新・読書日記 2018_006
『江戸川乱歩と横溝正史』(中川右介、集英社:2018、10、31)
ようやく読み切った。年末年始の休みで読もうと思っていたのだが、さすがに「2段組」みで334ページは手ごわかった。途中からペースに乗って来た感じで読めたが、最初のほうが、なかなか頭に入って来なかった。
ポプラ社の「江戸川乱歩シリーズ」は、子ども向けにリライトされたもので、江戸川乱歩本人が書いたのではないとしても、僕の「江戸川乱歩」は、あれ。本が好きになったきかっけでもあります。小学3年でモーリス・ルブランの「ルパン」シリーズ、小学4年でコナン・ドイルの「ホームズ」、そして小学5年で「明智小五郎」ときて、そのあとは大人の本に移っていた「読書体験」の基礎は、小学校の図書館で借りたこれらの本。もっとも「江戸川乱歩シリーズ」のポプラ社の本は、買っていたと思う。そろえるのもまた、楽しかった。ワクワクしたなあ。
一方の「横溝正史」は、実は読んでいない。角川文庫。映画もあんまり観ていない。ということで、その二人がまるで「兄弟のような付き合い」があったということも、全く知らなかった。そもそも「江戸川乱歩」はもう亡くなっていたので「歴史上の人物」だと思っていたが、「横溝正史」は同時代で生きていたので、その2人がつながるなんて思いも寄らなかったというか・・・子どもだったし。
「探偵小説」と「軍国主義」という視点は、新しかった。
そして、2人が切磋琢磨している間に、時代は「探偵小説」から「推理小説」に変わり、「松本清張」が台頭する。「松本清張」「高木彬光」も夢中になって読みましたねえ。これは所中学ぐらいかなあ。懐かしいです。
「大人版」のちゃんとした江戸川乱歩も読んでみたいな、と思いました。
「あとがき」のクイズ、一発で分かりましたよ。「藤岡淳吉」ですね!
なお「60ページ」の「川口松太郎」の「没年」が、
「一八九九~一八九五」
となっていましたが、タイムマシンではありませんから、これは明らかに、
「一八九九~一九八五」
ですね。「八」と「九」が入れ替わっている。
「ウィキペディア」しらべですが、
「1899年(明治32年)10月1日~1985年(昭和60年)6月9日)」
でした。「人情小説家 川口松太郎オフィシャルサイト」というところでも、
「1899年(明治32年)10月1日 ~1985年(昭和60年)6月9日)」
でした。重版がかったそうです(パチパチ)から、直っているかな?