新・ことば事情
6632「なぜタコの足はゲソと言わないのか?」
先日、居酒屋で「タコのから揚げ」を頼んで出て来た時に、一緒にいた人が、
「あ、ゲソのから揚げですか?」
と言ったので、
「違いますよ、タコのから揚げですよ」
と言ってから「はて?」と思いました。
たしかに、から揚げ、見た目はとても似ています。味だって、まあ飲んで食べてりゃ、そんなに変わらないかも。(だからと言ってタコとイカ、普通は間違えないと思いますけど)それなのに、
「なぜ、『イカの足』は『ゲソ』といい、『タコの足』は『ゲソ』と言わないのか?」
という疑問が生じたのです。
調べて見ると、「イカの足」を「ゲソ」と呼ぶ語源は、昔、演芸場や寄席の、
「下足番」
をしていた人が、
「『下足札の紐』を10本まとめていた」
ところから、「下足」の略称・通称である、
「ゲソ」=「10本」=「イカの足」
という"連想ゲーム"になったという説が載っていました。
たしかに、いわゆる「足の数」は、皆さんご存じのとおり、
「イカ=10本、タコ=8本」
ですから、これは納得できる説ではありますね。「下足の紐」を「8本」でまとめたら、数えにくいですもんね。