新・ことば事情
6675「におぐ」
読売新聞朝刊で、ほぼ毎日連載している、
「ポケモンといっしょにおぼえよう!たのしい方言」
というコラムの1月24日で、
「におぐ」
という方言が取り上げられていました。「京都府」の方言とされています。
「京都府の人が『においでみ』と言ったら『においをかいでごらん』ということなんだ」
とあります。そうなんですよね。
「におう」+「かぐ」=「におぐ」
だと私は思っています。
この言葉を初めて知ったのは、今から20年近く前。夕方の関西ローカルのニュース番組で、子どもたちが遊びの時に、
「1から10までの数を数える言葉」
としての、
「ぼんさんがへをこいた」(坊さんが屁をこいた)
について調べていた時です。今や、その立場は全国的に、
「だるまさんがころんだ」
に取って代わられましたが、昔は、関西の子ども達が使っていた「数え言葉」は、
「ぼんさんがへをこいた」
でした。それを調べた詳細は、11年前に出て現在は絶版となっている拙著、
『スープのさめない距離~辞書に載らない言い回し56』(小学館)
に書きましたが、要はその「数え言葉」を調べる中で、「京都」と「滋賀」には、「1~10に当たる数え言葉」である「ぼんさんがへをこいた」の「続き」の、
「11~20に当たる数え言葉」
があることが分かったのです。それは、
「においだらくさかった」(臭いだら臭かった)
というものでした。これで私は、「におぐ」という単語を知ったのでした。それを久々に思い出したなあ。さらに!滋賀・彦根のほうでは、
「21~30に当たる数え言葉」
もあることがわかりました。それは、
「くさいのはあたりまえ」(臭いのは当たり前)
というものでした・・・。