新・ことば事情
6677「『165センチ』のアクセント」
「新人」・・・というか「入社1年目」の岩原大起アナウンサーから、アクセントの質問を受けました。
「『165センチ』のアクセントは、どう読めばいいでしょうか?」
こういうのって、考えれば考えるほどドツボにはまって、分からなくなるんですよね。
岩原アナウンサーは、
×「ヒャ/クロク\ジュー・ゴ/セ\ンチ」
と言っていたのですが、「ちょっと違うかな」と思って質問して来たようです。
正しくは、
○「ヒャ/ク・ロ/クジューゴセ\ンチ」
ですね。つまり、「どこで区切るか?」ということなので、
×「160+5センチ」→○「100+65センチ」
なのです。
「1メートル65センチ」
ということですね。
これが「センチ」以外の単位が来た時は、どうなるか?考えてみました。
*「165万円」=ヒャ/ク・ロ/クジューゴマンエン
=ヒャ/クロクジューゴマンエン
*「165勝」=ヒャ/ク・ロ/クジューゴショー
=ヒャ/クロクジューゴショー
*「165人」=ヒャ/ク・ロ/クジューゴニ\ン
=ヒャ/クロクジューゴニ\ン
*「165面」=ヒャ/ク・ロ/クジューゴメン
=ヒャ/クロクジューゴメン
というような感じか。やっぱり「100」と「残り」で分けますね。「コンパウンド」して一気に「平板化」することもありますけど。
では、「1000」台になるとどうか?妥当なアクセントは、
*「1655万円」=セ\ン・ロッ/ピャク・ゴ/ジュー・ゴ/マンエン
=セ\ンロッピャクゴジューゴマンエン
=セ\ンロッピャク・ゴ/ジューゴマンエン
★=セ/ンロッピャクゴジューゴマ\ンエン
*「1655勝」=セ\ン・ロッ/ピャク・ゴ/ジュー・ゴ/ショー
=セ\ン・ロッ/ピャク・ゴ/ジューゴショー
=セ\ン・ロッ/ピャクゴジューゴショー
★=セ/ンロッピャクゴジューゴショー
*「1655人」=セ\ンロッピャク・ゴ/ジューゴニ\ン
=セ\ン・ロッ/ピャク・ゴ/ジューゴニ\ン
=セ\ン・ロッ/ピャクゴジューゴニ\ン
★=セ/ンロッピャクゴジューゴニ\ン
*「1655面」=セ\ンロッピャク・ゴ/ジューゴメン
=セ\ンロッピャク・ゴ/ジューゴメン
=セ\ン・ロッ/ピャク・ゴ/ジューゴ\メン
=セ\ン・ロッ/ピャク・ゴ/ジューゴメン
=セ\ン・ロッ/ピャクゴジューゴメン
=セ\ン・ロッ/ピャクゴジューゴ\メン
★=セ/ンロッピャクゴジューゴ\メン
こんな感じでしょうか。
やはり「単語が長くなる」と「アクセントのバリエーション」も増えますね。
なお「★印」は、あまり推奨しないのですが、
「最近の若者の数の数え方」(コンパウンドで平板化)
です。お金の金額などは「コンビニ」なども含めて、こういった、
「アクセントの平板化」
が進んでいるように感じます。井上史雄先生が提唱する、
「よく使う言葉のアクセントは平板化する」
という、
「専門家アクセント」
の一種なのでしょうね。