新・ことば事情
6630「エンゼルスか?エンジェルスか?」
二刀流の大谷翔平選手がメジャーリーグで入団することになった、
「アナハイム・エンゼルス」
ここで疑問が。
「エンゼルス」
なのでしょうか?それとも、
「エンジェルス」
なのでしょうか。日本の報道では大体、
「エンゼルス」
ですが、発音は英語では、
「エンジェルス」
ではないの?と思うわけですね。
12月16日に聞いていたNHKラジオ第1放送の「午後4時のニュース」で、内藤啓史アナウンサー(1954年生まれ)は、
「エンジェルス」
と英語風に発音していました。
「ロサンゼルス」か「アナハイム」かは、言いませんでしたが、もし「エンジェルス」と発音するのであれば、当然「ロス」は、「ロサンゼルス」ではなく、
「ロサンジェルス」or「ロスアンジェルス」
と言うべきですね。でも『新聞用語集2017年版』には、
「ロサンゼルス」
となっています・・・。
ちなみに、以下の「ゼ」「ジェ」問題も!
「ジェネラルマネジャー」?「ゼネラルマネージャー」?
実はこれも『新聞用語集2017年版』を引くと、
「ゼネラル」
と書くことになっていました。直さないのかな?
「ジェネラル石油」?「ゼネラル石油」?
これは会社の名前なので調べて見ると、今は、ことし4月に、
「JXエネルギー株式会社」と「東燃ゼネラル石油株式会社」
が合併し、
「JXTGエネルギー株式会社」
に商号変更されたそうです。この、
「東燃ゼネラル石油株式会社」
の沿革は古く、1893年(明治26年)に(米)ヴァキューム・オイル日本支社・(米)ソコニー日本支社として発足。1958年(昭和33年)に
「ゼネラル石油株式会社」
になり、1982年(昭和57年)に「エッソ石油株式会社」、1990年(平成2年)に「三井石油株式会社」、2000年(平成12年)に「東燃」と「ゼネラル石油」は合併し、
「東燃ゼネラル石油株式会社」
が誕生。ことし1月に「東燃ゼネラル石油」は、「EMGマーケティング」を吸収合併したそうです。すごいな、この変遷は。でも一貫して「ジェ」ではなく「ゼ」ですね。
「人名」の、
「フィッツジェラルド」
は?
「フィッツゼラルド」
というのは、見たことがないけど。どうなんでしょうか?「人名」や「地名」は例外が多いですからね。
これって、実は「2つの問題」があります。
-
昔は「ジェ」と言えずに「ゼ」と言っていた。
-
昔から西日本では「ゼ」を「ジェ」と発音する地域があった。
このうち(1)の問題を今回取り上げていて、英語に近い発音をするならば「エンゼルス」ではなく「エンジェルス」だろうと言っているわけですが、(2)は例えば、
「全体」「全然」
という言葉を、
「ジェンタイ」「ジェンジェン」
と発音する人がいる、という問題ですね。うーん、どうする????
グーグル検索では(12月22日)、
「ロサンゼルス」 =758万0000件
「ロサンジェルス」 = 52万5000件
「ロスアンゼルス」 = 49万1000件
「ロスアンジェルス」= 21万9000件
「セネラル」 =609万0000件
「ジェネラル」 =541万0000件
「フィッツジェラルド」=123万0000件
「フィッツゼラルド」 = 204件
おお、やっぱりね!ついでに、あれも調べておこう。
「ゼリー」 =3510万0000件
「ジェリー」=2310万0000件
「ジュレ」 = 656万0000件
でした。