新・ことば事情
6702「伸ばす『-』の表記」
さて問題です。
放送ではどちらの表記を使うでしょうか?
(1)「エレベータ」 (2)「エレベーター」
正解は(2)の「エレベーター」。つまり、語尾を「―」で伸ばして表記します。
「パーティー」「バラエティー」「ファーストレディー」なども語尾を「-」で伸ばします。これが「原則」です。しかし、ふた昔前ぐらいまでは(1)のように伸ばしませんでした。現在でも「JIS規格」では伸ばさないので、「電気製品(工業製品)の説明書」などでは、こういった語尾を伸ばさない、
「プロパティ」「コンピュータ」
といった表記を見ることができるでしょう。
では、第2問。次のアメリカの地名の表記は、放送ではどちらを使いますか?
(1)「ソルトレイクシティ」(2)「ソルトレークシティー」
これも正解は(2)「ソルトレークシティー」です。これはポイントが「2つ」あります。1つ目は、最初に書いたように語尾は「ー」で伸ばすので「シティー」になります。2つ目は、「二重母音」は「-」で表記するので「レイク」ではなく「レーク」になるのです。
「メーク」「メーン」
なども同様です。
では最後に、第3問。平昌(ピョンチャン)五輪の放送で、イナバウアーで有名な、
「荒川静香さんの肩書」
は、どちらを使いますか?
(1)「メインパーソナリティー」(2)「メーンパーソナリティー」
正解は(1)です。
先ほどの「原則」から言うと「メイン」ではなく「メーン」になるんですが、これは、
「日本テレビの五輪番組としての表記」
つまり「固有名詞」と考えて「メイン」とします。
「24時間テレビ」の「メインパーソナリティー」も同様の考え方です。
ちなみに、日本テレビでも、報道のニュースで「メーン」が出て来る場合は「-」で引っ張ります。これは放送局によって違って、たとえばNHKは「メイン」を使っています。
また、二重母音でも「雨」の「レイン」は「イ」を使い、車線の「レーン」は「-」を使うというように使い分けているものもあります。
ああ、ややこしい。少しずつ覚えていくように、スタッフにメールしました。