新・ことば事情
6680「VIPの読み方」
元横綱・日馬富士の暴行傷害事件の現場となった鳥取の「ラウンジ」の、
「VIPルーム」
この、
「VIP」
の読み方は、「ビップ」でしょうか?「ブイ・アイ・ピー」でしょうか?
単独で「VIP」と言う場合と、「VIPルーム」と「ルーム」が付いた場合で、発音は異なるのでしょうか?
「ミヤネ屋」の放送では、
「ブイ・アイ・ピー(ルーム)」
にしたのですが、ナレーターさんから、
「『ルーム』が付いたら『ビップルームでは?』」
と、質問を受けました。
これに関して、去年(2017年)12月の新聞用語懇談会・放送分科会で、各社の委員に意見を伺いました。
(NHK)今回、原稿では出て来なかった。どちらか?という決まりはない。「VIP」は「ビ\ップ」というアクセント(読み方)のみ『NHKアクセント新辞典』に載せている。
(日本テレビ)『NHKアクセント新辞典』に従って、読み方は「ビ\ップ」。アナウンス室にも聞いたが「ビ\ップ」だとのこと。
(テレビ朝日)ANN系列でルールはなし。読むなら「ブイアイピー」を推奨する。本来の英語の発音では「ヴィーアイピー」。一部の番組では「ビップルーム」と言っている。
(TBS)読み方は決めていない。自分が読むなら「ブイアイピー」。しかし「ビップルーム」とも言っている。
(フジテレビ)読み方は決めていない。今回の鳥取の原稿では「VIPルーム」は使わずに「個室」にした。「VIP」に「ルーム」が付くと「ビップルーム」のような気がする。
(テレビ東京)ルールはないが、「ルーム」が付いたら「ビップルーム」、ニュースで「VIP」単独は「ブイアイピー」のような気がする。
(ABC)原則、テレビは、系列キー局のテレビ朝日さんに従う。(系列ではない)ラジオでは「ビップ、ブイアイピールーム」と言い直すだろう。
(MBS)ことしニュースで「VIP」は2件出て来て、「ブイアイピー」と読んでいる。セガトミーのIR(大阪におけるカジノを含めた統合型リゾート)のニュースでは「VVIP(ブイブイアイピー)」というのも出て来た。単体では「ブイアイピー」で、「VIPルーム」「VIP待遇」など後ろに何か来たら「ビップ」のような気がする。
(KTV)決まりはない。「サミット」のニュースで単体の「VIP」は「ブイアイピー」。「ルーム」「待遇」が後ろに付くと「ビップ」。くだけた表現だと「ビップ」。
(テレビ大阪)経済ニュースで「首脳」は使うが「VIP」は出て来ない。スポーツニュースで出て来る「VIP待遇」の読みは「ビップ」。
(共同通信)決めていない。ルビも振っていない。
(時事通信)「読み」は規定していない。
(WOWOW)昔、1980~90年代の「ディスコ」(「トゥーリア」など)にあった「VIPルーム」は「ビップルーム」だった。
というように、各社バラバラで、「特に決まりはない」ようでした。
ただ、『NHK日本語発音アクセント新辞典』には、
「VIP=ビップ」
と載っているというのは(載っていると思わなかったので)知りませんでした。
その後、2018年1月23日放送のTBS『ビビット』では「VIP」の読みは、
「ブイアイピー」
でした。