永さんは書いている。つまり、

「ハリウッド映画はアメリカの戦略になっている」

という話。それはそうでしょうけど、たしかにふだんは、あんまり意識しないで見てますね。でも時代は変わりました。日本経済が強かった頃は、ハリウッド映画に「日本が悪役」でよく出て来たけど、最近は出て来るのは「中国」。娯楽の場でも、実際のそういったことは反映されるという話ですね。


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(2018、2、26読了)

2018年3月 5日 10:26 | コメント (0)

新・読書日記 2018_029

『「最前線の映画」を読む』(町山智浩、インターナショナル新書:2018、2、12)

映画評論家の町山智浩さんの"本業"の一冊。

町山さんの著作は、点と点の間を結ぶための"補助線"になるような"点"を記してくれる。雑学は無駄ではない。雑学の蓄積は、真理へつながる道を作る、と思わせてくれます。

「へえー」と思ったところのページを折っていったら、また「ほとんどのページ」の耳を折ってしまいました・・・。

紹介されているのは、ここ2年ほどの間に公開された最新の映画20本。その中で私が見たのは、「ブレードランナー2049」「ダンケルク」「ラ・ラ・ランド」の3本だけでした。(もしかしたら「メッセージ」も見たかも。)

でも「ブレードランナー2049」「ダンケルク」の2本に関する記述だけでも、この一冊を読む価値があると思って、買って読みました。特に「ブレードランナー2049」。深いね、深い。前作へのリスペクトがある中での表現は、それが分からずに見ても面白かったのだけど、こういった背景を知るとさらに味わい深く見られるので、もう一回みたいなと思わせる。これぞ「映画評論」のお手本ではないかなと思いました。まだ見ていない残りの17本に関しても、

「TSUTAYAに、借りに行かなくちゃ!」

と思いました。

読んでいたら「112ページ8行目」に「脱字」が。「と」が脱落していました。

×「素晴らしいことして誇らしげに語る」→◯「素晴らしいこととして誇らしげに語る」

ですよね。

最近、本を読んでいると、ほぼ1冊に1か所は、誤植や脱字を見つけてしまうようになりました・・・。


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(2018、2、22読了)

2018年3月 4日 17:24 | コメント (0)

新・ことば事情

6730「おこもり愛」

2月27日の「ミヤネ屋」で、俳優の高橋一生さん(37)が、15歳年下(22歳)の女優さんと付き合っているという話題を取り上げました。別に、二人共独身だし何も問題はありません。まあ、少し年が離れてる、というだけで、二人共「大人」だし。

そして、高橋さんのマンションに彼女のが泊まりに来て長い時間一緒にいたということを指して、

「おこもり愛」

という表現が出て来ました。なんだ、この「おこもり愛」というのは!?

そう言えば、少し前には、

「お泊まり愛」

とう表現も頻繁に出て来たな。今、というか前からか、「芸能報道」では、

「○○○○愛」

という表現が流行っているのか?しかも、○○○○の中には、

「おこもり」「お泊まり」

のように、

「『お』で始まる『動名詞』」

が入ると。そんな傾向があるのかな?

「お忍び愛」

とかさ。知らんけど。グーグル検索では(2月28日)

「お泊まり愛」=34万2000件

「おこもり愛」=22万2000件

「お忍び愛」 =    724件

でした。

(2018、2、28)

2018年3月 2日 17:50 | コメント (0)

新・ことば事情

6729「『最後』と『最期』の使い分け」

突然、俳優の大杉漣さんが亡くなられました。急性心不全。66歳の若さでした。

びっくりしたとしか、言いようがありませんよね。生涯現役、でしたねえ・・・。

きょうの「ミヤネ屋」では、息子で写真家の大杉隼平さんのインスタグラムに綴られた、

「1043文字の文章」を紹介させて頂きました。その中の言葉に、

「最後まで役者だった」

という言葉があったのですが、この「さいご」は、

「最後」か?「最期」か?

で少し悩みました。普通は、「ラスト」という意味で「最後」を使いますが、「死」に関しては「最期」を使いますよね。そうすると、

「死の直前まで(死ぬまで)役者だった」

という意味では、

「最期」

ではないか?と思ったのです。

それで「最後」と「最期」の違いについて考えていたら、こんなことを思いつきました。

*「最期」=死ぬ前の「一瞬・瞬間」

*「最後」=時間に「幅がある」

こう考えると、「最期」は「最後」に含まれるのではないか?と思いました。

これって、どうですかね?

(2108、2、28)

2018年3月 2日 11:48 | コメント (0)

新・読書日記 2018_028

『絶景本棚』(本の雑誌編集部編、本の雑誌社:2018、2、25)

『本の雑誌』の巻頭グラビアで、いろんな人の書斎の本棚の写真を紹介するコーナーがあるらしいのだが、「それだけ」を集めて一冊にしたもの。いやあ、それはそれは。本好きには、たまらない一冊だと思いますね。

まあ、すんごい本棚が出て来るので、「いいなあ」と垂涎の的として眺めるわけですが、「あ、この本持ってる!」とか「へえー、こんな本があるのか」などと眺めるだけで、笑いが込み上げて来る。

そんな中、知り合いのフリーの校正者で辞書収集家の境田稔信さんの、書斎というか書庫の写真が。現場に行ったことはないが、何度かこれまでにも目にしたことがある風景。もう辞書だらけ。だって、『言海』だけでも、「刷り」が違う物が260冊以上もあるというのだから・・・。

そんな中、なんと見つけてしまいました、本棚の中に拙著『最新!平成ことば事情』を!隣は橋本治さんの『消えた言葉』。私も持ってる。あ、金武伸弥さんの『「広辞苑」は信頼できるか?』や、『NHK間違いやすい日本語ハンドブック』も!持ってるもんね!というような感じで、楽しめました。境田さん、お買い上げ、ありがとうございます。


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(2018、3、1読了)

2018年3月 4日 12:10 | コメント (0)

新・読書日記 2018_027

『半分生きて、半分死んでいる』(養老孟司、PHP新書:2018、3、1)

このところまた、養老先生の本(新書)が、次々と出版されている気がする。出たら、読む。大体毎回、同じことが書かれているのだが、読むたびに「ふむ、そうか」と思ってしまう。今回「そうそう!」と思ったのは、127ページの、

「デジタル社会はゼロか一かを基準とする社会。人生、生きていれば一。死んだらゼロ。しかし生きているということは、本当はゼロと一の間。ゼロと一の間には無数の数が詰まっているが、デジタルでやっていると、どんどんゼロと一の間が消える」

と批判している。これは私も20年来、言っていることと同じなので、「そうそう!」と思ったのでした。また、

「具体的とはどういうことか。感覚から入ることである。情報も感覚から入力されるが、ただちに『意味に変換されてしまう』そこが問題だ」(164ページ)

最初のほう(18ページ)に、

「煮詰まっている現代人」

と出て来るが、この「煮詰まっている」の意味は「行き詰まっている」だ。本来の「煮詰まっている」とは違う意味で使うなんて、養老先生もお若いですね。

「69ページ」で「脱字」を発見。編集部が付けた注釈で「年」が脱落。

×「(注1)二○一五六月三十日に」→○「(注1)二○一五年六月三十日に」

ですね。


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(2018、2、25読了)

2018年3月 3日 12:07 | コメント (0)

新・読書日記 2018_026

『聴くと聞こえるon Listening1950-2017谷川俊太郎、創元社:2018、2、10)

谷川俊太郎さんの、新しい「アンソロジー」を見つけて購入。出たばかりでした。

この中の「ケルトドラム奏者」(51ページ)は、男声合唱曲『クレーの絵本・第二集』の中に収められているので、学生時代に歌ったことがありますが、改めて、その歌詞(詩)の奥深さに触れることができました。

110〜111ページの「夕立の前」。

「いくら耳をすませても 沈黙を聞くことは出来ないが

聞こうと思わなくとも聞こえてくる

僕らは取り囲む濃密な大気を伝わって

沈黙は宇宙の無限の希薄に属していて

静けさはこの地球に根ざしている」

これを読んで、

「静けさは有機物、沈黙は無機物」

だと思いました。

そして、「あとがき」に書かれていたことについて、途中で私も気付きました。それは、

「聞く」は「普通に音をきく」状態で、特に集中しなくても聞こえる場合に使い、

「聴く」は「傾聴する」とか「音楽を聴く」のように「注意して集中してきく」際に使うものだとばかり思っていましたが、実はそれは、

「外の音」

に耳を澄ませる場合。

それに対して、

「心の声=真理」

は「聴く」のではなく、

「内側から、聞こえる」

のだと。

そして、「本当の詩」というものは、「聴く」姿勢を持っていると「聞こえる」のだということを、この詩集は示しているのではないかなあという気がしました。


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(2018、2、25読了)

2018年3月 2日 14:06 | コメント (0)

新・読書日記 2018_025

『通じない日本語~世代差・地域差からみる言葉の不思議』(窪園晴夫、平凡社新書:2017、12、15)

窪園晴夫先生にはお会いしたことはないが、これまで何冊か本も読んでいるし、神戸大学にいらっしゃったことも知っていた。今は国立国語研究所の副所長で、しかも2015年4月からは「日本言語学会」の会長に就任。それは知らなかった。1957年生まれ、鹿児島生まれだったのですね。それも知りませんでした。

1部の「中高年の悩み」は、「昭和の日本語」「何でも略す日本語」「パンツをはかない女性たち」「発音も変わる」「全然OK」というように、「変化する日本語」について取り上げている。しかし言葉があまり変わりすぎると、女性もパンツをはかなくなる・・・アクセントの違いで、意味が変わる・指すものが変わるという話ですね。帯にも・・・本の帯にもこの言葉が書かれているんで、ちょっと恥ずかしいです。しかし、これは言葉の変化について幅広くコンパクトにまとめてあるので、面白くて分かりやすいです。

第2部は「ところ変われば」と言うことで、国内の方言、特に窪園先生の地元「鹿児島の言葉」を取り上げていて、こちらは、私はあまり興味はなかったんだけど、最後に「和歌山の言葉」を取り上げていて、「和歌山の言葉は、一番進化している」と。勉強になりました。


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(2018、2、3読了)

2018年3月 1日 15:26 | コメント (0)

新・ことば事情

6728「北監視 衛星打ち上げ」

2月28日の「読売新聞」1面の見出しが、

「北監視 衛星打ち上げ」

え!知らない間に、やっぱりオリンピックが終わったとたんに、北朝鮮がミサイイルを撃ったの?と驚きました。でも、違いました。「衛星打ち上げ」をしたのは、

「日本」

でした。これは、

「情報衛星打ち上げ成功 北監視も 衛星7基体制に」

とか、

「北を監視 衛星打ち上げ成功」

とか、

「北監視の衛星 打ち上げ成功」

とか、

「助詞を1つ入れる」

だけでも、わかりやすくなるのになあと思いました。

(2018、2、28)

2018年3月 2日 10:58 | コメント (0)

新・ことば事情

6727「夕湖のルビの振り分けは?」

平昌五輪、カーリングで日本初のメダル(銅メダル)を獲得した日本女子チーム・LS北見。そのメンバーの一人に、

「鈴木夕湖選手

がいます。彼女の、

「夕湖」

という名前は、

「ゆうみ」

と読むそうです。「ゆうこ」だとばっかり思っていました。地元の、

「サロマ湖の夕景」

をイメージして名付けられたそうです。キレイな名前ですね!

ところで、これにルビを振る場合には、

「ゆう・み」「ゆ・うみ」

のどちらでしょうか?もともとは、「夕」「湖」の漢字を考えると、

「ゆう・うみ」

なのでしょうが、それが約(つづ)まって「ゆうみ」でしょう。

「ミヤネ屋」の放送では、

「ゆう・み」=「夕(ゆう)湖(み)」

と振っています。「おうみ(近江)」「とおとおみ(遠江)」の場合も「うみ」に当たる「江」は「み」だけですし、「夕」を「ゆ」だけと読ませるよりは「ゆう」と読んで、「うみ」を「み」だけにした方がいいかなあと、判断しました。ご本人に聞ける機会があるといいのですが・・・。

いずれにせよ、銅メダル。おめでとうございます!

(2018、2、28)

2018年3月 1日 21:56 | コメント (0)

新・ことば事情

6726「学問のするめ」

きのう、帰宅途中のお店で売っていた「スルメ」のパックに、こんな商品名が書かれていました。

「学問のするめ」

うん?・・・これって、福沢諭吉の

「学問のすすめ」

のダジャレかい!と思いましたが、好きだなあ、こういうの。よく見ると、なんと、

「福岡・太宰府天満宮」

のお店のようです。そう、

「学問の神様・菅原道真公」

を祭ったお宮さんですね。それで「学問のするめ」かあ。「すすめ」と「するめ」を掛けたのか。うまいなあ・・・いや、うまいかどうかは、食べて見なきゃわからない、と思わず買いそうになったのですが、値段を見ると1袋、

「1080円」

うーん、ちょっと高いかなあ・・・と思って、買うのは控えました。

が・・・ちょっと食べてみたいなあ・・・きっと普通のスルメなんだろうなあ・・・ご利益があるのかなあ・・・。後ろ髪を引かれる思いで、帰宅しました。

(2018、2、28)

2018年3月 1日 18:56 | コメント (0)

新・ことば事情

6725「白信号」

皆さん、質問です!「信号」の色は「何色」でしょうか?

赤?青?黄色?うん?緑?それも青信号ですね。ナイス緑、いや、ミドル。

ところが最近は、

「白」

があるというのです。初めて知りました。「白信号」

と言っても「信号」の正式な色としてあるのではなく、

「冬の雪国に特有の現象」

として出現するらしいのです。そう、信号の「赤・黄・青」のランプが、

「雪」

で覆われてしまって「白く」なり、

「信号を識別できない」

という困った事態が出来(しゅったい)していて、それを俗に、

「白信号」

と呼んでいるそうです。原因は、

LED信号の普及」

だと言います。LED信号の普及率は、現在なんと、

「55パーセント」

にも達しているそうです。視認性に優れたLED信号は、普段ですと「見やすくて明るくて良い」のですが、その「長所」でもある、

「熱を発しない」

ことによって、雪国では、

「信号ランプに付着した雪が解けない」

ということになっていると言います。雪がこびりついたら、当然、

「何色かわかりにくくなる」

ので、

「交通安全に支障」

が生じます。

そこで、雪がこびりつかないように、信号ランプの出っ張りをなくした、

「平板信号」

(しかも、信号板の角度を20度下向きに取り付け、ランプ部分に雪がかからない工夫も)

や、赤のランプにだけ電熱線を仕込んで、

「赤信号には雪がこびりつかない工夫」

(信号機で一番重要なのは「赤信号=とまれ」だから)

や、ランプに雪が積もらないように、

「とんがり帽子風の透明カバーを付ける」

など、現在、雪国ならではの工夫がなされている最中だそうです。

普段、雪が積もることのない近畿地方の中部に暮らしていると、こういったことには全く思いが至りませんでした。しかもそれが、

「これまでの熱を発するランプでは生じなかったのに、便利なLEDに変えたことで生じた不都合」

というのは、着目すべき点だと思います。

「『便利』(利便性)と引き換えに『失うもの』がある」

ということ。「失われるもの」とは、往々にして、

「安全」

ですね。それを「ショウメイ」するような出来事だなあと思いました、「ランプ」だけに。

(2018、2、28)

2018年3月 1日 13:55 | コメント (0)

新・ことば事情

6724「人間離れをした身体能力」

2月27日の読売テレビの夕方の「かんさい情報ネットten.」の「特集」を見ていたら、いきなり、こんなナレーションが聞こえて来ました。

「人間離れをした身体能力を持つ」

え?ちょっと待てよ、と。

何が気になったかというと、この「特集」は、

「警察犬」

についての特集だったのです。「警察犬」が嗅覚などで、

「人間離れの身体能力を持つ」

のは、当たり前です。「人間じゃない」んだから。「犬」ですからね。

「人間離れをした」

という言葉は、

「人間に使う言葉」

です。

「人間なのに、人間とは思えない能力がある」

から、そう呼ばれるんです。言い換えれば、

「人間以外の動物には使えない」

んです。

「ネコ離れをした身体能力の犬」

って、言わないでしょ。「犬」は「ネコじゃあない」んだから。つまり、

「『○○離れ』するものは『○○』」

なのです。

「『○○離れをした能力の△△』は、間違い」

なのです。これを書いた記者が言いたかったのは、

「人間の何百倍もの身体能力(嗅覚)を持つ犬」

「人間には及びもつかない身体能力(嗅覚)を持つ犬」

なのでしょう。なら、そう書けば、いいじゃん!

ある意味、「人間離れをした原稿」と言えましょう。

(2018、2、27)

2018年3月 1日 09:53 | コメント (0)