新・ことば事情
6646「凄みと怖み」
「平成ことば事情6635語尾の『み』」で、「み」について書いた途端、また気付いてしまいました。
1月10日の日本テレビ「ZIP!」を見ていたら、俳優の斎藤工さんが、スティーブンキング原作の「ダークタワー」という映画の解説をしていました。その中で、斎藤工さんは、映画の特徴・感想を、
「凄みと怖み」
と言いました。しかし、コメントフォローのスーパーは、
「凄みと怖さ」
というように、
「怖み」→「怖さ」
に直していました!たしかに「凄み」は聞いたことがありますが、
「怖み」
という言葉は初めて耳にしました。やはり若い人(斎藤さんも若いでしょう?30代だよね?=36歳)の間では、
「○○み」
という言葉が「○○さ」よりも使われているのではないでしょうか?
グーグル検索では(1月10日)、
「凄み」=143万0000件
「凄さ」=392万0000件
「怖さ」=547万0000件
「怖み」= 1万3300件数)
でした。しかもこれは、「怖み」ではなく、
「恐み」
の件数。そしてこの「恐み」は「こわみ」ではなく、
「かしこみ」
と読むのです。神社の神官が祝詞(のりと)などで
「かしこみ、かしこみも申す」
という、あの「かしこみ」です。
そうするとやはり、「怖み」(こわみ)という言葉は、これまでには無かった「新しい言葉」のようですね。
(追記)
ここまで書いてUPした翌日、漫画雑誌『ビッグコミック』(2018年1月25日号)の、北野武さんのリアルな似顔絵が描かれた表紙の文字に、
「凄味」
という文字を見つけました。
そうか、「凄み」は「凄味」とも書くな。
そうすると、もしかしたら「○○み」の「み」は「味」と思って使っている人もいるのかもしれないな、という気がしました。
(2018、1、11)