新・ことば事情
6657「『広辞苑・第7版』で気付いたこと」
2018年1月12日、10年ぶりに『広辞苑』の「第7版」が出ました。
さっそく買って、気になる言葉などを調べてみました。
忘れないうちに気付いたことをメモしておきます。
【不採用だった(載っていない)語】
*「エゴサーチ」
*「ほぼほぼ」
*「ママ友」
*「痛気持ちいい」
*「ザッカーバーグ」
*「新村出」
*「羽生善治」
*「七冠」
*「プラットフォーム」(「プラットホーム」は載っている。「駅」の意味だけ。)
*「メッシ」
*「ロナウド」
*「ゲルト・ミューラー」
*「細川護熙」=首相経験者でも、まだご存命なので載ってない。
*「石原慎太郎」=弟の「石原裕次郎」は、もう亡くなったので「第6版」でも載ってる。
*「ジャイアント・キリング(ジャイキリ)」
*「オンザ眉毛」
*「いんじゃん」(=「じゃんけん」の関西方言)」
*「ヒアリ」
*「重複語」
*「重複表現」
【新採用(載っている)の語』
*三大テノールの「パヴァロッティ」「ドミンゴ」「カレーラス」が3人とも新掲載。パヴァロッティは亡くなったが、他の2人は健在。「三大テノール」という記述が、意味の説明にないのは残念。
*勘九郎の「中村勘三郎(十八代)」も掲載。日本人は、亡くなってから掲載。外国人は、生きていても掲載。「トランプ(大統領)」や「オバマ」なども掲載。
*「感謝感激雨霰(あられ)」は載っているのに、その元になった「乱射乱撃雨霰(あられ)」は載っていない「乱射乱撃」は載っている。
*「フードコート」
*「アルカイダ」
*遺伝の「顕性」「潜性」。これまでの「優性」「劣性」。意味の説明はそちらに書かれている。1行ではあるが、見出しを立てた。できれば「反対語」として「顕性⇔潜性」「潜性⇔顕性」としてほしかった。スペースはあるのだから。
*「ゲリラ豪雨」
*「テザリング」
*「ビッグデータ」
*「ツイッター」
*「ツイート」
*「フェイスブック」=意味の説明に「ザッカーバーグ」が出てくるが、「ザッカーバーグ」は立項されていない。
*「耳触り」=聞いた感じ。耳当たり。用例は「耳触りのよい言葉」
「耳障り」=聞いていやな感じがすること。聞いて気にさわること。用例は「耳障りなことを言うが」「耳障りな雑音」。
「第6版」では「耳障り」のみで、「聞いていやな感じがすること。聞いて気にさわること。」用例は『「耳障りな話」「耳障りな雑音」▽「耳障りがよい」というのは誤用。』とあったが、今回採用!
*「マラドーナ」=4行。
*「ベッケンバウアー」=4行。
*「ペレ」=6行
*「羽田孜」=3行。(一九三五〜二◯一七)
*「永六輔」
*「土井たか子」=4行。(一九二八〜二◯一四)
【意味が変わったり追加された語】
*「さくさく」の意味。第6版は「物事が次々と気持ちよく進行するさま」。第7版は「次々と」が削除され、用例の「さくさく片づける」に加えて「さくさく検索する」が追加された。
*「ビンラディン」。前回も載っていたが、生きていた。2011年にアメリカ・オバマ政権に暗殺されたので没年「二○一一」が追加された。
*「全然」の意味で、「俗に」として「肯定的に使われる『全然』の意味を載せている。断6版での用例は、ちょっと古い感じの「全然同感です」だったが、今回はその用例は削除されて「前に作ったのより全然おいしい」「こっちの方が全然便利」という、現代口語(俗語)の実態に近い用例になった。
*「ヒッグス粒子」は「第6版」(2008年)では「未発見」と書かれていたが、今回の「第7版」では「二○一二年に発見」と。おめでとう!
【その他】
*値段は、手許にあるものでは、「第4版」(1991年)6500円、「第5版」(1998年)○○○○円、「第6版」(2008年)7500円、「第7版」(2018年)8500円。10年で1000円(13,3%)値上がり。
*執筆者、「言論」担当に「池上彰」さん、「サブカルチャー」担当に「サンキュータツオ」さん。第6版では「日本史」担当だった「原武史」さんが「皇室」担当に。
*ページ数は、「第6版」が「3049ページ」、「第7版」は「3181ページ」。132ページ(4、3%)増えた。
*「江戸川乱歩」は「5行」。「横溝正史」は「4行」。「第6版」と同じ。
*「仁徳天皇」の解説、名前の「大鷦鷯」のルビ。「おおさ○ざき」とあるが、読み方は「おおさざき」なので「○」は不要では?2245ページの1段目2行目の1番下。
*「ブラッドベリ」が載っている。アメリカのSF作家。小説「華氏451度」など。(一九二◯〜二◯一二)「第6版」の途中から載っているようだ。
*「温サラダ」=「第6版」から載っていた
とり急ぎ、こんなところで。