新・ことば事情
6670「下道」
1月23日の「ミヤネ屋」で、前日からの大雪で23センチも雪が積もって道路状況が大変になった東京の状況を、中山リポーターが取材していました。
その中で出て来たのが、
「『高速道路』ではなく『下道』で」
という場合の、
「下道」
という言葉。「したみち」と読みますね。これは、「の」が入って、
「下の道」
ならば、
「普通の国道や県道など」
と分かりますが、「下道」は「俗語」なのでは?と思って辞書を引いてみたところ、やはりその意味での「下道」は載っておらず、「下道」の意味は、
「山かげ・木かげ・花かげなど物陰にある道」(『広辞苑』)
という意味しか載っていませんでした。
『デジタル大辞泉』『明鏡国語辞典』『新明解国語辞典』にも載っていません。
しかし、新しい言葉をいち早く取り入れることで知られる『三省堂国語辞典』には、
「高速道路ではない、ふつうの道」
という意味が載っていて(逆に、その意味しか載っていない)、用例はまさに、
「高速がこんでいたので、下道を走った」
とあったので、安心して、そのまま「下道」という表現を使いました。