新・ことば事情
6631「ご入院」
(これは「6年前」に書き始めたものです)
2011年11月7日の「ミヤネ屋」で、天皇陛下が、
「ご入院」
という表記が出てきました。それを見てちょっと違和感が。
「退院」には「ご」を付いて
「ご退院」
でもいいけど「入院」に「ご」はちょっとおかしいかな?と思って、
「入院」
としましたが、テロップ1枚だけ「ご入院」で出ました。
その後、年が明けて(2012年)天皇陛下は心臓の手術(冠動脈のバイパス手術=2012年2月18日。執刀医=順天堂大学医学部・天野篤教授)のために入院、3月4日に退院されました。その様子を伝えた2012年3月5日の「読売新聞(朝刊)1面」の「見出し」は、
「天皇陛下が退院」
で、「本文」は、
「東大医病院に入院していた天皇陛下が天皇陛下(78)は4日午後、皇后さまに付き添われて退院」
で、「入院」「退院」共に、「ご」は付いていませんでした。
社会面の記事は、「見出し」が、
「天皇陛下 花束手に笑顔」「宮内庁『経過はほぼ予定通り』」「東大病院退院」
で、「隊員」に「ご」は付いておらず、「本文」も、
「笑顔で東大病院を退院された」
と「退院」の後に「された」は付いていましたが、「ご」は付いていませんでした
さらに3月11日の「読売新聞」は、
「『お忙しい入院』終えて」
という見出しで「ご」はついていませんでした。「お忙しい」と「忙しい」に「お」は付いていましたが。
調べて見ると、さかのぼること四半世紀、1987年(昭和62年)9月22日付の「読売新聞・夕刊」の見出しは、
「天皇陛下、手術受けられる」
「全身麻酔で執刀」
「ご入院、一週間前後」
というように、昭和天皇のときは、
「ご入院」
と「ご」が付いていました。