Top

『道浦TIME』

新・読書日記 2018_012

『バカ格差』(谷本真由美、ワニブックス「PLUS」新書:2018、1、25)

著者の谷本さんという方のことは存じ上げないのだが、著者プロフィルを見たら、ワニブックスで『不寛容社会』を出されていて、「あ、それは読んだかもしれない」と思って購入。(読んでいなかったみたいですが、買ったと思うなあ)

読み終わった日に、ツイッターで「サンデー・プロジェクト」に出演していたことを知って、映像を見て「ああ、このおばさんなのか」と思ったけど、お顔に見覚えはなかった。

タイトルに「バカ」という刺激的な言葉が付いているが、これは編集者サイドが付けたのではないかな。本文にも全部「バカ」が付いた格差について書かれていますが、内容は「バカ」を取って読んだ方が分かりやすい。「第1章」が「日本のバカ格差ワースト5」として「タワーマンションの階級格差」「住む地域のバカ格差」「学歴のバカ格差」「お金のバカ格差」「情報のバカ格差」。全部「バカ」を取って読んでみてくださいよ。その方がシンプルで分かりやすいでしょう?

そのあとの章は「仕事のバカ格差」「生まれついてのバカ格差」「男女のバカ格差」「世界のバカ格差」で、「日本からバカ格差をなくすたには」。

これも「バカ」を取れば、あーら不思議、とてもシンプルでまともな文に。

うーん、しかし、あんまり・・・というか全くグラフやデータがないんですよ。説得力がなあ・・・。

たとえば、アメリカやイギリスは人口が増えていて、それは出生率の移民を受け入れているからで、「国の富」は「労働力人口」に比例するから経済成長には大切なことだ、と書いている(142ページ)のですが、でもそれで移民が増えた結果、アメリカは「壁」を作ると言っているし、イギリスはEUを離脱するんでしょ。結局それは、

「移民が増えたことの弊害」

を示していて、

「移民政策の失敗」

なのではないでしょうか?その辺に、なぜ、ひと言も触れていないのでしょうか?など、疑問が、いろいろ出ました。


star3

(2018、1、28読了)

2018年1月30日 10:42 | コメント (0)