新・ことば事情
6635「語尾の『み』」
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
さて、今年最初に気になったのが(本当は、他にもあったけど)「みちうら」の「み」です。
女流棋士の香川愛生さんのツイッターで、
「女性専用車のありがたみ。」
という文章を見つけました。これは従来なら、
「ありがたさ」
となると思いますが、最近、「さ」の代わりに「み」が増えている気がします。
これに関しては、NHK放送文化研究所の塩田雄大さんや、『三省堂国語辞典』編纂者の飯間浩明さんも指摘されています。
私の「語感」では、
*「~み」は「絶対値で、プラスマイナスなし」。
*「~さ」は「プラス評価」
という違いがあるように感じます。
例えば、「強さ」と「強み」という言葉の場合は、
「強さ」は「ニュートラルな基準」で、強いか弱いかの物差し。
一方「強み」は、明らかに「プラス方向」で、「強さ」でいうと「強いほう」ですね。
宇多田ヒカルさんの一昨年(2016年)に出たアルバム『Fantôme』(ファントーム)収録の中の『花束を君に』という曲の中に、
「淋しみ」
という言葉があって、従来だと、
「淋しさ」
ではないか?というのは、過去に書きました。(平成ことば事情6188「淋しみ」)